「日本の環境技術は世界最高だ」という記事を新聞等でよく見かけます。とりわけハイブリッドカーや省エネ家電が自慢です。日本の得意分野は、日常使う工業製品の効率を極限まで上げる技術に長けているといえます。
外国の産業界は違う見方をしているようでちょっと気になります。 少し古いですが、8月20日のCNN.comのニュースの一部を紹介します。 アメリカ政府は京都議定書にも調印せず地球温暖化対策に不熱心なことはよく知られています。しかし、CNNのニュースによれば、クリーンエネルギー技術の分野でアメリカは既に世界のリーダーである、とのことです。 アメリカ政府のエネルギー省、大企業、ベンチャー企業は、様々なクリーンエネルギーの技術開発、すなわち風力、太陽、バイオ燃料、バイオマス、水素燃料、燃料電池、潮汐力、それにエネルギー高効率化に取り組んでいます。 エネルギー省エネルギー関係の予算の伸びに関しては、既に9月13日と9月14日の連載で紹介しました。 CNN.comの記事の一部を引用すると、 「今やアメリカはクリーンエネルギー技術の開発で世界のリーダーに躍り出た。その中でも、ゼネラルエレクトリック(GE)はクリーン技術や高効率化技術の面でトップを走っている。」 「2006年度にクリーンエネルギー関連への投資額は、アメリカが20億ドルに対して、ヨーロッパ、中東、アフリカでの総額は40億ドルで、アメリカが後塵を拝している。一つの理由は、現在のところ中小の企業が資金を得るのにロンドンの証券取引所のほうが柔軟でウオールストリートなどより有利なことによる。」 「2006年度アメリカ各国、大部分は合衆国だが、はクリーンエネルギー・マーケットに40億ドルを投入したのに対し、ヨーロッパ、中東、アフリカは16億ドルを投入したに過ぎない。2005年から2006年にかけてアメリカ州の投資額は倍増したのにヨーロッパ、中東、アフリカは伸びがなかった。」 この記事に日本やアジアの動向が一切出てこないのは異常ですが、多分、クリーンエネルギー関連の投資を行う環境がアメリカやヨーロッパに比べて進んでいないためのような気がします。 環境や特にクリーンエネルギーの分野で、アジアが他の地域と比べて遅れていないかどうか、今後注目する必要があります。 私の個人的な考えをちょっと一言。 、温室効果ガスを押さえる努力はむろん大切です。しかし、日本やヨーロッパがどれほどがんばっても、アメリカ、中国、インド、その他の新興国が経済発展に邁進するばかりで、温室効果ガス抑制の努力をしない限り地球温暖化は止まらないでしょう。 今後重点的にしなければならないのは、地球温暖化は起こるんだという事実を受け入れて、そのための対策を立てることです。 今年の猛暑を考えれば、エアコン等の使用を我慢することには限界があります。ますます電力需要は増えていくでしょう。農業対策なども喫緊の課題です。 地球温暖化が起きれば、エネルギーがますます必要になることをまず覚悟しなければなりません。各国は、この増大するエネルギーを安定的に確保するために動き出しているのでしょう。 原子力発電を第一に、他のクリーンエネルギーの開発に英知を絞らなければならないと思います。また、研究者の自由な発想を元に、何か画期的な発見・発明が出ることをぜひ期待したいと思います。 by FewMoreMonths | 2007-09-20 16:46 | 環境・災害
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