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Googleガイドライン違反ペナルティの解除方法

最終更新: 2011年08月31日 05:35

Googleの品質に関するガイドラインの運用には不可解なところが多く、悪意がなくてもガイドライン違反とみなされることが多々あります。しかし不可解に思えるようなペナルティを受けたとしても、あまりにも悪質な行為を恒常的に行っているのでない限り、サイトの修正と再審査リクエストによって確実に復活できます。このページではGoogleの品質に関するガイドライン違反ペナルティからの復旧(リカバリー)について説明します。

  1. この記事の概要と対象読者
  2. ペナルティからは復旧できる
  3. 手動のペナルティと自動のペナルティ
  4. ペナルティを判定する
  5. ガイドライン違反箇所の特定
  6. サイトの修正
  7. 再審査リクエスト
  8. どうしてもペナルティが解除されない場合
  9. 参考文献一覧

この記事の概要と対象読者

この記事は筆者の豊富な経験(決して誇れるものではありませんが)をもとに書かれたもので、この記事の手順に沿って作業を行えば、ほぼ確実にGoogleのペナルティは解除できる構成になっています。

また、多くの善良なウェブマスターが頭を悩ませている問題、つまり「検索エンジンを欺く意図がないにもかかわらず Google にペナルティを課された」ケースを想定し、ガイドライン違反箇所の特定から修正、ペナルティ解除までの方法について詳細に解説しています。

  • 悪意があるわけでもないのに、なぜペナルティが課されたか理由がわからないウェブマスター
  • サイトを修正しようにも、ガイドライン違反とみなされた箇所が特定できないウェブマスター
  • 上記2項と同様の状態にあるWebサイト制作業者

上記のような方々が、この記事で想定している中心的な対象読者です。またこれに関連して、この記事は下記のような方々にも役に立つ可能性があります。

  • Googleに嫌われにくいサイトを制作したいWeb制作業者やウェブマスター
  • Googleのペナルティ解除をサービスの一つにしたいSEO業者やSEOコンサルタント

なお、明確にGoogleを欺く意図があり、故意にガイドライン違反を犯したた結果としてペナルティを課され、その原因について何らかの心当たりがある、というような方は、この記事の対象読者として想定していません。そのような方々にとっても参考になる箇所はあるかとは思いますが、できればその種の方にこの記事を悪用していただきたくない、というのが筆者の想いです。

ペナルティからは復旧できる

Googleの品質に関するガイドラインの運用には一般の目から見て不可解と思えるところも多く、検索エンジンを欺く意図がないにもかかわらずガイドライン違反とみなされてペナルティを課されることは少なくありません。

しかし我々の救いになることは、不可解なペナルティを受けたとしても、あまりにも悪質な行為(検索エンジンスパムなど)を恒常的に行っているのでない限り、サイトの修正と再審査リクエストによって確実に復活できるということです。多少の手間はかかりますが、ペナルティ自体はそう驚いたり怖れたりするするほどのことではありません。落ち着いて作業を進めましょう。

以下に、違反箇所の特定とサイトの修正方法、サイトの再審査リクエストの記述方法、どうしても回復できない場合の最後の手段まで、順に説明していきます。よほどの悪意ある違反を続けたサイトでない限り、このページで示す方法によってペナルティは解除できます。

手動のペナルティと自動のペナルティ

Googleのペナルティには、サーチクオリティチームによる手動の対応によって課されるものと、アルゴリズムによって自動で課されるものの2種類が存在します。このうちインデックスからの削除をともなうような重大なペナルティはサーチクオリティチームによる手動の対応によるもので、この発動の際の多くでウェブマスターツールを経由して次のようなメッセージが届きます。

  • このサイトは、Google の品質に関するガイドラインに違反している可能性があります
  • Google からのお知らせ: ウェブマスター向けガイドラインの違反について
  • http://<ドメイン名>に関するマルウェアの通知

ペナルティ発動を知らせるメッセージを受け取るためには、Googleウェブマスターツールに登録している必要があります。通知はウェブマスターツールの当該サイト管理画面(ダッシュボード)の上部に届きます。筆者が経験したガイドライン違反に関するメッセージでは、上記の3種類の件名が使われており、いずれもメッセージが届いた時点でインデックスからは削除済みとなっています。

サーチクオリティチームによって手動でペナルティが課された場合には、基本的には放っておいてインデックスに復活することはありません。一定期間(30日から180日)を経て一時的にインデックスに復活することはあるとのことですが、問題が修正されていない場合、再びインデックスから削除されます。

一方、手動による対応とは別に、アルゴリズムによって自動で課されるペナルティも存在します。これは過度に最適化されたページやスパムを行っていると思われるページをアルゴリズムによって自動的に検出し、このようなページが検索結果の上位に表示されないようにフィルタリングするのものです。このアルゴリズムによる自動ペナルティはOOP(Over Optimization Penalty)と呼ばれることもあります。

ペナルティを判定する

わかりやすいのは、サーチクオリティチームによる手動の対応のうち、ウェブマスターツールからガイドライン違反の通知が届いた場合です。この場合は確実に手動のペナルティを受けているとわかりますので、通知によって違反の指摘を受けた箇所を修正するか、具体的な指摘がなかった場合にはこのページに従って違反箇所を特定し、修正、再審査リクエストを送信すれば、元通りの順位でインデックスに復旧できます。

わかりにくいのは、ウェブマスターツールからガイドライン違反の通知がないにもかかわらずペナルティを受けていると思われるケースです。この場合、アルゴリズムによる自動のペナルティを受けている可能性もありますし、サーチクオリティチームによる手動のペナルティを受けている可能性もありますし、また、アルゴリズム変動や競合サイトの施策による順位変動で順位が下がっただけであってペナルティではないという可能性もあります。

まずしなければならないことは「確かにペナルティを受けているかどうか」の判定です。基本的にペナルティは、公開から間もないなど被リンクの少ないサイトやページではあまり発動せず、被リンクがある程度多くなったサイトで発動します。具体的には次のような症状が見られ、これらの症状があった場合、高い確率でペナルティを受けています。

  • 予期せぬタイミングで突然順位が低下した
  • 特定のキーワードでだけ順位降下が起きた
  • サイト名やサイト固有のキーフレーズで検索しても上位に表示されない
  • インデックス状況を確認する検索「site:http://www.mydomain.com」を試すと、トップページなど主要ページが上位に表示されないが、インデックス数に変化はない
  • サイト内検索「site:http://www.mydomain.com サイト名」を試すと、トップページが上位に表示されないが、どこかに表示される

上記の症状のいくつか、またはすべてが確認できた場合には、その順位低下はアルゴリズムによる自動のペナルティを受けているものと考えられます。この場合、サイトを修正して1〜2ヶ月待てば、自然に順位が回復します。ただし、この場合でもサーチクオリティチームが手動の対応をしている可能性は残っていますので、サイト修正後3ヶ月程度が経過しても状態が改善しない場合には再審査リクエストを送信するのもいいでしょう。

