11.04.15 Fri |
第二十二回 歌の現在(3) 楠見朋彦歌集『神庭の瀧』小説と短歌とを両立して発表している人といえば、現在では、小嵐九八郎と東直子が双壁と言えるだろうか。小嵐九八郎は何度か直... |
11.01.20 Thu |
第二十一回 歌の現在(2) ゆふぐれどきをこゑさかのぼる――菊池孝彦歌集『声霜』正岡子規が写生、写実という方法... |
10.12.21 Tue |
第二十回 歌の現在(1) 恋よ孤悲――山本かね子の歌詩人茨木のり子の代表作「わたしが一番きれいだったとき」の有名な一節である。茨木のり子は大正十五年生れ。終戦時は二十歳、戦争に青春を奪われた世代である。歌人にも... |
10.10.28 Thu |
第十九回 人間のいる歌 神谷幸右衛門この一首に出て来る神谷幸右衛門という人名を見て、「ああ、神谷幸右衛門ね」と、ピンと来る方は、相当な落語通である。下の句に「桂文楽」という人名も詠み込まれている... |
10.09.28 Tue |
第十八回 人間のいる歌 蓮舫一読して蓮舫大臣のビジュアル・イメージが湧いてくる一首だ。作者の栗木京子は、現在の短歌の世界でいちばん作品数も多く、人気の高い歌人であるが、やはり、その作品の質の高さは、現... |
10.09.08 Wed |
第十七回 人間のいる歌 マルセ太郎島田修三のもっとも新しい歌集『蓬歳断想録』(短歌研究社刊)には、さまざまな人名が登場する。 島田修三は1950年生れ、愛知淑徳大学の教授であり、万葉集を専門とする学究である... |
10.08.13 Fri |
第十六回 人間のいる歌 桑田佳祐三枝昂之歌集『上弦下弦』(角川書店)、島田修三歌集『蓬歳断想録』(短歌研究社)と、充実した男性歌人の歌集が相次いで刊行された。三枝は昭和十九年生れ、この歌集が十一冊目の歌集。島... |
10.07.23 Fri |
第十五回 人間のいる歌 ジェームズ・ディーン春日井建の第二歌集『行け帰ることなく』の中の一首。まさに「さらば青春!」の思いが伝わってくる歌である。 ジェームズ・ディーンといえば「エデンの東」であり... |
10.06.28 Mon |
第十四回 人間のいる歌 春日井建の鮮烈な青春歌『春日井建全歌集』が、砂子屋書房より刊行された。春日井建は塚本邦雄を中心に花ひらいた前衛短歌運動でも、もっとも若い歌人として登場し、奔放なイマジネーションで構築された華麗な美意... |
10.05.26 Wed |
第十三回 人間のいる歌 有島武郎ほか斎藤茂吉は作品にどんな人名を詠み込んでいるだろうか。たとえば、初版『赤光』の巻頭の連作「悲報来」には、次のような歌がある。 赤彦とは「ア... |
10.05.14 Fri |
第十二回 人間のいる歌 斎藤茂吉現代短歌でいちばん詠われている人名は何だろう。 『現代短歌集成』(角川学芸出版)の第四巻「社会文化詠篇」には「人名」という項目があり、さらに、小項目として個人名が立項されている... |
10.04.21 Wed |
第十一回 人間のいる歌 チャップリン今回は俳句から紹介してみる。 俳句には「西行忌」や「子規忌」といった忌日をそのまま季語とする例がたくさんあるが、ジョン・レノンのように、... |
10.03.31 Wed |
第十回 人間のいる歌 コナン・ドイル角川書店の短歌専門誌「短歌」三月号でみつけた一首。「ドイル生誕百五十年に寄せて」との注がつけられている。シャーロック・ホームズの探偵譚で知られるイギリスの作... |
10.03.05 Fri |
第九回 人間のいる歌 ピンクレディーピンク・レディーとは一九七六年にデビューして、一九八一年まで活躍した女性デュオ。この時代を知っている人たちには、ミーちゃんと、ケイちゃんの二人組として、記憶... |
10.02.25 Thu |
第八回 人間のいる歌 早野凡平早野凡平は一時期はテレビによく出演していたボードビリアンなので、記憶に残っている人は多いと思う。名前は忘れていても、変形する帽子を使って、ホンジャマーとの掛... |
10.02.13 Sat |
第七回 人間のいる短歌 3プロ野球のキャンプも始まり、いよいよ、野球の話題がスポーツ紙の紙面を賑わせ始めた。 掲出歌の山田久志は、1970年以前からの野球ファンなら誰でも知ってい... |
10.01.28 Thu |
第六回 人間のいる短歌 2短歌専門誌「短歌」(角川書店刊)2月号に、こんな短歌が載っていた。 なみの亜子は短歌結社「塔」に所属する新鋭歌人。この「塔」の主宰者は永... |
10.01.18 Mon |
第五回 人間のいる短歌 1短歌に人名が詠み込まれることはよくある。まずは、歌人自身の名前が詠み込まれた歌を紹介してみよう。 石川啄木、北原白秋、斎藤茂吉、それぞれ... |
10.01.08 Fri |
第四回 私の好きな青春短歌 3 〜サナトリウムの青春・滝沢亘 後篇〜昭和四十一年二月に刊行された、滝沢亘の第二歌集『断腸歌集』の一首であり、滝沢の代表歌ともいうべき作品である。 これは歌人仲間がお見舞いに、当時はまだ珍しかっ... |
09.12.28 Mon |
第三回 私の好きな青春短歌 3 〜サナトリウムの青春・滝沢亘 前篇〜かつて、療養短歌というジャンルがあった。結核やハンセン氏病に苦しみながら、多くの人たちが歌を詠み、表現行為に文字通り命をかけていた。 滝沢亘は重度の結核で、... |