大邱世界陸上:中・日と韓国の成績に差があるワケ(下)
中国は各大学に陸上部、日本は学校で陸上義務化
中国は08年の北京五輪を機に変化を試みた。中国体育総局は国民の関心を陸上に向けようと、国際陸上競技連盟(IAAF)が主催する大会をほぼ毎年開催している。その上、科学の力も動員した。中国体育科学研究所などが110メートルハードルの劉翔(28)をはじめ「特別な人材」の欠点克服に乗り出したのだ。その結果、世界陸上ベルリン大会では四つのメダル(金1・銀1・銅2)を獲得した。
中国陸上界は、15年の世界陸上北京大会を視野に新たな体質改善に取り組んでいる。裾野を広げるため、大学陸上部で選手を育成しているのだ。陸上競技をしている学生は大学入学も比較的容易になったという。新華社通信のヤン・ミン記者は「北京大学や清華大学など、どの大学も先を争うように陸上部に力を入れている。世界陸上北京大会では大学が育てた選手たちが活躍するだろう」と話している。
■日本、科学的に記録向上
今大会に50人(男女24種目)を出場させた日本も善戦している。29日に男子ハンマー投げの室伏広治(36)が世界陸上で初めて、マラソン以外の種目で日本に金メダルをもたらし、福島千里(23)は女子100メートルで初めて世界陸上の準決勝に進出した。男女1万メートルと女子5000メートルも決勝まで進出、男女400メートルハードルは準決勝まで上がった。08年北京五輪で銅メダルを取った男子400メートルリレーは今大会でもメダル獲得に挑む。
日本の陸上競技が韓国をリードしているのは、依然として広い裾野、科学的な分析に基づく記録向上努力、選手たちの熱意があるからだ。今年日本で開催される陸上大会は100を超える。20万人に上る陸上人口は減少傾向にあるが、学校では義務的に陸上競技をさせ、全国的な有望選手の育成プログラムも常時稼働している。
科学的に記録を向上させようとする試みも続けられている。日本の機関は、男子100メートルの記録を向上させるため世界のトップスプリンター、アサファ・パウエル(ジャマイカ)を日本に招き、分析した。
ホン・ホンピョ記者
大邱=キム・ドンヒョン記者