また上記で行った確認のうちインデックス状況の確認「site:http://www.mydomain.com」で1ページもインデックスが確認できない(インデックスから削除されている)場合は、サーチクオリティチームによる手動のペナルティが課されています。ガイドライン違反箇所を特定、修正し、再審査リクエストを送信しましょう。

ここまで説明してきた現象とは別に、新しくドメインを取得して制作したサイトで、数ヶ月待っても Googleにインデックスされない、またはインデックスが不完全なまま、という場合には、以前のドメインの所有者がガイドラインに違反していた可能性もあります。この場合には、再審査リクエストを送信する前に調査が必要です。

ガイドライン違反箇所の特定

当然ですが、Googleのウェブマスター向けガイドライン、なかでも特に品質に関するガイドラインの熟読と理解は必須です。ただしそうは言っても、ガイドラインを読んで違反箇所が特定できるようなケースであればそこを修正するだけですので問題ありませんが、自分一人では違反箇所を特定できないケースも多いはずです。

というのも、明確に検索エンジンを欺く意図を持っているのでない限り、そもそもウェブマスターにはガイドライン違反を犯している自覚はなく、したがって違反箇所にも心当たりがないというのが普通だからです。ウェブマスターに届く通知の中に違反箇所のヒントが書かれていれば違反箇所の特定は容易ですが、通知の中に違反箇所の特定につながるヒントが書かれていてもそれが意味不明だったり、そもそも通知自体が届かない場合もあります。

こうした場合、悪意のないウェブマスターならば、自分ではガイドラインのどこにも違反していないように思えるはずです。しかしペナルティが課されているのであれば、ガイドライン違反とみなされた箇所は確実に存在しますし、違反箇所が特定できればその修正も可能です。

明らかな違反箇所が特定できないケースでの多くは、単一の重大な違反によってペナルティを受けているのではなく、複数の軽微な違反が複合した結果として何らかのフラグが立ち、サーチクオリティチームによる手動の対処に至ったものと推測されます(これはあくまで推測ですが、筆書の経験に則ったものでほぼ確実です)。こうしたケースでは、サイトに複数のガイドライン違反があるものと考えて修正を行いましょう。

サイトの修正

ここからはサイトの修正について項目別の説明に入りますが、品質に関するガイドライン違反とみなされた箇所が通知などによって特定できている場合にはその部分を修正、違反箇所が特定できていない場合には、次の各項目を順にチェックし、当てはまるものについてサイトに修正を行い、最後に再審査リクエストを送信します。

なお、以下の各項はどれか1つの違反がある程度では、よほど悪質でない限りペナルティの対象にはなりません。悪意がないにもかかわらずペナルティを課された場合には、以下の各項のうち複数にわたる違反があるものと考え、特定と修正を行ってください。なお、以下の各項は優先度の高いものから先に記述しています。

キーワードの乱用

ペナルティの原因として最も多いのが、このキーワードの乱用によるものです。キーワードの乱用にはいくつかのパターンがありますが、どの場合でも最終的に、ページに含まれる特定キーワードのキーワード出現頻度が高すぎることが問題になります。Googleのヘルプ内のキーワードの乱用の中には次のような説明があります。

ページにキーワードを詰め込むと、ユーザーの利便性が低下し、サイトのランキングに悪影響が及ぶ可能性があります。情報に富んだ有用なコンテンツを作成するためには、文脈に合った適切なキーワードを使用してください。

この問題を解決するには、サイトで乱用されているキーワードがないかどうかを確認します。通常、これはキーワードのリストや段落で、ランダムに繰り返されています。キーワードは隠しテキストの形式になっていたり、title 要素や alt 属性に含まれていたりすることがありますので、注意して確認してください。

ここからは、キーワードの乱用の例とその修正方法を説明していきます。

ナビゲーションメニューへのキーワードの詰め込み

複数のページに共通して表示させるナビゲーションメニューへのキーワードの詰め込みは、ペナルティが課されているサイトの多くでよく見られるキーワードの乱用の例です。グローバルナビゲーション、ローカルナビゲーション、トピックパスなどを確認して、キーワードの詰め込みがあるようならこれを排除します。具体的には次のようなものです。

<ul>
<li><a href="/">SEOのホーム</a></li>
<li><a href="/service/">SEOサービス</a></li>
<li><a href="/merit/">SEOの特長</a></li>
<li><a href="/casestudy/">SEO事例</a></li>
<li><a href="/faq/">SEOのよくあるご質問</a></li>
<li><a href="/contact/">SEOのお問い合わせ</a></li>
<li><a href="/about/">SEOの会社概要</a></li>
</ul>

上記のようなコードを、下記のように修正します。これでも問題なく意味は伝わります。

<ul>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/service/">サービス</a></li>
<li><a href="/merit/">特長</a></li>
<li><a href="/casestudy/">事例</a></li>
<li><a href="/faq/">よくあるご質問</a></li>
<li><a href="/contact/">お問い合わせ</a></li>
<li><a href="/about/">会社概要</a></li>
</ul>

なおこの修正が必要になるのは、上記のようなテキストによるナビゲーションを行っているサイトだけでなく、img要素とalt属性を使用している場合や、CSS画像置換を使用している場合でも同様です。いずれにしても、この作業の目的はキーワードの乱用をなくすことであり、乱用に使ったテクニックの問題ではありません。

テンプレートへのキーワードの詰め込み

テンプレートへのキーワードの詰め込みは、キーワードの乱用に該当する危険があるだけでなく、すべてのページを似たものにしてしまうという重複コンテンツの危険も同時に犯すことにもつながります。サイト全体に適用しているテンプレートに定型文や定型フレーズ、特定キーワードが繰り返されていることによって起きる問題については、Googleのヘルプ内の重複コンテンツの中で次のような説明があります。

定型文の繰り返しをできるだけ少なくする: たとえば、著作権に関する説明をすべてのページの下部に表示する代わりに、短い要約文を組み込んで詳細情報のページにリンクするようにします。

サイト全体に適用するようなテンプレートに特定のキーワードが目立って多く出現する場合、そのキーワードのキーワード出現頻度を下げてください。アルゴリズムによる自動のペナルティの場合には、キーワード出現頻度を下げることで、次回のクロール以降にペナルティが解除されるケースが散見されます。

具体的な作業としては、キーワード出現頻度解析などを使用し、テンプレートに含まれるキーワードの比率を下げていきます。リンクポピュラリティの高いサイト、1ページあたりの文字数の多いサイト、キーワードを含むアンカーテキストで多数の被リンクを持っているサイトなどでは、キーワード出現頻度は2%以下まで下げても問題ありません。

ページ先頭部でのキーワードの繰り返し

キーワード突出度を上げる目的でbody要素の直下にキーワードを含むフレーズを連続して記述しているような場合には、これがキーワードの乱用とみなされている可能性があります。具体的には次のようなコードです。

<body>
<h1>キーワード1をキーワード2するキーワード3の■■株式会社</h1>
<h2><a href="/">
<img src="ci.png" alt="キーワード1をキーワード2するキーワード3の■■株式会社" />
</a></h2>
<p>キーワード1をキーワード2するキーワード3のサービス</p>

