第0話【Night of the fate-運命の夜-Ⅰ】
「はぁはぁハァ……ハァ――っグァ」
衛宮士郎は、必死で学校内を走っていた。
グラウンドで見た人の姿をした……人でない者達との戦闘。途中、青い男の意識が士朗へと向く。
その直後、士朗は走って逃げた。青い男と目が合った瞬間に、死を錯覚したのだ。
冷静さを失った士朗は、校内へと逃げ込む。だがそれは下策。
殺す事を厭わない相手に、わざわざ人気の無い校舎へと逃げ込むと言うことは、殺して下さい、と言っているようなものである。
足を止めて、辺りを士朗は見回した。
人の気配はない。全力で走っていたため、心臓が軋みをあげている。
息を整えるために廊下へと座った。
「――ハァハァ。とりあえず、これで」
「追いかけっこは、終わり……だろ」
士朗の目の前に、紅い槍を持った青い男が立っていた。
「よぅ、ワリと遠くまで走ったな。オマエ」
顔をあげて目が合った瞬間に、士朗は理解した。
――自分は、此処で、死ぬ――
今まで続けていた鍛錬など、目の前にいるバケモノには通じない。
絶望感が士朗の心を覆い尽くす。
「運が悪かったな――坊主。ま、見られたからには死んでくれや」
容赦も情緒もなく、青い男の槍が士朗の心臓を貫こうとした、その時、
黒い服を纏った怪人が、青い男へと巨大なナイフを両手で持ち、斬り付けた。
青い男は舌打ちをすると、跳ねて回避。怪人の反対側へと回避する
目標物を失った巨大なナイフは、廊下へ直撃をした。廊下は大きな音を響かせると同時に亀裂が走り、下の階が見える穴が空いた。
士朗は咄嗟に怪人側へと移動したため、下の階へ落ちるという事態は回避された。
「なんだ……テメェは」
『――』
青い男の問いに、黒い怪人は無言。
だが、手に持つ巨大なナイフを強く握り詰めると、青い男へと飛びかかる。
再び士朗は、グラウンドで見た高速戦闘を目撃する。
黒い怪人はは、紅い槍を巨大ナイフで逸らし回避しながら、青い男へと攻撃するチャンスを掴もうとするが、青い男の猛犬を思わせる鋭い牙は、そのチャンスを与えてはくれない。
なんとか攻撃しようとしているが、その機会が訪れることはなく、黒い怪人の防戦一方が続いていた。
「オラオラぁ――!! どうした? その程度かっ!!」
『――っ』
青い男の槍が一閃。
黒い怪人が持つ巨大ナイフが、手から離れて後ろへと飛ぶ。
その隙を見逃すほど、男は甘くない。
必殺の一閃が、怪人を貫こうとした時、怪人の姿は霧のように消え去り、必殺の一閃は空を斬った。
飛んだ巨大ナイフも、廊下へ突き刺さった痕跡のみを残して消えている。
「消えた……?」
士朗が呟くと、後ろから人の気配がしたので、振り返った。
そこに居たのは、見知った顔だった。
士朗のクラスの副担任で、剣道部の顧問もしている……。
名前は――
「てめぇ……誰だ」
「――鳴神、宗司。この学校の教師だ」
/あとがき/
初めまして、むこうぶちといいます。
出来れば2週で1話のペースで連載していきたいと思ってます。
応援をどうか宜しくお願いします
↓は主人公のステータス
*名前 : 鳴神 宗司
*年齢 : 24歳
*職業 : 穂群原学園2年C組副担任
剣道部顧問
体育担任
*ステータス
・筋力 : D
・耐久 : C
・俊敏 : D
・魔力 : -
・精神力: B-
・幸運 : C
・宝具 : -
*武器
・十握剣
・金属バッド
*所有ペルソナ
・イザナギ
・義経
・アリス
・トランペッター
・伊邪那岐大神
など……
ステータスを一応掲載してますが、本人が英霊と直にぶつかる事はたぶんありません。
基本的にサーヴァントの相手は、ペルソナがします。