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【芸能・社会】

「SOPHIA」都啓一 39歳がん壮絶闘病記 9・1出版

2011年8月30日 紙面から

(上)闘病中の都啓一。抗がん剤の影響で全身が脱毛した(下)1日に出版する「ガンでもくじけない」

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 ロックバンド「SOPHIA」のキーボード奏者、都啓一(39)が、濾(ろ)胞性悪性リンパ腫を克服するに至る経過や心境をつづった闘病記「ガンでもくじけない」(講談社)を来月1日に出版する。死と直面した苦悩、妻の久宝瑠璃子(42)やバンドのボーカルで学生時代からの親友でもある松岡充(40)らのサポートへの感謝、ファンへの思いなど、今だからこそ明かせる“闘い”の記だ。

 「実は、僕にある病気が発覚しました。病名は『濾胞性悪性リンパ腫』。血液のガンです」。昨年3月21日、東京・SHIBUYA−O−WESTで行ったライブステージで自ら衝撃の告白をした都。それまで極秘に治療計画をすすめ、何らかの形でファンにも伝えなければいけない、そう考えた末の決断だった。

 がん発覚のきっかけは、昨年のツアー前の検査。左足の太ももの付け根のしこりが気になり、医師に相談したところ、エコー検査、MRI、血液検査と続き、ついに「悪性リンパ腫の疑い」と告げられた。痛みなど自覚症状が全くなかったこともあって、「けっこうヤバい病気やろう」と思った半面、「まぁなんとかなるやろう」と思ったという。

 セカンドオピニオンを求めた医師には、このがんは再発すると告げられ、「最終的に骨髄移植しかない。それができなかった場合は亡くなります。それがだいたい10年」と“余命”宣告までされたことを明かしている。

 ステージ4という状態だったが、その後、化学療法に努め、副作用による脱毛、味覚障害などの体験もつづった。夜はほとんど眠れず、自分が死ぬ夢を何度も見たという。

 「寛解」を告げられたのは、昨年11月。それでも完治ではなく、再発の危険はつきまとう。闘病中も音楽活動を続けたことで、免疫力アップにつながったようだ。幸いローンが下りて、地下1階地上3階のビルを購入、スタジオを持つという夢を実現させた。

 今は「死を悲しむのではなくて、死ぬまでにやるべきことを考えると、すごくいまが充実していく」という心境。東日本大震災の被災者の人たちにも「生きることに関して、希望を見つけて欲しい」とも。たとえ再発しても生き様をすべてみんなに見せて生き抜くという覚悟で締めくくっている。

 ◆濾胞性リンパ腫 低悪性度B細胞性悪性リンパ腫の一分類、血液のがん。リンパ節のはれなどが見られる。リンパ系組織は全身を巡っているため、外科手術による切除は行わず、放射線治療、化学療法などを適応する。欧米諸国では悪性リンパ腫の20〜30%を占めるが、日本ではその半分程度。近年増加傾向が指摘されている。

 

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