上記のようなコードを、下記のように修正します。キーワード突出度の最適化という観点から見てもこれで十分です。

<body>
<h1><a href="/">
<img src="ci.png" alt="ホーム" />
</a></h1>
<p>キーワード1をキーワード2するキーワード3のサービス</p>

隠しテキストと隠しリンク

隠しテキストと隠しリンクによるガイドライン違反にも、いくつかのバリエーションがあります。これらについても順を追って説明していきます。

CSS画像置換(CSS Image Replacement)

隠しテキストと隠しリンクが原因でガイドライン違反となる場合、ほとんどがCSS画像置換(CSS Image Replacement)が原因です。画像置換は過去一般的によく使われたテクニックでしたが、最近では必然性の低さからあまり使われることがなくなってきています。

しかしその一方で、スパマーにはよく利用されているテクニックであることから、現在の Googleでは CSS画像置換は非推奨です。Googleウェブマスター ツール ヘルプの隠しテキストと隠しリンクには次のような解説があります(強調は筆者)。

コンテンツに隠しテキストや隠しリンクが含まれていると、ユーザーに対するものと異なる情報が検索エンジンに提示されるため、信頼できないサイトと見なされる可能性があります。過剰なキーワードなどのテキストは、次のような方法で隠される場合があります:

  • 白の背景で白のテキストを使用する
  • テキストを画像の背後に隠す
  • CSS を使用してテキストを隠す
  • フォント サイズを 0 に設定する

隠しリンクとは Googlebot でクロールされることを意図した、ユーザーには読み取れない次のようなリンクです:

  • リンクが隠しテキストで構成されている(テキストの色と背景色が同じであるなど)
  • CSS を使用して、高さが 1 ピクセル程度の非常に小さいハイパーリンクが作成されている
  • リンクが小さな文字(段落中のハイフンなど)に組み込まれている

偽装目的の隠しテキストや隠しリンクが含まれていると判断されたサイトは、Google のインデックスから削除され、検索結果ページに表示されなくなります。

CSS画像置換テクニックを使ったからといって即ペナルティが課されるわけではありません。隠しテキストは Google のウェブマスター向けガイドライン違反ですには、この点について参考になる記述があります。

ウェブブラウザとテキストブラウザとでの閲覧時の内容を比較した場合、ナビゲーション部分に注目すると、Googlebot には ユーザーより不自然なほどに多くの文字情報が返されていることがわかります。このようなテキストは、「隠しテキストと隠しリンク」と見なされ、このサイトの情報は、Google が適切な検索結果を提供するうえで信用できないと認識され、サイトが Google の検索結果から一時的に削除されることがあります。

ここでの問題は隠しテキストそのものにあるのではなく、ユーザーがが見る文字情報とGooglebotが見る文字情報に差があり、Googlebotにより多くの文字情報を取得させているような場合が問題になっています。このようにペナルティの発動の多くは複合的な原因によるものであって、単一のテクニック(しかもある程度一般的な)の使用が即ペナルティにつながるということはありません。

しかし不要な危険を避けるという意味では、どうしても必要である場合を除いて画像置換は使用しないほうがいいでしょう。李下に冠を正さず、です。問題を引き起こす可能性の高いCSS画像置換テクニックには次のようなものがあります。

  • Fahrner Image Replacement
  • Leahy/Langridge Method
  • Phark Method
  • Phark Revisited

ガイドライン違反の通知を受け取ったサイトでこれらのテクニックが使われている場合、これが違反とみなされた原因の一つである可能性は高いと思われます。CSS画像置換は中止してimg要素とalt属性の使用に変更し、alt属性には適切な文字列(「ホーム」や「トップ」など)を使用するように修正しましょう。

<noscript>〜</noscript>の悪用

次にありがちなのが、<noscript>〜</noscript>や<noframes>〜</noframes>にテキストやリンクを隠す方法です。ウェブマスターツールヘルプのクローキング、不正な JavaScript リダイレクト、誘導ページには、次のような記述があります。

JavaScript の使用は完全に正当なウェブ処理ですが、検索エンジンをだます目的で JavaScript を使用することは不正な行為です。たとえば JavaScript と noscript タグに異なるテキストを含めることは、ユーザー(JavaScript ベースのテキストを見る)と検索エンジン(noscript ベースのテキストを見る)に異なるコンテンツが表示されるため、ウェブマスター向けガイドラインに違反します。

これがペナルティの原因の一つになったと思われる例では、次のような悪用がされていました。隠しテキストである同時に隠しリンクです。こうしたコードは、ウェブマスターに悪意がなくても、ブログパーツやガジェットの類として配布されているコードに紛れ込んでいることがある、という点には注意が必要です。

<noscript>
<h1><a href="スパムURL1">キーワード1</a></h1>
<h2><a href="スパムURL2">キーワード2</a></h2>
<h2><a href="スパムURL3">キーワード3</a></h2>
<h2><a href="スパムURL4">キーワード4</a></h2>
<h2><a href="スパムURL5">キーワード5</a></h2>
<h2><a href="スパムURL6">キーワード6</a></h2>
</noscript>

以前は同様の悪用が <noframes>〜</noframes> で行われることもありましたが、現在ではフレームを使用したサイト自体をほぼ見かけないため、これについての説明は省きます。

背景と同色のテキスト

先に申し上げておくと、背景と同色のテキストを使用したことが原因でペナルティを課されることはほとんどありません。ただし例外として、はるか過去に作成しそのまま公開されていた複数のページに古典的な隠しテキスト(白背景に白文字のような)が大量に含まれており、それが原因でサイト全体がペナルティを受けたというケースも聞き及んでいます。もしサイト内に古くて放置されたコンテンツがある場合、それらについてもよく調査しておく必要があるでしょう。

Googleウェブマスター ツール ヘルプの隠しテキストと隠しリンクには次のような解説があります(強調は筆者)。

コンテンツに隠しテキストや隠しリンクが含まれていると、ユーザーに対するものと異なる情報が検索エンジンに提示されるため、信頼できないサイトと見なされる可能性があります。過剰なキーワードなどのテキストは、次のような方法で隠される場合があります:

  • 白の背景で白のテキストを使用する
  • テキストを画像の背後に隠す
  • CSS を使用してテキストを隠す
  • フォント サイズを 0 に設定する

オリジナルコンテンツの不足

Googleによるオリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないに次のような説明があります。

Google では、無断複製されたページやユーザーにとって価値のない他の自動生成されたページを表示することでランキングを上げようとするドメインに対して、処置を取ります。

上記のページで例として提示されているものには、実質のないアフィリエイト サイト、誘導ページ、自動生成されたコンテンツ、無断複製されたコンテンツ、の4項目があります。印象としては、どれを見ても悪意なしに成立するものとは読み取れず、自分のサイトがそれに該当するとみなされることがあるなどと考える人は少ないでしょう。

