汚染水浄化 安定稼働が課題
K10051870311_1108270517_1108270520
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

汚染水浄化 安定稼働が課題

8月27日 4時50分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所で事故収束の柱となっている高濃度の汚染水を浄化し再び原子炉に戻すシステムがスタートしてから、27日で2か月になります。システムの要となる浄化設備の稼働率は70%に達しておらず、今後は、浄化設備を安定させたうえで、原子炉の「冷温停止」をいかに実現させるかが課題となります。

福島第一原発では、原子炉の燃料を冷やすための注水によって発生した高濃度の汚染水を浄化したうえで再び原子炉に戻して冷却に使うシステムが、2か月前の6月27日にスタートしました。原子炉の温度は、最も高い2号機で115度前後と事故直後に比べると安定していますが、システムの要となる浄化設備は相次ぐトラブルでたびたび運転が停止し、これまでの稼働率は68%と目標の90%を大きく下回っています。このため東京電力は、新たに国産の浄化装置を今月18日に導入し、処理量を当初の設計の1.4倍に増やしています。東京電力の松本純一本部長代理は「汚染水が原発の外に漏れる危険性は、今はないと考えているが、浄化設備を着実に動かすことが今後の課題になる」と話しています。政府と東京電力は、事故の収束に向けた工程表で、来年1月までに「放射線量が大幅に抑えられる」という目標を掲げていて、今後は、浄化設備を安定させたうえで、原子炉を100度以下にする「冷温停止」をいかに実現させるかが課題となります。