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[政治]ニュース トピック:産経抄
【産経抄】8月31日
2011.8.31 02:43
予想通りというか、中国や韓国のメディアでの野田佳彦新首相の評判は芳しくないようである。「タカ派」であり「歴史認識で右翼的な見方の持ち主」なのだそうだ。父親が自衛官だったことをとらえ、中国ではわざわざ「軍人家庭の出身」と紹介しているという。
▼根拠のひとつはおそらく野田氏の靖国神社参拝をめぐる言動だろう。野党時代の質問主意書で、A級戦犯が合祀(ごうし)されていても首相の参拝は問題なしとした。「4回の国会決議で名誉は回復されており、戦争犯罪人ではない」との理由からだった。
▼小欄に言わせると、事実に基づいた極めてまっとうな意見である。そうした歴史観を持っている限り、対中、対韓などの外交も大きくはブレまい。少なくとも中国漁船衝突事件のように、相手に膝を屈するだけの外交はしないだろうと「期待」させる。
▼ところが日本の側にそれに水をさすご仁がいた。他ならぬ菅直人氏だ。民主党の代表選挙の「どさくさ」にまぎれ、朝鮮学校への高校無償化審査手続きの再開を決めてしまったのだ。それも担当の高木義明文科相を呼びつけ、一方的に指示したらしい。
▼北朝鮮が手続き停止の理由となった韓国砲撃の後「同様の軍事行動を取っていない」ためだというからあきれる。恫喝(どうかつ)と柔軟さとを使い分けるのは、北朝鮮のいつもの外交戦術である。それをまともに信じると、相手の目にはよほどの「お人よし」と映ってしまう。
▼こうなると野田政権は手の内をさらし、何のカードも持たないまま、拉致問題などに当たらなければならない。首相が何とかの「最後っ屁(ぺ)」のように次の首相の足を引っ張る。今さらながら、民主党の政権担当能力を疑うしかない。
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