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リビアという果物を勝手にほふる西側諸国  

29.08.2011, 19:33
© Flickr.com/windy_sydney/cc-by-nc
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 リビアでの出来事はロシア社会の中に大きな議論を巻き起こしている。NATO(北大西洋条約機構)軍による空爆や内戦といったようなことは、ロシア社会ではまさに国家の死滅とも捉えられている。世論調査によれば、ロシア国民の80%はリビア空爆に反対している。

 社会学者のボリス・カガルリツキイ氏の意見を紹介しよう。

―多くのロシア人がNATOのリビア空爆を非難しているということは、いたって当然のことです。ロシアでは基本的にNATOの行動は非常に否定的に捉えられています。そしてそれは世界全体の傾向とも言えるでしょう。確かにアラブ世界での革命や大衆行動には多くの支持が寄せられているものの、同時にNATOの介入には非常に否定的な反応が見られるわけです。

 ロシア市民は、西側諸国によるリビアへの干渉をあからさまな侵略と考えており、国連安全保障理事会第1973号決議も、リビア上空の飛行禁止区域を定めただけのものであり、空爆や地上作戦を承認するようなものではなかったはずだ。

 現在、リビアで唯一の代表機関と称している国民暫定評議会は、内部のまとまりに欠け、国内の混乱を抑え、普段どおりの生活を保障することはできないだろう。ロシアの政治学者らは、リビアでの内戦は今後とも継続され、平和や安定、普段どおりの生活が戻るのはまだまだ先のことだと考えている。

 最初からリビア介入の動機は、リビアの石油をはじめとする資源や、パワーバランスの分割といったことにあったのは明らかだ。すでに多国籍軍では、リビアをあたかも勝ち取った獲物のように考えており、パリで開催で予定されている「リビアの友人たち」と題された国際会議では、空爆に参加した国々だけで分け前を分割するようなことがささやかれている。ロシアはその国際会議には招待されていない。

 ロシア戦略研究所のアジダル・クルトフ専門家は、ロシアやその他の国々をリビアの将来の議論からはじき出そうとする試みは、近視眼的なアプローチだと指摘している。

―NATOが最近2年間で打ち出してきた方針は、国連の役割に取って代わろうとするものでした。現在、カダフィ政権に勝利したことによって(最終的勝利と称するにはまだ早いものの)、NATOは国連安保理やほかの国々抜きに、勝利の獲物を分けようとしています。まさにそれゆえにロシアがパリ会議に招待されなかったのだと思います。

 ロシア政府は、リビアの復興は国連安保理の指導のもと進むべきだと主張している。ロシアは国連の中心的な役割を支持するとともに、NATOが面目を保ったまま泥沼から抜け出せるよう支援している。

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