「Google+」のアカウント削除をめぐる不満がピークに
本名を使っていないと判断したGoogle+アカウントを次々と消すグーグル本名での利用が求められている「Google+」サイトに関し、Googleが一部のアカウントを積極的に削除していると思われる事態を受けて、ここ数週間くすぶっていた同サイトに対する不満が先週末ついに爆発した。
Google+のメンバーらは、Googleが同ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)を立ち上げた6月下旬から約1週間後にはこうした問題について苦言を呈するようになっていた。Googleのさまざまな関係者も、過去3週間にわたり問題の釈明に追われてきた。
例えば、7月11日には、Google+のコミュニティ・マネージャーであるナタリー・ヴィラロボス(Natalie Villalobos)氏が同サイトの公式掲示板に書きこまれた不満を取り上げ、サービスのポリシーをあらためて示すとともに削除を撤回する手順を説明している。
それでもなお、Google+の公式掲示板や「Twitter」および個人ブログといったほかの場所で不平を漏らすユーザーが続出し、複数の有名利用者アカウントがGoogleによって消された先週末には彼らの怒りがピークに達したと、「ZDNet」ブロガーのバイオレット・ブルー(Violet Blue)氏は記事に書いた。
不満を抱えるユーザーは、主に2つのグループに分類できる。一方は、本名を登録したが、めずらしい名前であったり、名前に英語ではない言語の文字が含まれていたりするという理由でGoogle+アカウントが削除されたと主張する人々のグループだ。
もう一方は、プライバシーの都合上、本名をさらしたくないと考える利用者のグループとなっている。
Googleに取材を試みたところ、同社の広報担当者から、「Google Profile」は公的なWebページとして設計されており、「実世界に実在する人物を結びつけ、見つけ出す手伝いをする」ことを目的としているとする電子メールが送られてきた。
Google+のビジネス・プロフィールを作成した著名人や企業も、一般ユーザーと同様の疑問を感じているようだ。現在そうした行為は禁じられ、アカウントは削除されている。もっともGoogleは、数か月以内にはビジネス・プロフィールの使用を認めるようにしたいと述べている。
Google+のメンバー数は、現時点でおよそ2,000万人。同サービスはまだ局所的なトライアル段階を脱しておらず、Googleもしくは既存会員に招待された人のみがメンバーになれる。
Google+は同社にとって最も重要なプロジェクトの1つだ。ソーシャル・ネットワーキング分野で幾度も失敗を重ねたGoogleは、Google+こそ「Facebook」と拮抗する最終兵器になりえると大きな期待をかけている。
Googleは、Google+のコンテンツ共有機能およびプライバシー設定はFacebookよりすぐれ、なおかつ扱いが簡単だと主張し、そうした魅力にひかれた大量のユーザーがFacebookを脱会するだろうと述べている。
(Juan Carlos Perez/IDG News Serviceマイアミ支局)