東京電力福島第一原子力発電所で緊急作業に当たっている作業員の、累計の被ばく量が100ミリシーベルトを下回っているため、厚生労働省は、作業員の被ばく量の限度を、ことし秋までに、250ミリシーベルトから本来の100ミリシーベルトに戻す方針を決めました。
これは、30日の閣議後の記者会見で、細川厚生労働大臣が明らかにしました。原発事故の際に緊急作業を行う作業員の被ばく量の限度について、厚生労働省は、累計で100ミリシーベルトと定めていますが、福島第一原発に限っては、作業時間を十分に確保するため、特例として限度量を250ミリシーベルトまで引き上げています。厚生労働省によりますと、3月に起きた福島第一原発の事故直後から働き始めた作業員のうち、これまでに103人の被ばく量が累計で100ミリシーベルトを超えていますが、4月以降に働き始めた作業員はすべて100ミリシーベルトを下回っているということです。このため、厚生労働省は、被ばく量の限度を引き下げても差し支えないとして、本来の上限である100ミリシーベルトに戻す方針を決めました。細川厚生労働大臣は「秋ごろまでには本来の基準に戻したい」と話しています。