しかし、上記の説明からすぐに思い浮かぶ悪意ある自動生成コンテンツ(ワードサラダや単純なコピーコンテンツのような)などは問題外ですから説明は省きますが、特に悪意のないコンテンツであっても「中身がない」「検索エンジン向け」と判断され、これがガイドライン違反の主たる要因となっている場合が相当数あります。主に次のようなページです。

  • テンプレート部を除くとコンテンツがない
  • テンプレート部を除くと他サイトからの引用しかない
  • テンプレート部を除くとオリジナルと言える部分がわずかしかない

上記のようなページはそう珍しいものではなく、特段の悪意なしに公開されていることはよくあります。より具体的には、次のような形で公開されているものです。

  • 完成前のスタブページ(プレースホルダ)が大量に公開されている
  • ECサイトなどで商品名と価格くらいしか違いのない商品ページが大量に公開されている
  • マッシュアップなどで他サイトからの引用だけで作られたページが大量に公開されている
  • テンプレートに広告を貼っただけのアフィリエイトページが大量に公開されている
  • 上記各項の組み合わせ

悪意を持ってスタブページや商品ページを公開するウェブマスターはそう多くありませんから、サイト内にこうした問題があるにもかかわらずウェブマスターには自覚がなく、何がガイドラインに違反しているのかさっぱり見当がつかないというような状況はよくあります。

悪意や自覚の有無にかかわらず、Googleからのトラフィックを得たいのであれば、Googleのルールに従うほかありません。上記のような問題を起こしていると考えられるページに対しては、次のような対処をすることで問題が解決されます。

  • meta要素でnoindexを指定するか、robots.txtでDisallowを設定する(スタブページやマッシュアップの場合。ディレクトリ単位ではなくページ単位の場合、robots.txtよりもmeta要素を使うほうがよいでしょう)
  • 独自の商品説明などオリジナルのコンテンツをページに付け足す(ECやアフィリエイトの場合)

ECやアフィリエイトのサイトで、オリジナルのコンテンツをページに付け足す際には、Googleが「オリジナルのコンテンツがほとんど存在しない」とみなすケースの具体例が、アフィリエイトを導入されているウェブマスターの皆さまへの中で紹介されていますので、これを参考にするとよいでしょう。ここでは、ページごとにオリジナルの文章をわずか数行書いた程度では、この問題は解決しないことが明らかにされています。

このようなテキストは誰でも(たとえその商品についてよく知らなかったとしても!)簡単に作成できるテキストであり、独自コンテンツがこれだけの場合、ユーザーにとって有益であることは少ないでしょう。こうしたサイトが長く Google の検索結果で上位表示されることはほとんどありません。アフィリエイトを利用し、検索結果にも表示させたい場合は、一度ユーザー目線でサイトを見直し、ユーザーが繰り返し訪れるようなサイトを目指しましょう。そのためにはまず、他のサイトにはない独自コンテンツを考えてみることをお勧めします。

では独自コンテンツを作るにはどうすればいいでしょうか。ここで独自コンテンツの作り方はこうです、とご紹介するのはなかなかの難問です。なぜなら誰でもたやすく作れるものが、価値ある独自コンテンツであり続けることは稀だからです。ですが、まずはあなたの専門性の高い領域について、他のサイトではまだ取り上げられていない情報や切り口を探してみてはいかがでしょうか?また、もしあなたが専門家でなかったとしても、たとえばあなたが宣伝するその商品の、あなた自身の体験談を写真付きでまとめてあれば、それは立派な独自記事です。あなたの記事を参考にして、あなたに感謝する人も出てくることでしょう。

重複コンテンツ

この項目について始めに明らかにしておきたいことは、他の項目も単一の違反がペナルティに直結することは稀ですが、とりわけ重複コンテンツについては、その可能性はさらに稀だということです。何らかのペナルティが課されたことが確認できる場合でも、それが重複コンテンツに起因すると考えるのは、多くの場合間違いです。重複コンテンツには次のような説明があります。

サイトに重複するコンテンツが存在しても、偽装や検索エンジンの結果を操作する意図がうかがえない限り、そのサイトに対する処置の理由にはなりません。重複するコンテンツが問題となるサイトで、上記のアドバイスが反映されていない場合、Google の検索結果に表示するコンテンツのバージョンは Google が選択します。

また再審査リクエストを送信する際にご確認いただきたいことには次のような説明があります。

重複するコンテンツ をペナルティの原因と思われる方がいらっしゃいますが、大抵の場合、問題は別にあります。

詳しくは重複コンテンツに説明がありますが、基本的にペナルティの対象になる重複コンテンツとは次のようなもので、これに該当しない重複コンテンツがサイト内にあったとしても、ほとんどの場合Googleはそれらを適切に処理します。

検索エンジンのランキング操作やトラフィックの増大を意図して、コンテンツが複数ドメインにまたがって複製されていることもあります。この種の偽装行為は、ユーザーが検索結果で実質的に同じコンテンツを何度も見ることになり、利便性の低下につながります。

重複コンテンツにかかわる問題が心配な場合は、正規化のページを参考にURLの正規化を行ってください。また、title要素やmeta descriptionのcontent属性値の内容が重複している場合には、各ページに固有のものに書き換えたほうがいいでしょう(ただしこれ重複もそれだけでペナルティの原因になるとは考えにくい)。

検索エンジンを欺く意図がないにもかかわらず、重複コンテンツが原因でガイドライン違反とみなされる数少ないケースには、およそ次のようなものがあります(しかしこれらも、重複コンテンツだけが原因となってペナルティを課されたとは考えにくいものばかりです)。

  • 完成前のスタブページ(プレースホルダ)が大量に公開されている

  • ECサイトでよく見られるケースで、数多くの定型文(ナビゲーションメニュー、営業日、送料、決済方法、配送方法、店長やスタッフの紹介、注意事項、お知らせ、質問フォームなど)を1ページに詰め込んだ長大なテンプレートを使用しており、各ページに固有の情報がごくわずかしかないために、どのページも同じコンテンツのバージョン違いのように見える

  • 主にCMSが生成するもので、同じページにアクセスできるURL(セッションIDを含むものなど)を大量に持っており、それらが統一も正規化もされていない

  • 自分のサイトがコンテンツの供給元となってコンテンツシンジケーション(他のサイトへの記事の配信)を行っているケースで、すべての記事中に配信先のページへのリンクを含めていた(この記事はこちらのサイトでもお読みいただけます、という形式だった)ために、配信先のページがGoogleにオリジナルと判断され、本来のオリジナルである自分のサイトのランキングが低下した(これはペナルティとは少し意味合いが異なります)

リンクプログラム

PageRankやリンクポピュラリティを上昇させることを目的に組織されたページまたはサイトにリンクしている場合、それがペナルティの対象になっていることがあります。リンク先に不正と思われるページやサイトががあった場合には、そのリンクを削除してください。

