2011年08月30日
室伏広治さんの金メダル獲得と、それに匹敵する新井貴浩さんの話題の巻。
フロックじゃない勝利、おめでとう！
世界陸上2011韓国テグ大会で、世界の室伏がやってくれました。今大会日本勢初のメダルを獲得、しかも色は金。日本の投擲種目にとってはもちろん、マラソン以外で初めて獲った金。何より本人にとって世界陸上初の金メダル。2001年のエドモントンで銀、2003年のパリで銅を獲得しながら、どうしても縁がなかった世陸での金。その悲願を達成した室伏の震える身体と満面の笑顔。振り下ろした拳の力強さに、僕らもまた「ただただ嬉しく」思うばかりです。
競技場でこの様子を見守った織田裕二さんは、恍惚の弛緩の中でこう呼びかけました。「フロックじゃない勝利、おめでとう」と。五輪で金メダルを獲得し、2010年も世界ランク1位となった選手に向かって「フロック」とは失礼な物言いかもしれません。しかし僕には織田さんの…1997年からキャスターとして大会を見つめてきた織田さんの気持ちがわかるような気がするのです。
とにかく室伏は勝負弱い。
2000年にはすでに世界のトップクラスに位置し、メダル候補と目されながら、シドニー五輪で入賞すら逃す9位。2001年世界陸上エドモントン大会では、室伏が2投目に82m92の大投擲を見せるなど80mスローを連発するも、ジョルコフスキの一発、世界陸上新記録となった83m38に逆転され銀メダル。2003年世界陸上パリ大会は、その年に世界歴代3位（上2つはドーピング記録と目されるため実質的世界記録）の84m86をマークしながら、大会時には怪我を抱え銅メダル止まり。2005年ヘルシンキ大会は欠場、2007年大阪大会は何故かガチガチで6位、2009年ベルリン大会は欠場。
2004年のアテネ五輪では金メダルを獲得しますが、それは繰り上がりによる決着。当日の競技ではハンガリーのアヌシュに及ばず、のちにアヌシュにドーピング疑惑して繰り上がりの金獲得でした。ちなみに北京五輪でも当日の競技は5位に終わるも、2位・3位に相次いでドーピング疑惑が発覚し、一時は繰り上がりの銅となる話もありました（結局処分は撤回で5位確定）。
グランプリ大会などでは勝利している室伏ですが、「ここ一番」の大舞台で勝つ姿はまだ一度も示せていないのです。82m級を連発し、6投の合計では他者を圧倒しながら一発に沈む室伏。相手に逆転されたあとの最後の投擲で、決して再逆転することはない室伏。勝負弱い男・室伏。それが僕の、おそらくは織田さんの印象。そんな男が、体力も衰え始める36歳になって、世界陸上史上最高齢での金メダルを獲得した。初めて見せたスッキリとした勝ちっぷりに、「フロックではない」という誤った言葉が飛び出したのなら、それもまたドラマではありませんか。
名実ともに世界最強となった室伏広治、あなたはやっぱり強かった！
ということで、世界最強の男・室伏広治の偉業と、それに匹敵する新井貴浩さんの話題についてチェックしていきましょう。
◆もはや室伏にはハンマーだけ投げさせるのは勿体ない！野球やらせよう！
それにしてもスゴかった室伏。両親から授かった肉体。これまで積み上げてきた技術。独自のトレーニング。不正は絶対に許さず、ここ一番でライバルのドーピングをチクり、インチキ野郎を排除してきた権謀術数。長年に渡って積み上げてきたものがついに実を結びました。室伏にふさわしい金色のメダルを、郵送ではなく当日に獲得できたのですから。
↓室伏広治・栄光の金メダルスロー！
室伏：「ヴウウウウーゥゥドッセ！」
室伏：「ドヴダレッ！」
室伏：「ドヴダレッ！」
室伏のサークルの余らせ方と、ポルシュのギリギリまで攻めるフォームで、一瞬逆転されたかと焦ったぞ！
↓上気した顔で室伏さんにハァハァする織田裕二さん！
織田：「僕はいい！嬉しい！」
織田：「乳酸じゃないけど（何かが）タマッてくる」
織田：「80m超えた穴、両方室伏なんですよ」
織田：「すうごぉぉぉいですね、長かったですね！」
織田：「ハァァァァァ…ハァ…ハァ…」
織田：「20代から本当にお世話になって…」
織田：「20代のときはしょっちゅうしょっちゅう楽しませもらって…」
織田：「金ですよ！」
※一連のコメントを、いやらしい気持ちで見守ってあげてください。
↓インタビューでは「これが日本の世陸」という上気合戦！
