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05/29(日曜日)
パリでのOECD50周年記念行事、ドーヴィル(フランス)でのG8サミット及び各国との首脳会談、ブリュッセル(ベルギー)での日EU定期首脳協議を終えて、帰国しました。
サミットは、私にとっては去年のムスコカ(カナダ)に続き2度目の出席でした。首脳陣の顔ぶれも全員同じで、議長のサルコジ大統領は皆をファースト・ネームで呼び、私もリラックスして臨むことができました。
しかし一方で、去年とは違う緊張もありました。日本に対する注目です。初日のランチ会合でも、「まず、ナオトから」とサルコジ議長が私に冒頭発言を求めるなど、今回のサミットは、震災と原発事故について国際社会に直接伝える重要な場となりました。
各国首脳全員から、日本へのお見舞いと、冷静に勇気をもって立ちあがっている日本人に対する尊敬の念が口々に語られ、とても力づけられました。これは、日本国民全体、中でも被災者の皆さんに対する伝言ですので、この場で御報告いたします。
また、今回の外交日程の締めくくりとなった、EU首脳との共同記者会見でも、被災地への思いがこもった言葉をいただきました。EUのファンロンパイ大統領が、コメントの最後に、前夜作られたという俳句を英語で披露されたのです。
「嵐去り 後に残るは 優しき心」
壇上で初めてこの句を拝聴した私は、その場で同時通訳をメモし、自分のコメントの締め括りに、もう一度この句を、感謝をこめて今度は日本語で詠ませていただきました。「後に残るは…」まで詠んだところで胸が一杯になり、一瞬、声が詰まってしまいましたが。
ファンロンパイ大統領は、自作の句集「HAIKU」を出版されているほどの、俳句の愛好家です。去年お会いした時には、私がこの句集を持って行くと、自らサインをして下さいました。今回の首脳協議も「KIZUNA(絆)サミット」と名付けられ、EU側から我が国への、強い連帯感を示していただきました。
―――今回、私は上着のポケットに、小さな「起き上がり小法師」をしのばせていました。先日、都内にある福島県産品ショップを訪ねた時に自ら買い求めた、伝統民芸品です。倒れても必ず再び起き上がる小法師の精神は、「日本は必ず復活する」という私から各国首脳へのメッセージに、確かな力を与えてくれました。