リンク先のサイトが不正なリンク組織に属しているかどうかを調べるためには、検索式「link:〜」や「linkdomain:〜」などのコネクティビティ検索を使ったり、そのサイトからのリンク先に怪しいものがないか目視で調査します。リンク先の調査にはアウトバウンドリンク解析を利用するのも便利です。

何らかの事情でリンクを削除することができない場合には、aタグに「rel="nofollow"」を加えるのも良いでしょう。

なおこの件についてGoogleのリンク プログラムについて解説しているページには次のような説明があります。

Google 検索結果におけるサイトのランキングは、そのサイトにリンクしている他のサイトの分析によっても影響を受けます。リンクの量、品質、関連性が評価の対象となります。サイトにリンクしている別のサイトから、そのサイトのテーマや、品質および人気度を知ることができます。しかし、相互リンクに参加している一部のウェブマスターは、リンクの品質、ソース、自分のサイトに与える長期的な影響を無視して、相互リンクだけを目的としたパートナー ページを作成しています。これは Google のウェブマスター向けガイドラインに対する違反となり、検索結果でのサイトの掲載順位に悪影響を与える可能性があります。リンク プログラムには次のようなものがあります。

リンク先の不正の影響を自分のサイトが受ける仕組みを簡単に説明します。Googleはリンクでつながっているページ群を大きな一つのグループとみなしますが、そのグループ内に不正が行われているページが存在する場合、グループに属する他のページにもペナルティが適用される可能性があるのです。

特に発リンクは(自分で編集することのできない被リンクと異なり)ウェブマスターが自分の意志でリンクを編集したものと解釈されるため、リンク先にガイドライン違反があった場合には、自分のサイトにもペナルティが及びやすくなってしまいます。

このことを逆に解釈すれば、一方的に受け取っているだけの被リンクであれば、リンク元がガイドラインに違反していたとしても、自分のサイトに負の影響が及ぶことはほとんどあり得ないということでもあります。外部のサイトからのリンクは通常、ウェブマスターが自分の意志で編集することができないからです。

被リンクのアンカーテキスト

自作自演の被リンクや有料リンクによる被リンクを大量に持っていて、かつ自然発生的な被リンクが極めて少ない場合には、自作自演や有料リンクのアンカーテキストを調整することでペナルティが解除されるケースがあります(アルゴリズムによる自動ペナルティの場合)。特に、キーワードまたはキーフレーズだけのアンカーテキストによる被リンクを大量に持っている場合には、調整が必要です。

例えばサイト名が「Yahoo! JAPAN」だったとして、そのサイトが受けている被リンクのアンカーテキストのほとんどが「検索エンジン」や「ポータルサイト」などで占められている場合、あまりにも不自然です。「Yahoo!」や「Yahoo! JAPAN」、「ヤフージャパン」、「ヤフー」、「ここ」、「こちら」、「クリック」、「www.yahoo.co.jp」などのような常識的なアンカーテキストが大半を占めるのが自然というものでしょう。

上記を加味して、アンカーテキストの分散が自然な状態に近くなるように調整するとよいでしょう。

また、アンカーテキスト以前の問題として、自作自演の被リンクや有料リンクによる被リンクがお勧めできないということにも注意してください。とりわけ有料リンクは明確にガイドライン違反ですので、手動でペナルティを課された場合には、少々面倒な手続きを踏む必要があります。これついては次の項で説明します。

有料リンク

この件についてGoogleの有料リンクでは、次のような説明がされています。

Google や他のほとんどの検索エンジンでは、リンクによって評判を判断しています。Google 検索結果におけるサイトの掲載順位は、そのサイトにリンクしている他のサイトの分析によっても影響を受けます。リンクに基づく分析はサイトの価値を測定する効果的な方法で、これによりウェブ検索の品質が大幅に向上しました。リンクの数に加え、より重要な点としてリンクの品質が評価の対象となります。

しかし、一部の SEO 業者やウェブマスターは、リンクの品質、ソース、他のサイトに与える長期的な影響を無視して、PageRank を転送するリンクの売買を行っています。PageRank を転送するリンクの売買は、Google のウェブマスター向けガイドラインに対する違反となり、検索結果におけるサイトの掲載順位に悪影響を与える可能性があります。

しかし実際には、現状、明確に有料リンクを購入したことだけが原因でペナルティを課されたと考えられる例はまず見られません。リンク関連のペナルティのほとんどは、前項 被リンクのアンカーテキストの問題です。一方、有料リンクを販売したことだけが原因でペナルティを課されたケースなら数多く存在します。

つまり有料リンクの販売はアウトでも、購入に関しては現状のところ以下の2点について気をつけてさえいれば、明確にガイドライン違反であることは間違いないもののペナルティには至らない、というのが現実のようです(今後どうかはわかりません)。

  1. 被リンクのアンカーテキストが偏りすぎないように分散させる(特にキーワードやキーフレーズに偏るのはアウト)
  2. リンク元のサイトやページ(ガイドライン違反を犯している)に対しては、絶対にこちらから発リンクしない

ここで問題となるのは、有料リンクを購入しているサイトが、他の原因の複合によって手動によるペナルティを課せられてしまった場合です。手動によるペナルティを解除するためにはサイトの再審査リクエストの送信が必須(サイトを修正しただけでは解除されない)ですが、このリクエストは人間によって処理されます。

有料リンクを購入しているサイトが再審査リクエストを送信しても、それが普通に受理され、手動でペナルティを解除してもらえる確率はそう高くないでしょう。よほど悪知恵を凝らした巧妙なものでもない限り、その被リンクが有料リンクであるかなど、人の目で見れば簡単に判別できます。さらにGoogleは、高性能な解析ツールも有しています。

この点に関しては、再審査リクエストを送信する際にご確認いただきたいことにある以下の文が参考になるでしょう。

編集権限のあるご自身のサイトは修整できても、編集権限を持たないサイトのコンテンツを修整するのは困難です。我々はこのような状況にできるだけ適切に対応できるよう努めています。このような場合は、再審査リクエストを行う際に、状況をできるだけ詳細にご連絡ください。例えば、不正なリンクが原因でペナルティを課せられた場合、それらを削除するためにした努力をまとめたページの URL を お知らせください。

Google には、高性能な社内ツールがあり、また、先ほど申し上げたように、リクエストを個別にチェックするチームもありますので、我々を欺くような行為はお控えください。もし再審査リクエストに、故意に、悪質もしくは我々を誤解させるような情報が含まれていた場合、Google はそのリクエストに対応しかねます。

これはつまり、有料リンクを購入しているサイトがペナルティを受けた場合、次のような作業を行う必要があることを示しています。

  1. 購入していたリンクの契約を解除し、従来の有料リンクは販売元に削除してもらう
  2. 有料リンクを削除しきれなかった場合には、削除のために行った努力をまとめたページをWeb上にアップロードしGoogleに伝える

ここまで述べてきたように、ガイドライン違反ペナルティは、SEOを意識していようといまいと、また悪意があろうとあるまいと関係なく、ちょっとした原因でどんなサイトにも課されてしまう可能性があります。ほとんどの場合、ペナルティの解除はそう難しくありませんが、有料リンクを使っているサイトの場合には、ペナルティの解除はかなりの困難をともない、時間もかかることでしょう。