織田さんも久々の絶頂感に酔い、放送席から身を乗り出して「ムロフシー！」と絶叫する一幕も！
アッー！子どもの頃に見上げてた空はAll my treasures！
つ織田裕二「All my treasures」（楽天市場）
このように織田さんと日本が歓喜にわいた夜。これ以上の報せはないだろうと僕は考えていました。確かに民主党の代表選は注目ですが、どう転んでも悪いニュースなのだから見たくない。確かにTOKIO山口メンバーの無免許運転発覚は注目ですが、自殺でもしない限りはタダの無免許運転。室伏のハンマー投げに比べれば大した話題ではありません。
室伏の投げたハンマーが野田氏を直撃したため代表選やり直しとか、室伏が山口メンバーを80メートル投げ飛ばすとか、室伏が絡んでこなければ新聞の1面にはならないだろう…そう考えていたのです。
↓スポーツ紙の1面は予想どおり室伏・室伏・室伏！
世界で金ですからね！
これ以上のニュースはそうそうないでしょう！
つ室伏広治 孤独な王者（楽天市場）
しかし、僕の勝手な思い込みをヨソに、「世界で金」以上の話題はあったのです。そもそも室伏が金で騒いでいるのは日本だけ。ハンマー投げなんて基本見ないでしょう。円盤投げや砲丸投げを見ましたか。見ていないでしょう。日本以外の国では室伏が話題にならないのは当然なのです。そう、日本にあるもうひとつの独立国家・阪神王国では、室伏以上に注目の話題が本日の1面を飾っていたのです…！
↓デイリー：「4番変えず竜倒！新井甦れ」
デイリー：「室伏36歳復活の金ね…ふぅーん」
デイリー：「復活とか全然興味わかんやんな」
デイリー：「今更感はあるわな。五輪でもあれへんし」
デイリー：「明日の1面どないしよ？」
デイリー：「新井やね。テーマは4番新井復活やろ、な？」
デイリー：「そやな。新井甦れ…カタカタ…っと！」
デイリー：「できたでー！」
さすが独立国家！
室伏がデイリーの1面を飾るには、阪神に入団するしかない!
つ金本知憲 心が折れても、あきらめるな（楽天市場）
来年の今頃、阪神王国で金本と室伏のゴールデン鉄人コンビ誕生の予感！
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世界陸上2011韓国テグ大会で、世界の室伏がやってくれました。今大会日本勢初のメダルを獲得、しかも色は金。日本の投擲種目にとってはもちろん、マラソン以外で初めて獲った金。何より本人にとって世界陸上初の金メダル。2001年のエドモントンで銀、2003年のパリで銅を獲得しながら、どうしても縁がなかった世陸での金。その悲願を達成した室伏の震える身体と満面の笑顔。振り下ろした拳の力強さに、僕らもまた「ただただ嬉しく」思うばかりです。
競技場でこの様子を見守った織田裕二さんは、恍惚の弛緩の中でこう呼びかけました。「フロックじゃない勝利、おめでとう」と。五輪で金メダルを獲得し、2010年も世界ランク1位となった選手に向かって「フロック」とは失礼な物言いかもしれません。しかし僕には織田さんの…1997年からキャスターとして大会を見つめてきた織田さんの気持ちがわかるような気がするのです。
とにかく室伏は勝負弱い。
2000年にはすでに世界のトップクラスに位置し、メダル候補と目されながら、シドニー五輪で入賞すら逃す9位。2001年世界陸上エドモントン大会では、室伏が2投目に82m92の大投擲を見せるなど80mスローを連発するも、ジョルコフスキの一発、世界陸上新記録となった83m38に逆転され銀メダル。2003年世界陸上パリ大会は、その年に世界歴代3位（上2つはドーピング記録と目されるため実質的世界記録）の84m86をマークしながら、大会時には怪我を抱え銅メダル止まり。2005年ヘルシンキ大会は欠場、2007年大阪大会は何故かガチガチで6位、2009年ベルリン大会は欠場。
2004年のアテネ五輪では金メダルを獲得しますが、それは繰り上がりによる決着。当日の競技ではハンガリーのアヌシュに及ばず、のちにアヌシュにドーピング疑惑して繰り上がりの金獲得でした。ちなみに北京五輪でも当日の競技は5位に終わるも、2位・3位に相次いでドーピング疑惑が発覚し、一時は繰り上がりの銅となる話もありました（結局処分は撤回で5位確定）。
