大分・別府市看護師殺害事件 神奈川・川崎市で働く男、しばしば大分に帰る
大分・別府市で温泉地めぐりをしていた看護師の女性が殺害された事件から1年。神奈川県で別の事件を起こした33歳の男が、捜査線上に浮上した。死体遺棄容疑で逮捕される見通し。
容疑者の元勤務先の上司は「まさか殺人なんて思わなかったね。8月の初めくらいですか。(大分県警が)5〜6回は来ていますね。暴力的になるっていうか、そういうのがあったのではないかと」と語った。
この事件は2010年9月、山道沿いの雑木林で、兵庫・神戸市に住む看護師・横手宏美さん(当時28)が遺体となって発見されたもの。
横手さんは、白いノースリーブのシャツに、下半身は下着姿で発見されたという。
死因は、手で首を絞められたことによる窒息死と判明した。
横手さんが働いていた病院の関係者は「非常に優しくて真面目で、面倒見もよくて、優秀な看護師だった」と語った。
現場近くには、横手さんが所有する軽自動車が、鍵がロックされた状態で止められていたが、財布や携帯電話などの所持品がなくなっていた。
兵庫・神戸市の病院で看護師として働いていた横手さんは、夏休みを利用し、自家用車で九州めぐりの1人旅をしていた。
遺体が発見されたのは、別府三大秘湯の1つとされる「鍋山の湯」に続く山道だった。
鍋山の湯に向かう途中の道には、不法投棄厳禁の看板や、監視カメラが設置されている。
鍋山の湯の近くに住む人は「お風呂に行く以外、あまり目的のない場所。あまり地元の人も行かないんじゃないですか」と語った。
目撃情報も乏しく、捜査が難航する中、突然、安藤健治容疑者(33)が浮上した。
2011年5月、神奈川県で傷害事件を起こしたなどとして起訴された安藤容疑者に、死体遺棄容疑で逮捕状が出された。
安藤容疑者は、神奈川・川崎市の会社で、とび職をしていた。
母親の体調が悪いと言って、しばしば大分に帰っていたという。
安藤容疑者の元勤務先の上司は「(仕事内容は?)『とび』っていって、足場を組んだりする。普通の一般的な労働者って感じで、特別荒っぽい言葉を出すこともないし、現場でトラブルがあったという話も聞かないし。ちょっと酒飲む癖がよくないって、(同僚が)ちらっと言ってましたけどね」と語った。
横手さんの遺体に付着していたDNAの型が、安藤容疑者のものと一致。さらに、現場からなくなっていた横手さんの携帯電話を、事件後、安藤容疑者が使用していたことが、大分県警の捜査でわかっている。
元同僚は「(安藤容疑者について)お調子もんですね。自分の家が、安室 奈美恵の親戚と言っていた」と語った。
警察は近く、安藤容疑者の身柄を捜査本部のある別府警察署に移し、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
(08/30 17:26 テレビ大分)