抗がん剤治療
今日は化学療法の治療を受ける日です。抗がん剤のアバスチン+5FUを約2時間半かけて点滴で注入しました。私は、5FUとの相性が悪く、吐き気を催すので、吐き気止めの点滴をまず30分行いますから、都合3時間の点滴になりました。もっとも吐き気止めはほとんど効き目がありませんが。
アバスチンはつい6月から販売になった新薬で、今までの抗がん剤が細胞内の染色体分裂を阻害するのに対し、アバスチンはモノクロナル抗体とやらで、 腫瘍が栄養を取るために新しい血管を作るのを特異的に阻害する免疫作用を使った薬だそうです。副作用が少ないという特徴があるということです。

新薬というと、今まで使っていた薬をやめてその新しい薬を使う、と考えるのが普通ですね。私は、抗がん剤でもてっきり同じように古い薬をやめて副作用の少ない新しい薬に変えるのだと思って、副作用が少なくなるのを楽しみにしていました。

ところが現実は大違い。今までの薬に新薬を上乗せするのです!たとえば、まず5FUのみの治療を行う。それが効かなくなると新薬のオキサリプラチンを追加します。最新のアバスチンが発売されると、5FU+オキサリプラチンにアバスチンを追加するのです。副作用は減るどころか順次厳しくなっていきます。私は特別な事情があって5FU+アバスチンの治療を行っています。
また、治験の統計精度が悪いので化学療法の投与量の精度はかなり悪いはずです。
私の場合、5FUによる吐き気と食欲不振のため、今日の午後はほとんどベッドの中、明日も半分はベッドの中です。しかし、8月8日にはどうしても東京の会議に出なければならないので、気合を入れて出かけます。
新聞の健康欄で、抗がん剤は分量と投与周期をきちんと守らないと効果がない、などという記事を見かけます。これも正確ではありませんね。むしろ医師の先生のさじ加減がだいぶ入っているようです。副作用を見ながらの投与なので当然のことです。
私はもっと厳しい副作用として、脱水症状、細菌性肺炎、イレウス、間質性肺炎というグレード4の副作用を潜り抜けてきました。抗がん剤をあまり頑張り過ぎるのもよくありません。今度グレード4の副作用にあったらたぶん乗り越えられないでしょう。

健康な方は、将来の時間スケールをほとんど気にかけないと思います。団塊世代でも10年後の年金問題はどうかなど、数年以上の時間スケールで将来を漠然と考えていると思います。
私の将来に対する時間スケールは、2,3ヶ月です。今の体調をとにかく2,3ヶ月維持したい。幸いその時期が過ぎると次の2,3ヶ月を目標にします。ブログタイトルのA Few More Monthsはこのことを表したものです。もうすぐ、A Few More Daysの時期が来るでしょうが、A Few More Hoursはありえません。その前に私の精神は崩壊するでしょう。
A Few More Daysのときまで何とか記録をつけようと思っています。

by FewMoreMonths | 2007-08-06 17:14 | 大腸ガン治療経過


<< 奥飛騨の生活、過疎化 自分の痕跡 >>