グランプリ大会などでは勝利している室伏ですが、「ここ一番」の大舞台で勝つ姿はまだ一度も示せていないのです。82m級を連発し、6投の合計では他者を圧倒しながら一発に沈む室伏。相手に逆転されたあとの最後の投擲で、決して再逆転することはない室伏。勝負弱い男・室伏。それが僕の、おそらくは織田さんの印象。そんな男が、体力も衰え始める36歳になって、世界陸上史上最高齢での金メダルを獲得した。初めて見せたスッキリとした勝ちっぷりに、「フロックではない」という誤った言葉が飛び出したのなら、それもまたドラマではありませんか。
名実ともに世界最強となった室伏広治、あなたはやっぱり強かった！
ということで、世界最強の男・室伏広治の偉業と、それに匹敵する新井貴浩さんの話題についてチェックしていきましょう。
◆もはや室伏にはハンマーだけ投げさせるのは勿体ない！野球やらせよう！
それにしてもスゴかった室伏。両親から授かった肉体。これまで積み上げてきた技術。独自のトレーニング。不正は絶対に許さず、ここ一番でライバルのドーピングをチクり、インチキ野郎を排除してきた権謀術数。長年に渡って積み上げてきたものがついに実を結びました。室伏にふさわしい金色のメダルを、郵送ではなく当日に獲得できたのですから。
↓室伏広治・栄光の金メダルスロー！
室伏：「ヴウウウウーゥゥドッセ！」
室伏：「ドヴダレッ！」
室伏：「ドヴダレッ！」
室伏のサークルの余らせ方と、ポルシュのギリギリまで攻めるフォームで、一瞬逆転されたかと焦ったぞ！
↓上気した顔で室伏さんにハァハァする織田裕二さん！
織田：「僕はいい！嬉しい！」
織田：「乳酸じゃないけど（何かが）タマッてくる」
織田：「80m超えた穴、両方室伏なんですよ」
織田：「すうごぉぉぉいですね、長かったですね！」
織田：「ハァァァァァ…ハァ…ハァ…」
織田：「20代から本当にお世話になって…」
織田：「20代のときはしょっちゅうしょっちゅう楽しませもらって…」
織田：「金ですよ！」
※一連のコメントを、いやらしい気持ちで見守ってあげてください。
↓インタビューでは「これが日本の世陸」という上気合戦！
織田さんも久々の絶頂感に酔い、放送席から身を乗り出して「ムロフシー！」と絶叫する一幕も！
アッー！子どもの頃に見上げてた空はAll my treasures！
つ織田裕二「All my treasures」（楽天市場）
このように織田さんと日本が歓喜にわいた夜。これ以上の報せはないだろうと僕は考えていました。確かに民主党の代表選は注目ですが、どう転んでも悪いニュースなのだから見たくない。確かにTOKIO山口メンバーの無免許運転発覚は注目ですが、自殺でもしない限りはタダの無免許運転。室伏のハンマー投げに比べれば大した話題ではありません。
室伏の投げたハンマーが野田氏を直撃したため代表選やり直しとか、室伏が山口メンバーを80メートル投げ飛ばすとか、室伏が絡んでこなければ新聞の1面にはならないだろう…そう考えていたのです。
↓スポーツ紙の1面は予想どおり室伏・室伏・室伏！
ニッカン：「36歳“復活” 室伏金」
中日スポーツ：「室伏 復活の金」
スポーツ報知：「史上最年長36歳 室伏金」
世界で金ですからね！
これ以上のニュースはそうそうないでしょう！
つ室伏広治 孤独な王者（楽天市場）
しかし、僕の勝手な思い込みをヨソに、「世界で金」以上の話題はあったのです。そもそも室伏が金で騒いでいるのは日本だけ。ハンマー投げなんて基本見ないでしょう。円盤投げや砲丸投げを見ましたか。見ていないでしょう。日本以外の国では室伏が話題にならないのは当然なのです。そう、日本にあるもうひとつの独立国家・阪神王国では、室伏以上に注目の話題が本日の1面を飾っていたのです…！
↓デイリー：「4番変えず竜倒！新井甦れ」
デイリー：「室伏36歳復活の金ね…ふぅーん」
デイリー：「復活とか全然興味わかんやんな」
デイリー：「今更感はあるわな。五輪でもあれへんし」
デイリー：「明日の1面どないしよ？」
デイリー：「新井やね。テーマは4番新井復活やろ、な？」
デイリー：「そやな。新井甦れ…カタカタ…っと！」
デイリー：「できたでー！」
さすが独立国家！
室伏がデイリーの1面を飾るには、阪神に入団するしかない!
つ金本知憲 心が折れても、あきらめるな（楽天市場）
来年の今頃、阪神王国で金本と室伏のゴールデン鉄人コンビ誕生の予感！
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