こうした困難を念頭に置けば、有料リンクははじめから購入しないか、または現在購入しているのであれば早めに契約を解除しておくことが、将来への影響を小さくする助けになると考えるのは普通のことであると言えるでしょう。後手に回った対策ほど無駄なものはありません。

クローキング、不正な JavaScript リダイレクト、誘導ページ

クローキングとは、IPアドレスやUser-Agentの情報をもとに一般のユーザーと検索エンジンロボットを判別し、一般ユーザーと検索エンジンロボットにそれぞれ別の内容を見せるというスパム手法です。Googlebotがアクセスしてきたときには検索エンジン向けのページを渡し、一般のユーザーがアクセスしてきたときには一般のユーザー向けの内容を表示します。

不正な JavaScript リダイレクトとは、Googlebotが JavaScriptを実行しないことを利用して、一般のユーザーがアクセスしてきたときにはJavaScriptを使って他のページにリダイレクトし、Googlebotにはそのページの内容を読ませる、というスパム手法です。

誘導ページ(ドアウエイページ)とは、特定のキーワードないしキーフレーズに最適化した検索エンジン向けのページを制作し、上記の不正な JavaScript リダイレクトを用いて、アクセスしてきたユーザーを本来見せたいページへと強制的に移動させます。悪意なくこれを行うケースは考えにくいといえます。

クローキング、不正な JavaScript リダイレクト、誘導ページのいずれの場合でも、問題になるのは、検索エンジンが読み込む内容と、実際にユーザーが目にする内容が異なる場合だけです。一般のユーザーとGooglebotに同じ内容を表示しているのであれば、この項目の違反に問われることはありません。意図せずサイトがこれらの違反を行っているとみなされるケースには次のようなものがあります。

  • 一般的な携帯電話のブラウザが JavaScript を処理できないことを利用して、モバイルユーザーとPCユーザーの振り分けに JavaScript リダイレクトを使用している場合、Googlebotはモバイルユーザー向けのページを読み込み、一般のPCユーザーは別のページを表示することになります。この場合、JavaScript が悪用されたとみなされる可能性があります。

  • 同様に、ブラウザが JavaScript に対応しているかどうかの判別や、Flash など各種のプラグインに対応しているかどうかの判別に JavaScript リダイレクトを使用している場合にも、Googlebot とユーザーで異なるページを見ることになるため、JavaScript が悪用されたとみなされる可能性があります。

  • PHPなどのサーバサイドスクリプトを使用して IPアドレスや User-Agent の情報をもとにモバイル向けページとPC向けページを同一URLで提供している場合、適切な処理をしていないとクローキングとみなされる可能性があります(詳しい説明は後述します)

  • 同様に、.htaccess を使ったリダイレクトをともなうユーザー振り分けを行う際に、IPアドレスや User-Agent 情報をもとにリダイレクトを行っている場合にも、適切な処理をしていないとクローキングとみなされる可能性があります(詳しい説明は後述します)

サイトが不正な JavaScript リダイレクトを行ってガイドラインに違反しているとみなされることを防ぐためには、JavaScriptによるリダイレクトをともなうユーザー振り分けを行わないようにすることが最も確実です。JavaScript や Flash に対応していない環境への代替は noscript要素なり SWFObject.js なりを使用して実装すれば問題ありません。

サーバサイドスクリプトを使ってPCと同一のURLでモバイル端末用ページを表示する場合は、Googlebot にはPC用ページを出力、Googlebot-Mobile にはモバイル用ページを出力するように設定するだけで、クローキングの問題は回避されます。

.htaccessを使ったリダイレクトによってPCとモバイルのユーザー振り分けを行う際にも、Googlebot にはPC用ページを出力、Googlebot-Mobile にはモバイル用ページを表示させる設定にする必要があります。ただし、この方法は各種の問題を引き起こしやすいためあまり薦められません。可能であればサーバサイドスクリプトを使った振り分けに変更したほうがよいでしょう。

モバイル用ページについての余談ですが、PC向けにもモバイル向けにも同じようなコンテンツを提供するのであれば、同一のURLを用いてサーバサイドスクリプトでUA判別するという方法は、UAに応じた別のURLを使用するよりも優れています。なせなら、URLは1種類であったほうがユーザーにとって利便性が高いですし、PC用ページとモバイル用ページでリンクポピュラリティを分散させずに済むというメリットもあるからです(一般的にモバイル専用のページはリンクポピュラリティを得にくい)。

マルウェアとハッキングされたサイト

この項目については、Googleに非常に詳しい説明がありますので、まずはそちらを参照してください。この手順に従うことで、マルウエアに関する問題のほとんどは解決できます。

以下に、上記の各ページに書かれていないヒントをいくつか紹介します。

まずマルウエアの除去についてのヒントですが、ウェブサイトに感染するタイプのマルウエアはHTMLソースコードの先頭行に次のような形のiframe要素を挿入するケースが多く見られます。

<iframe src="http://malware1.example.cn/badware.aspx"></iframe>

コードの挿入方法は、静的なHTMLの場合には単なる書き換えですが、CMSを使用している場合には「settings.php」や「config.php」のようなファイル名を持ったファイルが改竄され、すべてのWebページに悪意あるコードが挿入されます。マルウエアを除去する際にはまずそこを調査してみましょう。

また再感染防止策のヒントですが、コンパネ付きのサーバ(Parallels Pleskなど)であれば不使用時にはftpdやsshdを停止させてしまうというのも有効です。ポート番号の変更(iptablesの編集)が認められているサーバなら、FTPやSSHのポート番号をわかりにくいものに変更してしまうのもいくらかの効果があります。

以上のような内容がよく理解できないという場合には、早期に専門家に助けを求める必要があります。

ドメインの以前の所有者によるガイドライン違反

ヘルプページの中のサイトの再審査リクエストページには次のような記述があり、新しく取得した中古ドメインを使用する場合には、そのドメインの前所有者のガイドライン違反が現行のサイトに引き継がれている可能性があることが示唆されています。

また、最近ドメインを購入し、そのドメインが購入前に Google のガイドラインに違反していた可能性がある場合、再審査のリクエスト フォームで、最近サイトを取得したことと、そのサイトが現在はガイドラインに準拠していることを、Google までご連絡ください。

ただしこれはあくまでも最近ドメインを購入した場合のことで、使用ししているドメインが購入時に中古だったとしても、すでに数年も使い続けて、問題のなかった期間が少しでもあるものについては調査もリクエストも必要ありません。最近購入したばかりのドメインを使用してペナルティを課されているように思われる場合にだけ、この調査と報告が必要です。調査する内容は次の2点です。ただし2点目の必要性については筆者は少々懐疑的です。

Internet Archiveでの調査の結果、過去に運営されていたサイトに問題がありそうな場合には、後述する再審査のためのレポートに、現在のドメイン所有者は別人で、以前の所有者ともコンテンツとも無関係であることを書き添えます。

