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【放送芸能】

大震災を検証 首都圏の備え訴え 1日「防災の日」ラジオ各局特番

 九月一日は「防災の日」。ラジオ各局は毎年この日に特番や特別企画を放送し、「いざという時はラジオです」と訴えてきた。三月十一日に東日本大震災が起きた今年は、経験と課題を踏まえて気持ちも新たに防災キャンペーンを行う。 (宮崎美紀子)

 今年の「防災の日」は、大震災を振り返ると同時に、首都圏直下型地震への備えを促す企画が目立つ。

 NHKラジオ第1は、午前八時三十三分から四時間半にわたって「特集・防災の日2011〜東日本大震災から学ぶべきものは〜」を放送。大阪放送局からは、在阪ラジオ各局が共同制作する「関西発・いのちのラジオ」を紹介する。

 文化放送の午前十一時からの特番「あの日から半年〜3・11に学んだこと」には、宮城県気仙沼市で被災した、同県出身のお笑いコンビ・サンドウィッチマンが出演し、地震発生時の状況などを語る。防災・危機管理アドバイザー山村武彦さんは備えの大切さを説く。

 ニッポン放送は九月一日からの十一日間を「防災週間」とし、各番組でさまざまな企画を放送。一日は「高嶋ひでたけのあさラジ!」(午前5時)で日野原重明さん(99)が関東大震災の体験を証言。特番は十日午後三時。岩手県釜石市で防災教育を続けてきた片田敏孝群馬大大学院教授を迎える。

 横浜にも放送設備があるラジオ日本は林文子横浜市長のインタビューや、黒岩祐治神奈川県知事出演の報道特番を一日に放送。「三月十一日は東京と横浜のスタジオから交互に都内の状況や横浜からのリポートを行った」(平石ひとみ編成営業推進部長)と神奈川県民にも配慮。午後九時からは宮城県石巻市で被災したクミコのライブも放送する。

 TOKYO FMは、「REMIND3・11〜震災から学んだこと、そしてこれから〜」と題して午前八時半から午後七時四十五分までの五番組内で特集を組む。番組ごとに東京で働く人、子どもと保護者、新しいメディアと若者などテーマを分けている。

 J−WAVEは終日を「防災1DAY〜もしも から いつもへ〜」とし、各番組で大震災の検証と首都圏の備えを考える。被災者の声を集めたミニコーナーも随時オンエア。

 震災後、いち早く携帯ラジオを配布したり、被災地に送ったTBSラジオは、一日午前十一時から東京都墨田区の都立横網町公園で「リフレッシュキャンペーン」を実施。ラジオの無料修理や電池交換を行うイベントで、もう三十年以上も続いている。

 停電してもラジオは乾電池だけで情報が得られ、当初の衝撃が収まった後は、安心と癒やしを与えてくれることが今回の震災であらためて見直されたが、一方で課題も見えてきた。

 ニッポン放送は独自の情報収集手段「タクシー防災リポーター制度」「お勤め先安否情報」などのシステムを再整備している。

 文化放送編成部の山田英俊さんは「人海戦術の現地からの報道よりも、ラジオは鉄道や保育所の状況など『安心情報』が大事。テレビとラジオの決定的な違いがあらためてわかった」と気を引き締める。

 

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