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[29310] 【習作】 バインドマスター(リリカルなのは オリ主)
Name: castake◆d6014dec ID:025b4777
Date: 2011/08/28 03:31
はじめまして。

castakeです。

注意事項

・オリジナル主人公です。
・チート能力を持ちあわせています。
・ある意味最強系かもしれません。
・かなり不定期更新です。
・キャラ崩壊があるかもしれません。
・サンホラが好きなのでところどころにサンホラネタを仕込んでいます。
・魔法の解釈や世界観設定に作者オリジナルの解釈が加わるかもしれません。

以上が苦手な方は別の作品を読むことをお勧めします。


現在進行形でゼロ魔で

ゼロのひどい使い魔

を執筆中です。

しかし、リリカルなのはを見てからどうしても書きたくなってしまったので同時進行で書いていこうと思います。

2011/08/20
一話追加
タイトルに習作と入れました。
主人公キャラの性格がつかめません。
書きながら修正していくと思います。

2011/08/21
感想が書かれていることに感謝。
本当はアニメいう三期からはじめようと思っていましたが、何故か無印から始めてしまった。
主人公については作者自身も未だ確立したキャラとして成立していないと思っています。
とりあえず不定期更新なのでゆるりとお待ちください。
修正報告
一話ちょっと修正

2011/08/28

2話アップしました。
誤字修正
3話あたりまでは週一で更新できそうです。



[29310] プロローグ
Name: castake◆d6014dec ID:025b4777
Date: 2011/08/21 16:04
プロローグ

お約束な展開というものは物語の導入において必要である。

例えば、主人公は遅刻で急いで学校に向う。曲がり角を曲がると美少女とぶつかりその美少女が実は転校生であり、その上、というか、当然、主人公と転校生の席が隣になるという在り来りな展開。

なんのへんてつもない少女がある日、声が聞こえて向かった先にはフェレットが倒れており、その後、色々あって魔法の存在を知る。

日常的な生活から一変して、何らかのきっかけで物語が進む。

自称「平凡な小学3年生」高町なのはの物語はココから始まったのだ。


出会いは突然だったが、ユーノ・スクライア、フェイト・テスタロッサなどの主要人物とロストロギアであるジュエルシードに関わり、「PT事件」に介入。高町なのはが「魔導師」となり、フェイト・テスタロッサや「時空管理局」と出会うきっかけとなったのである。


その後、「闇の書事件」にも関わり傷つきながらもなんとか事件を解決。

主要人物たちはその後、時空管理局に入隊し、JS事件と関わっていき無茶な戦い方ではあるが主犯格の人物達を無事に逮捕したのである。

と、大まかなあらすじは覚えているものの、細かな部分は覚えていないのだ。

一度目は友達が進めるので見た。

その数年後、映画化されたというので再度じっくりとアニメDVDを見たのだがそれも既に何年も前のことになる。

そう、"アニメの世界の話"だったはずの高町なのは達が住む海鳴市に来たのは俺の記憶ではもう10年前になるのだ。

精神年齢は肉体年齢とは別ものである。

私立聖祥大学付属小学校3年生。

年齢、9歳。

田村紡(たむらつむぐ)

得意な授業、体育。
嫌いな食べ物、きのこ類。
成績、常に満点。
家族、両親、姉、兄。
女装させたら右にでるものがいない美少女になれる特技がある。

中性的な顔立ちに、艶やかな黒髪は肩口あたりまで伸ばされてる。いや、伸ばすように強要されている。
しなやかな身体つきに加え、引き締まった太ももに、キュッと締まった腰回り。
割とスベスベの白い肌。整えられた眉に透き通った声質。
パッと見ボーイッシュな女の子に見える。
というか、初対面ならほぼ間違いなく女の子と間違われる。

姉曰く「リアル男の娘ハアハア」

くそっ!腐女子で年の離れた姉を持ったことがこんなにも妬ましいとは。

どんな因果か、俺は元いた世界から気づいたらこの田村紡として転生した。
というか転生したとしか考えられなかった。
目が覚めたら知らない家の赤ん坊用のベッドにいたのだ。
いや、まあ、愛情を持って育てられたので両親には感謝している。
姉と、兄にもそこそこ感謝している。
しかし、元いた世界では現在19歳の姉より年上の26歳だったのだ。

オタクでもあり、腐女子などの免疫もあったが、実害を被られると堪ったものではない。

閑話休題

自我を持ち始める年齢というのは人それぞれだと思うが、俺の場合0歳から自我を持っていた。
どうも、転生モノの話にありがちな展開で元いた世界の記憶はバッチリ残っている。
そして、ココがアニメの世界、つまりはリリカルなのはの世界だと知ったのは生後三ヶ月の頃に両親が家族が増えたから引っ越すという話を聞いていたからだ。
引っ越すと言っても手狭なアパートから一戸建ての家に変わっただけで海鳴市内の移動である。
赤ん坊である俺を連れて市役所で住所変更手続の際にリリカルなのはの世界に来たと確信した。
なぜなら、海鳴市など、俺の世界には存在していなかったし、帰りに翠屋に寄ったからである。

