日々、ニューヨークを観察し、さまざまな情報を更新し続けている人気ブログ「ニューヨークの遊び方」を主宰するりばてぃさんは、ニューヨークを「多様性の街」だととらえている。
世界中から、背景、文化、考え方、好みも違う人たちが集まる場所だからこそ、個々の違いが明確になり、自分の持つ特徴も分かりやすい。
「それぞれ、重きを置くポイントが違いますよね。例えば、スーパーのレジに並んでいて、急ごうとしていない店員さんがいます。その人が、お客さん一人一人に声を掛け、相手を喜ばせることを一番大切に思っているとしたら、列に人が並んでいることは重要ではないんです。どっちが良い悪いではなく、そういう価値観もあるということ。多様な価値観の違いを互いに尊重し合っているため、自分らしさを認めてくれる街という雰囲気も感じられる気がします」
この多様性がある街では、さまざまな会やパーティー、ミーティングなどで人と出会う機会は多い。しかし、初めて会い、短時間話し、肩書きや外見からだけでは、どんな人で、どんな才能を持っているのか判断することは難しい。自分にとって意味のあるつながりを結べる人を見過ごしているかもしれない。そこで簡単にできるブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、自分の考えや思い、自分らしさを事前に伝えることができる最良のコミュニケーションツールになるという。
「日々書き続けているブログを見てもらえれば、本当はどんな人間で、どんな主張を持っているのか深く知ってもらうことができます。後から見てもらうことでも、自分を理解してもらうことができます」
そこで必要なのは、自分が何をしたいのか、どんな人たちと出会い、話したいのかを考えること、「最低限、自分らしさとは何かを考える癖をつけること」だと指摘する。それを自分で理解して初めて、日々つづる内容、考え、主張が本当に意味あるつながりを持ちたい相手に向けて発信される。
りばてぃさんは、ツイッター、フェイスブックなど速報性はある半面、情報が常に流れてしまうものでなく、思いや考えをしっかりと伝えるためにブログという形式を選んでいるという。また、ブログには写真を多用することを勧めている。写真を使うことで、日本語が分からない人でも、このブログが何を中心に情報を発信しているか理解することができ、そこからまた人とつながる可能性が生まれるからだ。日本人だけでなく、さまざまな国の人たちとつながるチャンスは、自分らしさをつづることからつくることができる。
「やってみようかなぐらいの気持ちでも、やり始めると、声が掛かるかもしれないし、次のステップにつながりやすいですよ」