また、若者の失業率なんてことを言えば、欧米のほうが圧倒的に高く、その観点から言えばむしろ日本の若者は恵まれている。新卒一括採用という制度があるから日本の大学生は就職がしやすい。一方でイギリスなどでは新卒であっても「お前のスキルはなんだ?」という意味不明の質問をされ、多くの人が大学院などにいくか弁護士や会計士などの資格を就職するために取得せざるを得ないという。
本日、紹介するのは「若者はかわいそう」論のウソ (扶桑社新書)
僕がなぜそういう風に考えたかというと経済学的に考えればどう考えても若者が搾取されているなどという主張はおかしいからである。城氏・池田氏・藤沢氏など市場を重視する人々からそういった主張が出てくるのは悲しい限りである。まあ、彼らはネットをよく使う僧である若者の支持を得たいだけだろうが。。。。
本書では実際に労働市場で働いている筆者が現場の感覚とデータに基づいて「若者はかわいそう」のウソを暴いていく。残念なのは筆者には経済学的な知識があまりないところではあるが、それでもデータに基づいた主張はほぼすべてが納得できるものである。
たとえば、日本では転職市場がほとんどないから新卒で採用されないと悲惨だという。しかし、第二新卒の市場は31万人あり、新卒市場に匹敵するという。また、フリーターの多くは一度正社員として就職した人々であるとこれもデータで示している。
ワーキングプアが増えている論に対しても年収200万以下のワーキングプアが増えているというが、1100万人のうち、実は被扶養者が400万人・個人事業主の家族が200万人、さらに残りにも相当数の年金をもらっている高齢者が含まれているから実際にはワーキングプアはそれほど多くないとデータに基づいてこれまた示している。
このように一般的に受け入れやすいデータに基づかない(もしくは誤ったデータの解釈に基づく)「若者はカワイソウ論」を切って捨てている。非常に痛快な一冊である。
若者はかわいそうだと思っている人もそんなことないと思っている人もこのテーマに興味があるならばぜひ読んでみるべき一冊である。
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