東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事
【プロ野球】マー止まらん 18K完封 楽天 球団タイ7連勝2011年8月28日 紙面から
◆楽天5−0ソフトバンク圧巻の奪三振ショーに満員のKスタ宮城が心から酔いしれた。9回のマウンドへ登った楽天・田中。心の中の“野望”は1つだけ。3つのアウトをすべて三振で奪うこと。相手を思い切りにらみつけると、右腕を力いっぱい振り続けた。 まずは小久保を空振り三振。カブレラには右前打を許したが、松田からも空振り三振を奪い、最後の打者・多村への4球目に選んだスライダーはボールゾーンへ鋭く滑り、バットは力なく空を切った。自己最多のみならず、プロ野球史上単独2位となる18個目の三振を奪い、試合終了。夜空には田中の雄たけびがこだました。 「最後は全部、(三振を)狙っていきました。プレッシャーもあったけど、勝ててよかった」と田中。お立ち台の顔には充実感があふれていた。自らがヤフードームで始めた連勝は球団タイ記録の「7」にまで伸びた。「連勝を僕で止めるわけにはいかなかった」。言葉には本心がにじんでいた。 ブルペンは前回登板だった20日のソフトバンク戦(ヤフードーム)の方がよかったという。しかし、自信のある球種が一つあった。必殺のスライダー。「切れがいい。いい曲がりをしている」と手応えを感じていた。 この思いは回を重ねるごとに確信に変わった。面白いようにソフトバンク打線のバットが空を切る。5回2死満塁の場面でも「絶対にゼロで抑えてやる」とういう決意通りに、川崎をスライダーで3球三振に。唯一の窮地を難なく切り抜けた。 充実感の理由はもうひとつある。ブルペン陣に休養日を送れたことだ。この日は星野監督の指示でアクシデント対応の1人以外は投球練習を休みベンチで戦況を見つめていた。異例の措置に燃えた田中。「一人で投げ抜く」と決意していた。 これこそ大黒柱の責任感。モチベーションの高さが近鉄時代の野茂が90年に作った17奪三振を越え、95年に野田が達成した1試合19奪三振のプロ野球記録にあと1つと迫る投球につながった。「追い込めば三振を狙える雰囲気があった」とこの日の投球を振り返った田中。この快投はCS進出を狙うチームにさらなる勢いをつけるはずだ。 (川越亮太) PR情報
おすすめサイトads by adingo
|