全国地方銀行協会元会長で福島商工会議所会頭の瀬谷俊雄・東邦銀行相談役は30日、同会議所の定例記者懇談会で、放射性物質を含む廃棄物の中間貯蔵施設について「(原子力発電の)受益者は東京だ。東京のお台場にでも造ったらどうか」と述べた。
菅直人首相が示した福島県内に設ける方針を批判したもので、瀬谷氏は発言の真意を「原発のツケに対し警鐘を鳴らす」と説明。一方で、「ごみは出た場所で始末するのが原則」と語り、廃棄物は「福島第一原発の敷地内に移すしかない」とも述べた。
瀬谷氏の批判には、退陣直前に唐突に提案した菅首相らの政治姿勢に対する不信感があるとみられる。細野豪志原発担当相が毎週末に福島を訪れていたことを挙げ、「これまで仮置き場の議論は一切なかった。ずるい」と非難した。(大月規義)