8月21日、8月24日、9月1日、9月3日、9月4日に、インターネットからの情報を元に、東京大学、山形大学、茨城大学、早稲田大学、慶応大学の現状を紹介しました。データを見るのもだいぶ飽きてきたと思いますが、国立大学3校を調べましたので、私立大学も3校調べてみたいと思います。次回にハーバード大学のデータの一部も紹介したいと思います。
以上のデータを元に大学の問題点が浮かび上がってくればいいなと思います。 そこで私立大学の3番目として関西の同志社大学のデータをいつものフォーマットに従って簡単に紹介します。 同志社大学のウェブサイトから財務関係の情報や学生数などのデータを引き出します(2005年度)。比較のために各項目の値を東京大学の値で割った比も掲げています。下の表がそれです(表をクリックすると大きくなります。) (最初のデータ表に大きな誤りがありました。訂正してお詫び致します。10月5日21:30。) 特徴をいくつかあげると、 ・学部学生は東大の約1.6倍。大学院生数は学部生数の9分の1くらい。 ・教官(非常勤含む)一人に対する学部生数は13人。慶応大、早稲田大ではこの数がそれぞれ14人、8人です。 ・職員の数は教官数に比べて4分の1。職員一人あたりの学生数は56人。慶応大、早稲田大ではこの数がそれぞれ28人、52人です。職員の負担は早稲田大と同じくらいです。 ・教員の中で非常勤の割合は63%。 ・職員の中で非常勤の割合は30%。 主要な収入の合計は約340億円。茨城大学の130億円と比較するとだいぶ大きな値です。(慶応、早稲田大学の主要収入はそれぞれ1112億円、947億円です)。 収入の中で、国庫補助等が42億円強で主要収入の中で12%を占めます。授業料は主要収入のなんと81%を占めます(慶応大(病院経費除外)、早稲田大はそれぞれ58%、67%)。 同志社大学は、授業料等の収入に完全に依存していることになります。 次に使い道を見てみます。主要支出は約293億円ですが、そのうち人件費は57%で、慶応大(病院経費除外)、早稲田大の数値54%、52%と似通っています。 資産運用収入が約4億円ありますが資産の情報はありませんでした(慶応大学、早稲田大学の資産運用収入はそれぞれ71億円、28億円です)。 非常勤教員の割合は63%で、早稲田大学の64%とほとんど同じです(慶応大のデータは見つかりませんでした)。 東大、山形大、茨城大では、8%、39%、40%です。私立大学ほどではありませんが、地方国立大学も教育・研究活動が非常勤教員で支えられていることが分かります。 東大は明らかに例外扱いですね! 職員の中に占める非常勤の割合は、同志社大学、早稲田大学、山形大学、茨城大学、東京大学で、それぞれ30%、15%、37%、40%、42%となります。むしろ私立大学の非常勤職員の割合は国立大学のそれより少ないようです。 同志社大学に戻りますが、結論として、財政状況や教職員数などを見ると、同志社大は慶応大、早稲田大のミニ版という感じがします。ただし同志社大は、ほとんど授業料等によって生計を立てている大学なことがわかります。 (続く) by FewMoreMonths | 2007-10-05 16:06 | 教育
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