運悪くドメインがブラックリストに掲載されていた場合には、それぞれのブラックリストの運営者にリストからの削除要請を行います。ただしこの種のツールで調査できるブラックリストは、基本的にすべてフィッシングやウイルス送付などの各種迷惑メールに関するブラックリストであり、通常はメールサーバの設定に使用されるものです。この種のブラックリストにドメインが掲載されていることと、Googleの検索結果に関連があるかどうかは不明ですし、筆者もこの作業は経験がありません。ただ、この作業が必要だという人も世界中にいるので念のためここに記述しておきました。ほとんどの人には関係ないと思いますが念のため。

再審査リクエスト

ここまで述べてきた各項を修正し、その他のスパム行為がないことも確認できたにも関わらず、Googleにおいて数ヶ月にわたってペナルティが継続している場合、サーチクオリティチームによって手動のペナルティが課されている可能性があります。その場合、Googleにサイトの再審査リクエストを送信する必要があります。

Google ウェブマスター向け公式ブログ内の上手に質問、素早く解決 〜サイトのトラブル解決のポイント〜には、再審査リクエストを送信したほうがよい場合の例として次の3点が挙げられています。

  • 第三者による不正なサイトの改ざんの被害を受けた後、問題をすべて解決した
  • 新しく取得したドメインが、過去に「ウェブマスターのためのガイドライン」に抵触していた可能性がある
  • サイトが「ウェブマスターのためのガイドライン」に抵触していたため、問題を修正した

上記のいずれかまたは複数に当てはまる場合にだけ、再審査リクエストを送信します。この項では、レポートの作成を含めた再審査リクエストのための準備から、ペナルティの解除までの流れについて順に説明していきます。

再審査のためのレポート作成

再審査の時に提出するレポートを記述します。これはできる限り正確かつ詳細に記述する必要があります。また、再審査リクエスト送信ページには以下のような記述があり、SEO業者を利用していた場合にはその詳細な情報を提供するよう求められています。

検索エンジン最適化 (SEO) のサービスを提供している会社を利用していた場合は、その旨を記載してください。SEO 会社やその手法に関する情報提供は、再審査リクエストにおいて評価の対象になることがあります。

同様に、SEOやアフィリエイトのサイトの再審査の際にも通常より多くの情報の提供が求められています。

トラフィックから直接利益を得るサイト (検索エンジン オプティマイザ、アフィリエイト プログラムなど) の再審査の際には、通常より多くの情報を提供していただく必要があります。

いずれにしても、違反内容や修正点に関する情報はできるかぎり正確かつ詳細に記述すべきです。Google ウェブマスター向け公式ブログの再審査リクエストを送信する際にご確認いただきたいことに次のような説明があります。

再審査リクエストをスパムメールのように繰り返し何度も送信していただいても、たくさんのリクエストを提出したことにはなりません。簡潔かつ詳細なリクエストを 1 回でまとめて送信するようにしてください。リクエストは我々のチームメンバーが迅速に確認致します。新しい情報を追加したい場合のみ、再審査リクエストを 別途ご送信くださいますよう、お願い致します。

上記にあるように、簡潔かつ詳細なリクエストを1回でまとめて送信できるよう、リクエストと同時に送信するレポートは事前にまとめておく必要があります。次の項では、そのレポートの例文を紹介していますので参考にしてください。

レポートの例文

再審査リクエストと同時に送信するレポートの例文を以下にまとめました。これらは筆者のオリジナルですが、修正して使用できるものについては、流用していただいて構いません。

  • キーワードの乱用について:
    各ページに共通のテンプレートの一部において、キーワードの詰め込みが見られたので、これを削除しました。キーワードの詰め込みが行われていた場所は、body要素の先頭部分とグローバルナビゲーション部分、およびフッター部分でした。新旧のソースコードの比較については、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/report.html

  • 隠しテキストと隠しリンクについて:
    ページのヘッダ画像を表示する際にCSS画像置換を使用していましたが、ヘッダ画像の内容と置換前の文字列に相違があったため、これが隠しテキストおよび隠しリンクとみなされたと判断し、この部分を修正しました。現在は画像置換は使用せず、img要素とalt属性を使用し、alt属性値は画像の内容にふさわしいものを使用しています。新旧のソースコードの比較については、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/report.html

  • 隠しリンクについて:
    サードパーティーが配布していたブログパーツのソースコード内において、noscript要素の中に隠しリンクが含まれていたことが確認できましたので、ブログパーツごと当該部分を削除しました。削除したソースコードのサンプルについては、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/sample.html
    このコードの配布元は日本スパム株式会社で、URLは以下の通りです。
    http://www.example.com/

  • オリジナルコンテンツの不足について:
    サイト内に多数のスタブページが公開されていますが、これらがオリジナルのコンテンツがほとんどないページと判断されたと解釈し、すべてのスタブページに meta robotsのnoindexを指定しました。以下に参考URLを示します。
    http://www.example.com/stub.html
    http://www.example.com/placeholder.html

  • オリジナルコンテンツの不足について:
    サイト内の大半の商品ページにおいて、商品名と価格以外はすべて同じ構成をとっていましたが、これらがオリジナルのコンテンツがほとんどないページと判断されたと解釈し、すべての商品ページに詳細な説明文を追加しました。以下に参考URLを示します。
    http://www.example.com/item-01.html
    http://www.example.com/item-02.html

  • リンクプログラムについて:
    当方からのリンク先において、無差別に相互リンクを行っている一連のサイト群(または「当方のコンテンツと何ら関係のない一連のサイト群」)がありましたので、これらのサイトへのリンクをすべて削除しました。こうしたサイト群へのリンクが設置されていたページは次の通りです。
    http://www.example.com/link-category-1.html
    http://www.example.com/link-category-2.html
    また、新旧のソースコードの比較については、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/report.html

  • 有料リンクについて:
    すべてのページのサイドバー下部に設置している6本の広告リンクがありますが、これらが有料リンクと判断されたと解釈し、これらのリンクの a要素すべてに rel="nofollow" を付加しました。新旧のソースコードの比較については、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/report.html

  • 有料リンクについて:
    SEO会社を利用し、有料リンクを購入していましたが、この契約を解除するとともに、不正なリンクを削除しました。利用していたSEO会社は日本スパム株式会社で、URLは以下の通りです。
    http://www.badlinkbender.jp/
    当方で確認済みの不正なリンク元と、そのリンクの削除の状況については、次のファイルにまとめました。削除が完了していないリンクも残っていますが、これが精一杯であることをご了承いただければと思います。
    http://www.example.com/report.csv
    なおこのSEO会社から提供されていたサービスは有料リンクだけで、それ以外のサービスは一切受けていません。

