02/24(木曜日)

【シリーズ】23年度予算ここがポイント![5]

- 子どもの笑顔があふれる社会を目指して -

 

23年度予算案のポイントをご紹介するシリーズの第5回。
今回は、子育て支援の取組について解説します。

 

子どもをもちたい」―人々の希望がかなえられ、すべての子どもが健やかに育つことのできる社会に
日本が抱える社会問題として何かと取り上げられる、「少子化」。

 

実際、生まれてくる子どもの数は、年々減っています。
平成21年に日本で生まれた子どもの数は、約107万人と、60年間で半分以下に。
また、1人の女性が一生に生む子どもの数を示す合計特殊出生率は、35年ほど前までは2以上でしたが、平成21年には1.37まで下がっています

 

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出生数及び合計特殊出生率の年次推移
(出典)平成22年版子ども・子育て白書

 

「子どもを生むか、生まないかは個人の問題だから、少子化が進むのは仕方がない」― そう思われる方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし、今の状況は、必ずしも人々の希望が反映されたものとは言えないようです。

 

国が実施した調査によると、結婚していない若者の約9割が、将来家庭を持つことを望んでおり、希望する子どもの数は、男女とも平均2人以上
これらの希望が実現した場合、将来的に、合計特殊出生率は1.75まで上昇するという試算もあります。

 

※詳細はこちら

 

多くの若者が、将来の生活の中に不安を抱き、結婚や出産に関する希望をあきらめてしまっている日本。
しかし、30年後、50年後の日本を支えるのは、今の子どもたち。まさに今の子育て世代の選択が、日本の未来を左右するのです。

 

「未来への投資」を―。
「家庭をもって、子どもを育てたい」。そんな1人ひとりの希望がかない、すべての子どもが健やかに育つことのできる社会を実現するため、今できることから、始めなければなりません。

 

子育て家庭への経済的支援とサービスの充実を「車の両輪」で
楽しさがある一方で、保育サービスの利用や教育など、何かとお金がかかる子育て。
20~49歳の子育て中の女性を対象に実施した調査では、重要だと思う子ども・子育て政策としてもっとも多く挙げられたのが、経済面での支援でした。

 

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子ども・子育て施策として重要なもの

 

こうした声に応え、負担を社会全体で分かち合うため、平成22年度から、中学校までの子育て家庭への「子ども手当」の支給を始めました。
23年度予算案では、さらに充実を図り、3歳未満の子どもに対する支給額を上乗せしています。

 

こうした経済面でのサポートと並行し、「車の両輪」として取り組まなければならないのが、提供されるサービス自体の充実です。23年度予算案では、たとえば、次のような対策を盛り込んでいます。

 

■待機児童解消策の推進など保育サービスの充実
 22年度予算 3,881億円 → 23年度予算政府案 4,100億円

 

● 菅内閣が特に力を入れて取り組んでいる、待機児童(※)の解消
昨年10月、菅総理の主導により、特命チームを設置。11月には、潜在的な保育ニーズを織り込み、「先取り」で対応する、新たなプロジェクトを決定しました。

 

※待機児童:保育所への入所を希望し、要件に該当していても入れない児童。3年連続で増加しており、平成22年4月1日現在26275人。

 

このプロジェクトに基づいて、平成23年度は、待機児童数が多く、意欲的な取組を行う自治体での対策を先行的に実施し、約3.5万人分、保育サービスの供給を増やすことを目指します。 

 

★詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

 

● 保護者のニーズを踏まえた多様な保育サービスを提供するため、家庭的保育(保育ママ)、延長保育、休日・夜間保育、病児病後児保育などの充実を図ります。

 

■放課後児童対策の充実
 22年度予算 274億円 → 23年度予算政府案 308億円

保育サービスの利用者が就学後に必要なサービスが受けられなくなる、いわゆる「小1の壁」に対応し、放課後児童クラブの数を増やすとともに、開設時間の延長を促進します。
 
■地方独自の子育て支援サービスを拡充するための新たな交付金 
 23年度予算政府案 500億円(新規)

子育てをめぐる状況は、地方によって様々です。
地方が、それぞれの実情に合わせて独自の子育て支援サービスや待機児童対策を展開できるよう、次世代育成支援対策交付金を改組し、新たな交付金を設けます。

 

■不妊治療への支援 
 22年度予算 76億円 →23年度予算政府案 95億円

子どもが欲しくてもできない方々の経済的な負担を軽くするため、医療保険が適用されず、高額の治療費がかかる夫婦間の不妊治療の費用の一部について、従来、年2回、通算5年まで助成していたところを、初年度は年3回まで受けられるようにします(通算5年、通算10回まで)。

 

子育てへの支出が少ない日本~社会全体で子育てを支える国へ

 

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各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較

 

上のグラフは、各国が子育てなど家族関連の政策にかける予算の、
GDP(国内総生産)に占める割合
を示しています。
日本は0.81%。フランスやスウェーデンなど、ヨーロッパの国々の3分の1から4分の1となっています。

 

これまで、子育ての負担の多くを、親や家族が担ってきた日本。

 

しかし、家族や就労をめぐる環境が大きく変わり、人々のライフスタイルが多様になる中、置かれた状況に関わらず、すべての子どもの育ちと子育てを支える、新しい社会の姿が求められています。
  
政府は、昨年6月、子どもと子育てを応援する新しい社会の仕組みづくりを目指し、「子ども・子育て新システム」の構想を決定。

 

待機児童対策など、「待ったなし」の課題に23年度から前倒しで取り組みながら、25年度からの本格的な実施を目指します。現在、法案の早期提出に向けて、子育ての当事者や関係団体、地方公共団体など多くの関係者と一緒に、検討を進めています。

 

※ 子ども・子育て新システムの検討に関するホームページ

 

子どもは社会の希望であり、未来の力です。
街中に子どもたちの笑顔があふれ、周りのみんなが暖かいまなざしでそれを見守っている―
そんな、子どもを大切にする社会を、つくっていきませんか。

 

【関連リンク】
 ・厚生労働省23年度予算案

 ・少子化対策キッズページ

 



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