(Figure 6.19, Chapter 6, PISA2006 report。クリックすると大きくなります。) 57カ国、15歳の生徒さんが40万人参加した調査結果を、報告書PISA2006を斜め読みしつつ、何回かに分けてご報告します。 第1回目は数学の調査結果です。生徒さんはテストを受けたわけですが、その得点を元に、レベル1以下、レベル1、2,3,4,5、6にグループ分けします。得点の振り分けは、下の表を見ると書いてあります。レベル6が最高得点のグループで、レベル1以下は最も低い得点の生徒が集まっているグループです。 上の図は、まず、レベル2,3,4,5,6に属する生徒の全体に対するパーセンテージを縦軸のプラスの方向に、レベル1以下とレベル1に属する生徒のパーセンテージを縦軸のマイナス方向に表します。それを57カ国・地域を横軸にとって図にしたものです。 この図は、数学に対して、落ちこぼれ生徒の割合が少ない順に並べたものだ、と考えるべき図です。 国名では、合衆国(United States)はアメリカ、連合王国(United Kingdom)はイギリスのことですから注意しましょう。 落ちこぼれ率の少なさでは、日本は11位、アメリカは35位。トップはフィンランドで、韓国、香港、アゼルバイジャン、カナダ、マカオ、オランダ、台北、エストニア、オーストラリアと続きます。 この順位を見て、日本の学力が落ちたという新聞論調が氾濫しました。 私は違う意見です。高順位の国は、新興国・地域か、または人口の少ない小国です。新興国は昔の日本のように元気があり先進国に追いつこうという覇気があります。小国は、まとまりがよく、教育改善のための対策が取りやすいという利点があります。 日本のような人口の多い成熟した工業大国は、同じようなレベルの国と比較すべきなのです。そこで、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア(OECD非加盟国)、日本、を比較してみました。下の表がそれです(図中一番左の列にあるRanksは57か国中の順位です。クリックすると大きくなります)。日本はよく頑張っているじゃありませんか。子どもたちを褒めるべきです。 by FewMoreMonths | 2008-01-17 13:04 | 教育
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