今日から始まる2日間の打ち合わせのため、昨日ニューオータニにチェックインしました。田舎者ですので、しばらく東京都心の夜景に見とれていました。海外出張ではせいぜい3星クラスのホテルを利用しますので、外国では夜景を楽しむどころか、夜の闇に沈んだように滞在します。
海外出張先は大都会と田舎が半々です。田舎はどこもすばらしいですね。昔、国際夏の学校の講師を引き受けていたため、シチリア島の西の端にあるエリチェという片田舎の集落に、数年間、夏に2週間ほど滞在しました。イタリアの高名でかつ影響力のある物理学者が約40年前にこの学校を始めました。当時この集落は廃墟となっていて、それを復活させたのがこの校長先生です。 エリチェは数100mの孤立した山の上にあり、ほとんど毎日激しい雷雨があります。そのためすぐ停電するのですが、校長は頭に来て自家発電機を設置し、停電を自動的に検知して瞬時に電力を切り替えるシステムを導入しました。停電のとき一瞬暗くなりますが、パソコンが落ちることもありません。校舎は古い廃墟となっていた教会を改造したもので、2階の吹き抜けからの眺めには息を呑みます。まずい写真ですが下に示しました(クリックすると大きくなります)。 海は地中海でエリチェはアフリカに近い村です。アフリカから砂が飛んでくるとのことです。アフリカ系の名前も時々耳にします。 エリチェの歴史は古く、紀元前730年ころギリシャの移民から始まったそうです。中世にはバイキングがはるばるここまで攻めてきて城を作りました。下の写真の左手岩の上にある廃墟がその城です(クリックすると大きくなります)。 集落は高所にあるので夜は夏でも冷え込み靄がかかります。下の写真は集落の一角ですが、前方のカップルは校長ご夫妻です(クリックすると大きくなります)。 エリチェの真下にトラパニという町があります。校長のご先祖はこのトラパニのファミリーということです。校舎にするため廃墟となったエリチェの修道院を改装していたとき、職人が漆喰を削っていたら、「17xx年yy(校長のご先祖の名前)の寄付」と書かれた絵が現れたといっていました。 校長は今でも隠然たる勢力を誇り、夏の学校の卒業式のパーティーには大勢のシチリア地方政府高官が出席します。外国から来た研究者が泥棒にあってカメラなどを盗まれると、彼に相談すれば盗品はすぐ返されるとのことです。ちょっと想像を絶しますが、アフリカに近いイタリアのはずれで本当にある話しです。 都会になじめない者が、昔印象に残った田舎の風景を思い出したので紹介した次第です。 昨晩は、今日から始まる打ち合わせに先立ってレセプションが開かれました。ヨーロッパから来た2人は私の知り合いで、久しぶりに歓談しました。ヨーロッパからはこの2人だけで、あと何人かアメリカから来ていましたが、知り合いはあいにくいませんでした。 しかし、きらびやかな一流ホテルの内装はどうもなじめませんね。 by FewMoreMonths | 2007-08-30 10:00 | 人生
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