「想像により復元」 統一新羅の出土品めぐり物議(下)

金海博物館、昌寧・末屹里遺跡の出土品を公開

■日本の「玉虫厨子」に似ている?

 大量の金属工芸品はどこに使われたのだろうか。ファン・ウンスン学芸研究士は「金銅装飾板約100点は『慶尚北道慶州市にある感恩寺跡の東塔舎利器(仏舎利を入れる器)』の天蓋を連想させる。出土物は大きく量もあるため、舎利器よりも大きな仏龕の天蓋である可能性が高い」としている。

 現在、韓国には統一新羅以前の仏龕は残っていない。そこで同博物館が注目したのは日本の法隆寺の玉虫厨子(玉虫の羽で飾られた厨子)。博物館は玉虫厨子の形と感恩寺跡の舎利器の天蓋を参考にして、高さ3.5メートル(1.5メートルの台座を含む)、幅2.5メートルの仏龕を推定に基づき復元した。5000万ウォン(約360万円)に上る復元費を掛けて、八角形の台座を作り、赤い絹布を重ねて当てた金属板と風鐸を交互につるした。

■「考証せずに無理に復元」

 ソン・ウィジョン館長は「来場者の理解を助けるため想像を少し加えた。展示をきっかけに研究が活性化すれば」と話す。しかし、複数の専門家は「確実な根拠がないなら、出土品だけを展示すればいい。国立博物館が多額の費用を掛けて根拠のない、いい加減な復元をするなんて話にならない」と批判している。ある博物館関係者は「仏龕ではなく仏壇の付属装飾物ではないだろうか。一つの穴から偶然発見されたもので、周辺に『退蔵(物を意図的に埋めるもの)遺跡』が別にある可能性も考えられる。出土物が全て一つの仏龕に使われたと推定するのは無理がある」と話している。

 形の考証も綿密には行われていない。別の文化財専門家は「本体は日本の玉虫厨子を参考にし、天蓋の飾りは感恩寺舎利器を真似るなど、バランスが悪い。中途半端で粗悪な物」と批判している。

金海=許允僖(ホ・ユンヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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