8月22日に、2006年4月から2007年1月までの抗がん剤治療とCT写真から得られる腫瘍サイズの関係を記録しました。今日は、その後の経過を記録します。
2007年2月20日のCT写真から、抗がん剤のオキサリプラチンの効果がなくなってきたと書きました。これは正確な記述とは言えません。 イレウスのために、1月26日からオキサリプラチンの注射を中断しました。前回にも指摘しましたが、抗がん剤注射に1ヶ月ほどの休息期間をおくと、腫瘍が最活発化してサイズが増大します。つまり、オキサリプラチンの効果がなくなったと考えるより、注射の中断の効果と考えることもできます。 主治医の先生と相談の上、薬を代えることを決断しました。オキサリプラチンに代えてイリノテカンを使います。この薬はオキサリプラチンに上乗せするのではなく、オキサリプラチンをやめてイリノテカンにするのです。併用する5FUはそのままです。イリノテカンは副作用として激しい下痢があります。 CT撮像の翌日2月21日に第1回のイリノテカン注射を行いました。吐き気はオキサリプラチンよりやや強いですが、恐れていた下痢はなく逆に便秘になりました。薬剤の先生に便秘という副作用はパンフレットについていませんが、とお聞きすると、便秘は大した副作用ではないので書いてないが、多くの人が便秘になります、とのことでした。頻度の高い副作用なら、それが重篤でなくてもパンフレットに書き込むべきですね。 2回目の注射はちょっと時期がずれますが、3月12日でした。3月6日から10日までアメリカに行ってきたためです。4月下旬にどうしてもアメリカに行きたい用事がありましたので、その予行演習もかねて思い切ってシカゴまで往復しました。アメリカのある研究所の評議員(Board of Directors)を頼まれていて、3月7,8日の会議に出席しました。ちょっとしんどかったのですが、体調に変化もなく無事に帰国できました。もう少し働けるかなと、少し自信もつきました。 3回目の注射は3月30日。無事に終わりました。残念ながら、腫瘍マーカーに顕著な変化がなく、3回の注射の効果はまだ出ていません。(8月17日の図をもう一度見てください)。 4月2日突然発熱しました。38.8度。私はめったに体温があがらないので、異常だと思い病院に行きました。採血結果では炎症の程度を表すCRP値が低かったようで、解熱剤と抗生剤をもらって帰りました。解熱剤の効果は約12時間ありますが、薬が切れてくると体温は上昇。結局症状が改善せず薬も切れたので4月9日病院に行きました。今度は採血と胸部X線撮影。CRP値は21に上昇。先生と一緒に写真を見ると両肺のほとんどすべてが白くなっています。肺炎だということで、また緊急入院。やれやれ。 直ちに抗生剤の点滴が始まりました。ところが一向に熱が下がりません。解熱剤が切れると40度まで体温が上がることもありました。食欲はまったくなくなり、栄養剤の点滴を始めました。血液中の酸素も減り酸素吸入も始まりました。一時6リットル毎分まで酸素吸入を増やしました。 呼吸器の先生も応援に入りました。4月16日間質性肺炎の疑いでステロイド点滴開始。劇的な効果があり、熱も急速に下がりました。ステロイドの影響もあって食欲も出てきました。 しかし、肺の影は一向によくなりません。長期戦を覚悟しました。楽しみにしていた4月下旬のアメリカ行きはこの時点でキャンセル。何人かの皆さんに迷惑をかけましたが、打つ手がありませんでした。 その後、点滴からステロイド剤を服用することになりました。酸素吸入量もだんだんに減らしていきました。しかし、トイレに行くのにも息が切れて苦労です。歩かないと足がなえるので、酸素ボンベを引きずり、クラクラしながら散歩を続けました。4月下旬になるとだいぶ元気になり、妻に買ってきてもらったe-mobileをラップトップにつないで、ようやく外部世界との連絡ができるようになりました。5月2日外泊許可がでて在宅酸素の準備も整ったのでようやく家に帰りました。その後容態に変化がないので5月7日正式に退院しました。 肺炎の原因は何だったのでしょうか。イリノテカン注射後2日後に熱が出始めましたので、イリノテカンによる薬剤性間質性肺炎の疑いが最も高いということでした。残念ながら、イリノテカンの注射はここでストップせざるを得ません。 2006年12月21日と2007年2月20日に撮ったCT写真で、同じ部位の3コマを紹介します(下図。クリックすると大きくなります)。 左2コマには昔患ったサルコイドーシスの炎症痕が見えます。2月20日の写真には左右両肺に新たな影が増えています!私はこの影に気づいていたのですが先生と相談するのを忘れていました。事後になりますが、この影は間質性肺炎の前兆だったかもしれません。1例では確認しようがありませんが、もし3月にCTスキャンが行われていたらもう少し確かな情報が得られていたでしょう。 CTは放射線の被爆量が多いので頻繁に行うとかえって体に悪い影響を与えます。X線量を半分以下に減らし、さらに安価な装置ができればいいと思います。そうすれば、もっと気軽にCTスキャンができるようになり、副作用の予防に効果を発揮できるでしょう。 by FewMoreMonths | 2007-08-29 10:18 | 大腸ガン治療経過
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