奇数な運命に囚われているのだと自覚したのは、私立聖祥大附属小学校に入学してからである。
なにせ、高町なのはが同じクラスにいて、なおかつ3年連続同じクラス、席も常に隣なのである。
そう、何度席替えをしようと必ず高町なのはが隣の席になるのだ。

「にゃはは~、また隣の席だね~」

慣れたものだと言わんばかりに3年生最初の席替えが終わった後に俺に声をかけてきていた。

「ああ、高町とは切っても切れない縁があるらしいな。俺は諦めたよ」
「もう!なのはって、呼んでよ~」

元いた世界で十年後の姿を知ってるので高町教官、白い悪魔、なのはさんと呼びたいと密かに思いつつも、この可愛らしい高町なのはを呼び捨てにするのはどうも気が引けた。というか、元いた世界の記憶があって、なおかつ精神年齢はかなりイッてるので小学生同士のやりとりをするのは勘弁して欲しかった。

なにやらブツブツと言っている高町なのはを放っといて俺は思考する。

魔法少女リリカルの物語に俺がどうやって関わっていくのか。
そもそも俺が魔法が使えるのか。
管理局をどうするのか。
フェイトたん可愛いとか。
シグナムの胸に飛び込みたいとか。
アリサ・バニングス、くぎゅううううとか。

思考しながら適当に学校を過ごし家に帰り、姉に今日のコスプレ撮影会を強要され、それも終わり風呂に入って着替え終わる。

シャツにGパン。

パジャマを着ると姉が一緒に寝たがるのでもう何年もパジャマを着るという文化は俺の中では終わっていた。
夜九時を周り、そろそろ寝るか、パソコンでネットサーフィンをするか迷っていた処で頭に声が聞こえた。

【聞こえますか、僕の声が……、聞こえますか!?】

この声が聞こえるということは俺に魔力があるって証明にもなるわけで。
やはり魔法少女リリカルなのはの世界に、高町なのはに縁があるらしい。

春とはいえ夜は肌寒いのでジャケットを羽織り家を出る。
家族にはコンビニに行くとだけ言い訳しておいた。

これから始まる魔法でリリカルな物語に少しだけ高揚した口調でつぶやく

「さあ、物語をはじめようか」

―――――――――――――――――――――――
あとがき

はじめまして。こんにちは。
終着点の見えないまま始めてしまった魔法少女リリカルなのはのSSのプロローグになります。
知らない人もいると思いますが別作品も書いていますのでよろしく。

毎回サブタイトルを書いている人はすごいと思います。

―――――――――――――――――――――――



[29310] 第1話
Name: castake◆d6014dec ID:025b4777
Date: 2011/08/21 16:08

高町なのはの特筆すべき点は不屈の精神と類稀な魔法の才能である。

噛み砕いて言うなれば、お話ししたいは、暴力で相手を黙らせて無理やり話を聞かせる。
魔法の才能に関しては初めて使ったその日に飛び回り、戦闘し、更には砲撃をかましてジュエルシードを封印することまでやってのける。

ユーノ・スクライアは優秀であるが、補助系の魔法が得意なため戦闘には向いていない。
そして、事件の発端になるロストロギアを地球に持ち込んだ人物である。
だが、ロストロギア紛失及び拡散は事故のせいであり、当人はそのことを自分の責任だからといって自分で解決するのではなく、管理局に連絡して事件の解決を早期に頼むことが彼の一番初めにすることであった。

少なくとも事件が起きてそれを解決する機関があるのならばそれに頼るべきであった。

もっとも、今更文句を言ってもしょうがない。

うねうねしたモンスターに襲われていたユーノフェレットスタイルを拾い上げて更に、そこに居合わせたあたふたしている高町なのはの手を無言で引っ張って強引に走り、うねうねモンスターから少し離れた物陰に隠れたところで少しばかり説教をした。

「すいません。巻き込んでしまって」
「ふええ、どうしよう?どうしよう?」
「落ち着け。高町。ったく、お互い、巻き込まれた以上現状を把握し、問題を解決する方法を考えないと……」
「考えないと?」
「あのモンスターに食われるか、取り込まれるか、碌な事にはならないだろうね」

ロストロギアの暴走を放っておくと世界が滅びるか、次元が歪んで世界がおかしくなると思う。
少なくともジュエルシードは強大な魔力の結晶体で、周囲の生物が抱いた願望を叶える特性がある。
たまたま悪意のもった願望を叶えてしまった日には目も当てられない。

「その、お二人のどちらかに僕に協力して欲しいんです」
「うむ」

SIDE:高町なのは

「うむ」

そう顎に手を当てて考えこむ。
私は知っている紡くんが考え事をしている時の癖だ。

――田村紡ってどういう人?

