- |
- |
02/16(水曜日)
- 「平成の開国」、力強く前進 -
「平成の開国」が、また一歩、具体的に大きく前に踏み出しました。
今日(2月16日)、日本とインドとの間で、包括的な経済連携協定(EPA)への署名が行われたのです。インドは11.7億人を有する世界第2位の人口大国(2007年、国連統計より)。今回のステップは、日本が、活気あるインドと共に成長を図るために、大変重要です。この後、国会での承認手続きを経て、一日も早い発効を目指します。
EPAって何?
EPAとは、国と国との間で結ぶ、経済連携の取り決め(Economic Partnership Agreement)のことです。関税を双方がほとんど0%まで引き下げることで、輸出入が格段に自由になるほか、国境を越えた送金の自由化、投資規制の撤廃、知的財産保護制度の充実などを目指します。インドとのEPAは、日本にとって、タイ、メキシコ、東南アジア諸国連合(ASEAN)などに続いて、12番目の締結となります。
重要なインドとの経済関係強化
インドの昨年度のGDP成長率は、8.6%(予想、中央統計局(CSO)資料)。中間層も増えており、たとえば、自動車保有台数は2003年から2007年で約1.8倍にも増えています。
このように成長著しいインドですが、日本との経済関係は、今のところ両国の経済規模を反映したものにはなっていません。
例えば、日本の貿易額に占めるインドの割合は、約0.85%で、第28位(2008年度)。また、日本の投資相手国の中で、インドは第20位にとどまっています(2007年)。
そんな経済関係の門戸を大きく押し開こうと、今回のEPAでは、インドからの輸入の実に約97%、インドへの輸出の約90%の関税を、発効から10年以内に撤廃するという、画期的な合意が交わされました。
実際に、何が変わる?
これにより、インドからの輸入品では、工業分野でほぼすべての品目の関税を即時撤廃するほか、私たちの暮らしの中で馴染み深いカレーや紅茶、エビなどでも関税が撤廃されます。
つまり、これらの物を、日本の消費者はより安く買えるようになるわけです。
一方、日本からインドへの輸出では、例えば、自動車部品(バンパーや点火コイルなど)をはじめ、リチウムイオン電池やDVDプレーヤー、農産品では、イチゴ、モモ、カキなどの関税が、10年かけて撤廃されます。
これらの品目を、日本はより有利にインドに輸出できることになります。
さらに、両国間における、ビジネスでの出張や転勤、投資家の行き来がしやすくなります。
また、インドとはASEAN+6(日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)の枠組みでも経済連携の検討を進めていますが、今日の合意はその足掛かりになるものです。
インドとの交渉
インドとのEPA交渉は、3年9か月、計14回の会合を東京とデリーで交互に重ねてきました。そして、昨年9月9日の会合で大筋合意に達したのです。10月25日には、菅総理がマンモハン・シン首相と総理官邸で会談、交渉完了の共同宣言に署名。その後、シン首相夫妻のほか、関係者を招いて、夕食会を開催しました。
この時の夕食会でのあいさつで、菅総理は、「包括的経済連携協定は、両国の貿易投資の機会や交流をさらに拡大させることでしょう。私はシン首相とともに、今後もインドとの関係強化に力を尽くすことをお約束いたします。」と述べました。
そして今朝、外務省で、前原外務大臣とシャルマ・インド商工大臣が、協定に署名。いよいよ両国にとって、将来のビジネスチャンス拡大への扉が開かれたのです。
「平成の開国」は、これからも一歩一歩、着実に前進してゆきます。
【関連リンク】
・日本・インド経済連携協定(外務省HP)
・総理の動き-日・インド首脳会談、共同署名式等及び夕食会(平成22年10月25日)