8月25日のブログにCNN.comにでていたマザー・テレサの衝撃的な物語を紹介しました。聖者と慕われたマザー・テレサは、キリストの声「Come Be My Light」の導きによって始めた貧者救済活動に携わりつつも、神への信仰に深刻な疑問を持っていた、その苦悩は彼女の死によってようやく開放されることになった、というものです。
ニューズウィーク9月10日号にも「Dogmatic Doubter」なるタイトルでマザー・テレサに関する記事がありました。前回のCNN.com同様、Brian Kolodiejchuk神父の編纂によるマザー・テレサの書簡を集めた本「Mother Teresa: Come Be My Light (Double Day)」を紹介したものです。 なぜ急にマザー・テレサが注目されるのかわからなかったのですが、今年はマザー・テレサ没後10周年にあたっているからでした。 ニューズウィークの記事は8月25日のブログとほとんど同じ内容で、改めて神を信じることの困難さを痛感しました。私のような完璧な無神論者には当たり前で悩むようなことはありませんが、神の声を聞いた方には、神の実在を疑わざるを得なくなったとき、深刻な苦悩が襲ってきたことでしょう。 同記事の最後の文章は、 「The Church should have had the elementary decency to let the earth lie lightly on this troubled and miserable lady, and not to invoke her long anguish to recruit the credulous to a blind faith in which she herself had long ceased to believe.」 とあります。私は必ずしも意味を理解できているとはいえませんが、 「『教会』は、なぜ、この問題を抱えた哀れな婦人をそっとしておいてやらなかったのか、また、そもそも既に信仰を捨て去った婦人に、人々を盲目の信仰に勧誘するという残酷な行為をなぜ続けさせたのか」 というような意味かと思います。大文字の「Church」の意味が今ひとつはっきりしません。 先日イスラム教に関する本を読んでいたら、ムハンマドとキリストをどう捉えるべきかがよく理解できました。イスラム教におけるムハンマドはあくまで血と肉をもった「人間」の預言者でした。イスラム教では、キリストもムハンマド同様人間の預言者と考えています。 キリスト教では、復活(resurrection)を遂げたキリストは「神の子」とされており、キリストに関して、人と神という絶対的な違いが両宗教にあるわけです。 しかし私にはキリストの最後の言葉「My God, My God, why have you forsaken me?」(おお神よ、なぜあなたは私を見捨て給うのか)」の意味が依然として謎のままです。いつかキリスト教の本を読んでみたいと思います。 (©Newsweek Sep 10 issue、page 50) by FewMoreMonths | 2007-09-17 11:06 | 人生
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