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ファイザー 急性骨髄性白血病用薬マイロターグ 米国で販売中止、日本は対応検討

公開日時 2010/06/23 05:02

ファイザーは6月22日、CD33陽性急性骨髄性白血病治療薬マイロターグ(一般名:ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え))について、2010年10月15日付で、米国内での販売中止と自主的な承認取り下げを行うと発表した。承認条件として実施された同剤併用に関するフェーズ3試験(SWOG S0106試験)の中間解析で、有効性の改善が見られなかったうえ、関連性が否定できない致死的有害事象の発現率が同剤併用群で有意に高かったことが理由。

日本では05年9月から同剤を販売している。添付文書の警告欄に他の抗がん剤と併用しない旨の注意喚起がされており、米国での今回の試験と対象患者や使用方法が異なる。同社日本法人のMRは同日から、同剤納入医療機関に書簡を持って適正使用の情報提供を始めたが、日本法人は「日本における本剤のリスク・ベネフィットを専門家、行政等の各署と協議の上、今後の対応を決定する予定」とコメントしている。日本でのこれまでの推定使用患者数は約3000人、直近3ヵ月では約160人という。

米国では00年に、他の細胞傷害性化学療法の適応がない60歳以上のCD33陽性急性骨髄性白血病初回再発患者に対する単剤療法で用いる薬剤として、迅速承認された。ただ、承認条件として、他の抗がん剤との併用療法を含む追加データの提出が求められた。今回、同剤併用療法での臨床的有益性が確認できず、承認条件を満たせなかったとして、同社は同剤の販売中止・承認取下げを決定したが、これに引っ張られる形で、米国での同剤の単剤療法もできなくなった。

米国でのS0106試験では、未治療の急性骨髄性白血病患者を対象に、標準的な初回寛解導入療法のダウノルビシン塩酸塩とシタラビンの併用療法(DA療法)に同剤を加えた効果と、大量シタラビン療法による地固め療法後の同剤追加投与の効果を検討した。中間解析の結果、有効性の改善が見られなかったため試験の早期中止となった。また、寛解導入期に生じた治療との関連性を否定できない致死的有害事象の発現率は、DA療法群が1.4%だったのに対し、同剤併用群が5.7%(p=0.01)となり、同剤併用群で有意に高い結果となった。
 

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