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【芸能・社会】

王さん、長渕剛に熱いエール 復興支援ラジオに賛同、対談実現

2011年8月31日 紙面から

 ミュージシャンの長渕剛(54)が、東日本大震災直後に立ち上げた復興支援ラジオ番組「長渕剛 RUN FOR TOMORROW〜明日へ向かって〜」で、ソフトバンクホークスの王貞治会長(71)との対談が実現した。初回放送を聴いて感銘を受けた王会長が長渕に直筆で激励の手紙を送ったことがきっかけ。感激した長渕が対談を熱望した。野球、音楽、人生論、被災地への思いをたっぷり2時間半語り合った2人。この模様は、番組を放送している全国のラジオ23局で9月1日から順次放送される。

 「あの一本足打法の王さんが、僕のラジオを聴いていてくれたことがうれしかったなぁ。暗中模索して悩みながら被災地に声を届けてきましたが、王さんのその手紙が僕らを勇気づけてくれました。誰にほめられるよりもうれしかった」。長渕は少年のように目を輝かせた。

 番組は4月7日から被災地を中心としたラジオ9局でスタート。その初回放送で長渕が読んだ「復興」という散文詩に心を打たれた王会長は、誰よりも早く長渕にこんな直筆の手紙を送ったのだった。

 「命の叫び 男長渕剛の心の叫びを聴かせてもらいました。血の滾(たぎ)るような熱い思い、とどまることのない怒り、心の奥にグサッと突き刺さる言の葉でした」

 これまでも親交があった2人だが、顔と顔を合わせてじっくりと話すのは今回の対談が初めて。長渕は一本足打法の誕生秘話や現役時代のエピソード、WBCの監督として日本代表を世界一に導いたことなどを興味深そうに次々と質問した。

 一方、王会長も長渕が4月16日に宮城県石巻市の避難所や航空自衛隊松山基地を慰問し、ミニライブを開催したことや、8月1日から約1週間、自費で福島の子どもたちを故郷の鹿児島に招待して行ったサマーキャンプの様子を番組を聴いて知っており「その行動力はすごい。長渕さんの気持ちの深さが出ていると思う」と賛辞を贈った。

 番組の最後に、長渕は王会長への感謝の気持ちを込め、バラードの「Close your eyes」をギターの弾き語りで生熱唱。王会長は大きな瞳でまっすぐ長渕の顔を見つめながら聴き入り、「どうもありがとう。すばらしい!」と大喜びした。

 対談を終えた長渕は、王会長の「二度とないこの一球」を「最高にしびれた言葉」と表現。「絶好球のために常に準備をしておけ」という意味だが、ライブで、最高のロックショーをつくり上げるために、リハーサルから常に全力投球する自分自身にぴったり。この言葉を胸に刻み、長渕は明日へ向かって走り続ける。 (江川悠)

◆82年からの交流

 長渕が王会長に初めて会ったのは、1982年。TBS系ドラマ「王貞治物語」の主題歌に自身の楽曲「青春は手品師」が起用され、初体験の演技で王会長の父・王仕福さん役で出演もした時。以後交流を深め、04年に長渕が福岡市内で詩画展を開催した際、王会長が激励訪問。

 一方、06年に胃に腫瘍が見つかり王会長が入院したときは、長渕は炎をイメージした詩画を制作し、贈呈している。

◆9月でひと区切り

 「長渕剛 RUN FOR TOMORROW〜明日へ向かって〜」は各局で放送後、長渕の公式サイトで聴くことができる。同番組は9月いっぱいをひとつの区切りとして終了する見込み。長渕は「僕はこれからも東北を見つめ続ける。本業である音楽制作に立ち返りますが、この半年間のラジオが自分自身へもたらす影響は大きい」と話した。

 

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