  • クローキングについて:
    当サイトではPCユーザーとモバイルユーザーの振り分けに User-Agent 情報をもとにしたリダイレクトを .htaccess(または JavaScript)で実装していました。この結果 Googlebot がモバイル用のページを取得しており、それがクローキングと判断されたものと解釈し、Googlebot と Googlebot-Mobile を適切に誘導できるように実装を変更しました。具体的には、サーバサイドで、モバイルユーザーおよび Googlebot-Mobile のアクセス時にはモバイル用ページを返し、それ以外のUA(Googlebotを含む)によるアクセスではすべてPC用ページを返す仕様にしました。

  • 不正な JavaScript リダイレクトについて:
    当サイトではユーザーの JavaScript 利用の可不可(または Flash など各種のプラグイン利用の可不可)によってページの振り分けを行っており、その実装に JavaScript リダイレクトを使用していました。これが不正な JavaScript リダイレクトと判断されたと解釈し、ユーザーの振り分けを中止し、noscript要素を用いた代替(または SWFObject.js を用いた代替)を行うように仕様を変更しました。
    この新旧のソースコードの比較については、次のURLにアップロードしておきました。
    http://www.example.com/report.html

  • 新規購入したドメインの過去のガイドライン違反の可能性について:
    当方はこのドメインを20nn年n月に取得しましたが、Internet Archive で調査したところ、前の所有者が過去にガイドライン違反と思われるコンテンツを公開していたことが判明しました。もし現在、私のサイトがこの影響を受けているのであれば、ドメインの所有者もコンテンツも変わりましたので、再審査をお願いします。以下に参考URLを示します。
    http://web.archive.org/web/20100218181402/http://...
    http://web.archive.org/web/20100218181402/http://...

再審査リクエストの送信

再審査をリクエストのページにアクセスし、再審査リクエストを送信します。送信前にもう一度、次の点についてよく確認してください。

  • サイトの問題(ガイドライン違反)がきちんと修正されていること
  • 修正箇所についての簡潔かつ詳細な説明ができていること
  • 外部のサイトなど編集が困難な場所に問題の原因があると考えられる場合、原因を取り除くために行った努力についてまとめたページをWeb上にアップロードしてあること
  • SEOサービスの利用がある場合、その提供会社と手法についての説明があること
  • 故意にGoogleを誤解させるような情報が含まれていないこと

再審査リクエストの受理とペナルティの解除

Googleが再審査リクエストを受け取ると、およそ1日以内に次のようなメッセージが届きます。

http://www.yourdomain.com/ の再審査のリクエスト

サイト http://www.yourdomain.com/ のインデックス登録の再審査リクエストを、サイト所有者から受け取りました。

Google でサイトを再審査し、ウェブマスター向けガイドラインに違反していないことを確認した場合、サイトのインデックス登録を再審査します。再審査の手続きには数週間かかりますのでご了承ください。再審査のリクエストはすべて確認していますが、個別に返信することはできません。

再審査リクエストの送信から数日から1週間程度すると、審査の結果が届きます。ペナルティがサーチクオリティチームによる手動のペナルティではなく、アルゴリズムによるペナルティであった場合には、次のようなメッセージが届きます。このメッセージが届いた場合には、正しく問題が修正されていた場合、1週間から最長3ヶ月程度でペナルティは解除されます。

http://www.yourdomain.com/ の再審査リクエスト: Webspam チームによる手動の対応は行われておりません

サイトを確認いたしましたが、Google Webspam チームではサイトの掲載順位に影響するような手動での対応は行っておりませんでした。この掲載順位に関する問題は Webspam チームの対応との関連性はありませんので、サイトの再審査リクエストをお送りいただく必要はありません。

なお、その他の問題がサイトの掲載順位に影響することがあります。検索結果の掲載順位は、アルゴリズムと呼ばれる一連の数式を使用して Google のコンピュータが決定します。Google では毎年、検索アルゴリズムに多くの改良を加え、ページの掲載順位には 200 以上のさまざまな情報が反映されています。Google では最良の検索結果を提供するため常に更新を行っているため、Google のアルゴリズムが変わったり、ウェブサイト(あなたのサイトを含む)を変更することで掲載順位が変化する場合があります。

Google の検索結果でサイトの掲載順位が変わり、単なるアルゴリズムの変更が原因ではないと思われる場合は、その他の原因として、サイトのコンテンツ、コンテンツ管理システム、サーバー構成などに大きな変更がなかったか調査することをおすすめします。たとえば、Googlebot がサーバー上のページにアクセスできない場合や、サイトで大部分のページの URL を変えた場合は、サイトの掲載順位が下がることがあります。

ペナルティがサーチクオリティチームによって手動で課されたものであった場合には、次のようなメッセージが届きます。このメッセージが届いた場合、すでにペナルティは解除されています。おめでとうございます。

http://www.yourdomain.com/ の再審査リクエスト: Webspam チームによる手動の対応が取り消されました

http://www.yourdomain.com/ のウェブマスター様

http://www.yourdomain.com/ の Google のウェブマスター向けガイドラインへの準拠について、再審査リクエストを受け付けました。

このサイトは以前、Google の品質に関するガイドラインに違反しているとの判断に基づき、Google Webspam チームが手動で対応しましたが、お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この処理を取り消しました。なお、この処理の取り消し後、サイトが Google のインデックス登録と掲載順位システムに反映されるまで時間がかかる場合があります。

Webspam チームが手動で対応していなくても、その他の問題がサイトの掲載順位に影響することがあります。検索結果の掲載順位は、アルゴリズムと呼ばれる一連の数式を使用して Google のコンピュータが決定します。Google では毎年、検索アルゴリズムに多くの改良を加え、ページの掲載順位には 200 以上のさまざまな情報が反映されています。Google では常に最善の検索結果を提供するため常に更新を行っているため、Google のアルゴリズムが変わったり、ウェブ(サイトを含む)を変更したりすると掲載順位が変化する場合があります。Google の検索結果でサイトの問題が解決しない場合は、こちらの記事をご覧になって問題の診断にお役立てください。

検索結果の品質向上にご協力いただきありがとうございます。

よろしくお願いいたします。

Google サーチ クオリティ チーム

どうしてもペナルティが解除されない場合

考えにくいことですが、悪質なスパム行為を行っていた場合など、ここまで説明してきた手順を間違いなく踏んだにもかかわらずペナルティが解除されない場合もあるかもしれません。

そんな場合の最後の手段として、サイトを運用するドメインを変更することでペナルティから逃れる方法もあります。新規にドメインを取得し、従来のコンテンツをすべて新しいドメインに301リダイレクトする方法です。コンテンツにガイドライン違反が存在しない場合、この方法でペナルティから脱出できます。

ただしこの方法を用いた場合で、サイト内部のガイドライン違反が完全に修正されていたとしても、有料リンクの購入などサイトの外部にペナルティの要因があった場合には、いずれ再びガイドライン違反が捕捉されてペナルティを課されるものと思われます(未確認)。

また、ドメインの変更に起因して、ドメインエイジやGoogleサンドボックスなどといった要因(筆者の経験上ではこれらは大した影響はないのですが)もリセットされ、それがいくらか不利に働く可能性があることには注意が必要かもしれません。

参考文献一覧

おわりに

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