ホテルニューオータニにて、その2
 昨日は朝8時半から午後7時までぶっ続けの会議、その後皆で夕食に行き午後9時半にホテルの部屋に戻りました。会議はすべて英語なので、プレゼンテーションを聞くのに精力を取られ疲れました。医学の専門家によると、脳が消費するエネルギーは人体の総エネルギー消費量の20%を占めるそうです。今日みたいに集中すると20%が40%になったんじゃないかなどといって、皆さん晩飯を多く食べる口実にしていました。
 プレゼンテーションの内容は生命科学や材料科学が主要なテーマでした。私の専門領域と外れているので、プレゼンを理解するのにも集中力が必要です。英語よりも、こっちのほうが疲れの主な原因ですね。
 私はまだ息が切れるので、ちょっとの時間ですが部屋に持ち込んだ酸素ボンベから酸素を吸って元気を取り戻しました。気持ちを集中させているとそのときは疲れを感じませんが後でどっときます。抗がん剤注射を2回休みにしたせいか昨日から咳が出始めました。今日1日何とかもって下さい。
 関係者に「これが最後のお勤めになると思います」というと、何をおっしゃると笑われます。私は一見まだ元気に見えるようです。うれしいよりも何かつらい複雑な感じがします。

 英語会話の中にどっぷりつかると面白い経験をすることがあります。日本人同士が日本語で会話しているとします。私がその横を通り過ぎるとき、その会話が耳に入ってきます。ところが、頭の中は英語モードにスイッチされているので、無意識のうちに会話の中から英語の単語を必死になって探しています。時々英語らしい単語を拾い出すのですが、英語に聞こえません。不思議なことに、その会話が非常に奇妙な外国語に聞こえるのです。しばらくたって、頭のスイッチが日本語モードになると、突然会話の内容が理解できるようになります。これは非常に奇妙な体験です。
 昨日はイタリアのエリチェの話をしましたが、エリチェに滞在している時のように1週間以上一度も日本語を使わないとこの奇妙なことがよく起きます。
 脳の活動を理解するのは一筋縄ではいかないことを感じます。

 今日はまた8時半から昨日の続きです。今日も終わりは7時を覚悟しなければなりません。夕食は和食になります。

by FewMoreMonths | 2007-08-31 10:00 | 人生


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