中国人向け観光ビザ、9月より緩和 訪日ツアー価格も上昇傾向

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  東日本大震災後の観光業復興のため、観光庁は中国人観光客に対する新たな優遇政策を実施する。溝畑宏観光庁長官はこのほど、震災後2回目となる訪中を果たし、日本の観光業の現状と新政策の詳細を発表した。中国新聞社が報じた。

  3月11日の震災後、中国からの観光客は激減し、2011年1月から7月までの来日中国人観光客数はのべ55万人で、昨年同期に比べて36.7%も減少しているという。溝畑長官は、日本のインフラやサービスなどは震災前のレベルを回復し、電力供給や航空・高速道路などの交通条件もほぼ復興しているとして、日本観光の安全性をアピールし、「東京の生活は震災以前と何ら変わりはない」と強調した。

  9月1日からのビザ発給緩和政策では、「一定の職業地位」の条件が排除され、条件は「一定の経済力」のみとなる。これによって条件を満たす本人はもちろん、その家族をはじめ、フリーランサーや退職者、さらには無職であってもビザ取得が可能となる。滞在期間も15日から最長30日にまで延長された。このほか、観光ビザの申請は戸籍所在地での手続きが義務付けられていたが、現在はこれも廃止され、別の地域に住む家族のビザを1カ所で申請できるようになっている。

  緩和政策以外に観光庁は中国銀聯と共同で、九州と関西で9月1日から年末まで優遇イベントを実施。期間中イベントに参加する銀聯加盟店89店舗で、銀聯カードを利用し1万円以上の買い物をすると、1000円の割引を受けられるクーポンがもらえるという。

  北京市内の旅行社では、7月に日本が3年間有効の数次ビザ政策を実施して以来、観光客数は平年の6割程度にまで回復しているという。また、9月以降では3000元(約3万6000円)以下のツアーは存在せず、今後は震災前の6000元(約7万2000円)以上の価格を徐々に回復すると見られている。(編集担当:及川源十郎)

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