今年は、9月10月と引継ぎが続く、花月は今日で今年の風炉は終わりになるであろう。
今年はすべてが特別、何十年も奥伝の引継ぎをしてきたが二月も続くというのは初めての経験である。
春の引継ぎを地震のために延期にした。
世の中も大きく変わる。
私たちの対応も当然なことと思う。
そういうわけで、今日が風炉の最後の花月になる。
上級のクラスなので、炭付花月から始まる。
風炉は南方の琉球風炉を使う。
灰型は丸灰。
藤灰は蒔かない。
今日は秋を想定、灰型の丸は大きく、底はいつもより深くした。
朝の気温と湿度を考えて、炭の太さを選び造った灰。
自分でも久しぶりにうまくいったと自負。
生徒さんが、細い下火三本に火をつけてくれた。
よく見ると、芯まで火が通っていない。
心配だったが、この気温なら大丈夫と何も言わない。
消えたら、それも勉強と生徒さんに任せる。
5人全員で挨拶して始まる。
席入りは初めての人には難しい。
鍵畳を右で入るのは、正客と次客。
三客と四客は鍵畳を通らず、真横から入る。
4人が席に着くと、亭主が向かい付けの挨拶に出て、スタートである。
全員が一斉に帛紗を腰に付ける。
今日はどういうわけか、タイミングが合わない。
正客からお先にと、四畳半に入る。
亭主が炭斗を棚正面に運び、釜敷を踏込畳の角に置いて、仮座に向かう。
折据えが回り、お点前役の月の札を正客が引いた。
亭主以外の全員が繰り上げである。
亭主は炭が終わると片づけて、次のお薄の準備もあるので仮座にいなければならない。
風炉は特殊、掃き方も違う。
初掃きは、まず真ん中から左手前まで掃く。
次は、真ん中から右を掃く。
三つ目は、眉の上を、火窓の上を左から右に掃く。
最後に火窓を手前から中に掃きこむのである。
まさに、風炉の唐物扱い。
炭には変わりはない。
いつものように入れていくが、灰器は使わない。
月形も切らない。
それゆえ、中掃きはないのである。
後掃きだけする。
掃き方は最初は同じ、火窓は左、右、真ん中と丁寧に三つに分けて掃く。
これはいつもと同じである。
香合は拝見がない、すぐ炭斗に戻す。
炭が終わると、お薄を三服交代に札で立てる。
付のものは、お薄が三服で終わる。
炭が終わると、濃茶付花月である。
その次は、茶通箱付花月、最後は貴人清次付花月で今日は終わった。
生徒さんの帯が面白い。
なんと、帯の中でたくさんのカッパが賑やかに楽しんでいる姿なのである。
思わず、写真に撮ってしまう。
私も子供のころから、神楽坂花柳界の中にいたがこんなユーモアのある帯は初めて見た。
何しろ、見ていると微笑みが浮かぶ。
こんな人を喜ばせるオシャレは、粋を超えて最高だなと感心した。
ほんとに面白くて、驚いた!!!