昨日10月7日のブログで医療機関の相対評価に関するデータ(5年生存率)が全がん協から公表されましたので、特に大腸がんに関するデータを紹介しました。
公表された7機関のデータから、各機関における5年生存率(ある種の治療実績)に有意な差は認められないと結論づけました。公表する機関をもっともっと増やして、各地域における医療機関の相対評価を行い、それを元に治療実績が平準化されることを切に期待したいと思います。 がん患者にとって一番の希望はなんだと思いますか。個人個人バラツキはあると思いますが、私にとって一番の希望は、がんが完治する必要はない、今の状態でいいから少しでも長生きがしたい、です。しかし、耐えられない苦しみはご勘弁願いたいですが。 生命個体の本能でしょうか、とにかくもう少し生きたい、というのが大方のがん患者の最も切実な希望だと思います。だから、私にとって5年生存率というのは参考にはなりますが、我が人生にとってほとんど意味のない数値なのです。 HIV(エイズ)患者が増え始めたとき、がんと同じように不治の病として恐れられました。いや、今でも大変恐ろしい病気です。私の理解では、医薬品の急速な進歩があって、HIV患者は数種類の薬をカクテルで服用し、HIVの突然変異で効果が薄れた段階で新たなコンビネーションのカクテルに代えて次々とHIVに対抗する。この方法によって、HIVを根絶することはできないが、HIVの急激な増殖つまり病状の悪化を防ぐことができるようになった、と聞いています。 私は、まさにこの方法をがんに使うべきではないか、と思ったことがあります。一部の研究者は当然そのことを考えていて、いわゆる「休眠療法」を推進しようと努力している先生もおられます。 私の大腸がんは2000年に見つかったもので、既に7年生存してきました。妻に聞くと、彼女の知り合いが、「えっ、まだご主人生きているの?」と時々いわれるそうで、なんだか生き恥をさらしているような感じもしないではありません。いずれにせよ、私のケースは大腸がん治療の成功例の一つに数えられると思います。 既にブログの連載で紹介しましたが、2004年には左肺に再発して摘出手術を行いました。2005年に今度は右肺に10個以上の腫瘍が再発し2006年から抗ガン剤治療を継続しています。体力は徐々に衰えていますが、抗ガン剤の予想平均生存率の19ヶ月はクリアできそうです。 私が大腸がん患者として知りたいことを思いつくままに列挙したいと思います。非常に具体的な事項になりますし、科学的なんてことはいっていられない事項です。 ・今の抗ガン剤は少し効いているようだが、いつ効かなくなるのだろうか。 ・新しい抗ガン剤のオプションはあるのだろうか。それは使用可能だろうか。 ・がんの進行スピードはどの時点で加速を始めるのだろうか。 ・その時点で起きる苦痛はどの程度だろうか。 ・あと何ヶ月歩ける体調を維持できるのだろうか。 ・どのような死因で死んでいくのだろうか。 ・週2回仕事に行っているが、それによる疲労は抗ガン剤の効果とその副作用にどのくらい悪影響があるのだろうか。 ・今海外出張に行くことができるのだろうか。外地で副作用がでる確率はどの程度だろうか。 ・間質性肺炎などの重篤な副作用に前兆現象がないのだろうか。その前兆現象を感知して重篤な副作用を事前に防げないのだろうか。 ・その他グレードの低い副作用をどのように克服したらよいのだろうか。 まだまだありますが、とにかく苦痛を回避して長く生きる人生計画を立てるのに、この程度の情報が欲しいのです。 インターネットで「大腸がん」を検索してみると膨大なヒット数がありますし、ブログにも(私のも含めて)多くの体験談が載っています。しかし、検索に便利なように整理されていないことがネックで、上のような疑問の答えを探そうにも手に負えません。 何とかならないでしょうか。思いつくままにちょっと提案してみたいと思います。 まず、がん患者の知りたいことのほとんどは、上にあげた私の例のように、主治医には答えられないか答えたくない事項なのです。 われわれにとって本当に必要なのは、しっかりと整理され検索が体系的にできる「患者さんの体験」なのです。 当然ですが、これらの整理された体験談は例数が増えるにしたがって学術的にも貴重なデータになることは間違いありません。大学病院の先生方が細々とした科学研究費補助金をもらって個人的かつバラバラに調査を行っているようですが、全国的に体系がとれ整理されたデータでないとあまり役に立たないのです。 そのように整理された体験談があれば、検索によってその記録を見つけ、私にとって大変参考になる情報なら「自己責任」でもってそれを利用すればよいのです。 検索の方法としては、例えば、大腸がん→初診stage→年齢→性別→手術→再発→再々発→抗ガン剤治療→5FU→オキサリプラチン→イリノテカン→アバスチン→経過年数等と、順々に奥に入っていき、自分と似た境遇にある人にたどり着きます。 そして、その体験談を開いて上にあげたような質問に対する答えがあるかどうか調べるのです。もし参考になる情報があるが、記録が不完全でもう少し情報を知りたいときなどには、個人情報を保護するため、第三者機関を通して「電話やメール」で連絡が取れる体制になっていれば最高だと思います。 このためには、どうしてもがん患者が記録を残さなくてはなりません。科学者は研究を行うときには、ログブックというノートに必ず記録をつけます。がん患者さんのほとんどは科学者ではありませんから、記録をつける習慣になれていないかもしれません。このためには、第三者機関が記録をつけやすいフォーマットを考えて、患者さんにノートを配布すればよいと思います。それを電子媒体にするのは第三者機関の仕事になります。 患者さんの記録は不完全でもいいと思いますし、体調のよいときだけ記録をつけるのでもいいと思います。 ちょっと恥ずかしいですが私のつけている記録を整理したページを4枚ほどお見せしたいと思います(不完全な記録ですが。クリックすると大きくなります)。 by FewMoreMonths | 2007-10-08 12:03 | 大腸ガン治療経過
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