いつも隣の席で、よくお話をする私にいつだったか聞かれたことがある。

一言で言うならすごく頭のいい人。
常にテストでは満点をとっているからそれは間違いがない。
次に思い浮かぶのは、面倒見のいいお兄さんみたいな存在。
同い年なのにクラスメイトの男の子達と違って落ち着いている。
男の子達が危ないことをしようとしたり、暴れたりしているとやんわりとそれを止めて違う遊びをやるように誘導していたり、喧嘩をしていたらすぐにそれを止めたり、嫌いな物を残さず食べろと注意したり、まるでクラス全員の父親か、お兄さんのようだった。

そして、ものすごく、女の子にモテる。
成績もいい、かけっこも誰よりも早い。
面倒見も良くて、他の男の子達よりも落ち着いていて大人びている。
なにより、中性的な顔で男の子の制服を着ていないと普通に女の子に見えるのだ。
可愛くてかっこいいとクラスの女の子達で人気がある。
一度私服で家の店に来た時なんか……。

「―――、高町って、なにトリップしてやがる」
「え?あ、ごめん」
「考え事もいいが、話を聞いていなかったな。時間が無いから簡潔に言うと、このフェレット、ユーノ・スクライアという名前で、あのモンスターが現れた原因と言い張っている。が、それは単なる事故だ。そして、現状であのモンスターに対抗することのできる手段を持つユーノでもあのモンスターには勝てなくて勝てそうなポテンシャルを持った人に向けてあの救難信号を出していた。それに釣られたのが俺と、高町ってわけだ。要は自分じゃ勝てないから何とかしてくれっていう完全に他人任せ、運任せの出来事に巻き込まれたわけだ。最後にユーノのいう協力とは魔法の力を貸すからモンスターを倒してくれというものだ」

私がお話を聞いていなかったのはほんの少しの間だけだったはずである。

「すごい、たったあれだけの僕の説明でそこまでわかるなんて」
「うん、紡くんはよく、先生に、1つ聞いたら10理解する天才児だって言われてるもんね!」
「高町が威張ってい言うことじゃないだろ……。しかし、フェレットが喋ってるにも俺が説明した魔法の力ってのにも高町は案外驚かないんだな」
「そういう紡くんだって驚いてないじゃん」

私が何より驚いたのはモンスターに襲われていた時に颯爽と現れフェレット、ユーノくんと私を助け、私の手を握ってくれたことだ。

紡くんは誰とでも仲良くしているが、誰とでも一線を引いている。

クラスメイトの誰でも苗字か、フルネームで呼ぶ。

それが、なんだか悲しかった。

私が何度名前で呼んでほしいと言っても呼んでくれない。

そんな紡くんが私の手を握ってくれた。

それに、私に説明している時に見せた滅多に見れない紡くんのどこか嬉しそうな顔。

モンスターに追われているのに私には緊張感がなかった。

SIDE:ユーノ・スクライア

どうして助けを呼んだ?
あのモンスターは?
原因は?
モンスターを何とかする方法は?

矢継ぎ早に飛んでくる質問に僕は混乱しながらも答えた。

助けを呼び現れた"二人の少女"

初めに現れたのは栗色の髪の毛でぴょこんとサイドに髪をまとめた女の子。
次に現れたのはボーイッシュな感じの一人称を俺という、男勝りな女の子。

高町なのは、田村紡。

この二人の少女。

とりわけ、ボーイッシュで男勝りな田村紡という少女は僕と同い年くらいなのに、ものすごく頭の回転の速い子だった。

まるで現状を予め予想していたような感じさえした。

そして、魔法を扱うなら、協力者として僕は田村紡を選びたかった。

「高町、お前が、適任だ」
「ふぇ?」
「え?」

僕となのはは驚いた。
てっきり、紡が魔法に、協力者として立候補してくれるものだと思ったから。

「なんで?」

理由を聞こうとしたが、ドカン、という建物の壊れる音と共に暴走体が現れた。

「ユーノ・スクライア、さっさとしろ」

ハッとなり、僕はなのはにデバイスを渡す。

「これから僕の言うとおりに言葉を言って」
「わ、私が?いいの?」
「いいんだよ。俺は俺の役割をこなす」

そう言って紡は暴走体の前に走り出した。

「あ、危ないよ~」
「なのは!彼女は時間稼ぎに行ったんだよ!早く、早く僕の言うとおりに!」

紡はそのへんに落ちていた瓦礫を拾っては投げ、襲いかかってくる攻撃をうまく避けていた。

「我、使命を受けし者なり
 契約の元、その力を解き放て……」

僕の言葉を繰り返すようになのはも言葉を続ける

「風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に。この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」

SIDE:田村紡

いやまあ、時間稼ぎはそれほど難しいことではなかった。
相手の元になったのが知性が低かったのか、攻撃は短調だし、見きれないほどスピードがあるわけでもない。
女装させようと鬼のように追いかけてくる姉のほうが動きがいいくらいだ。

さて、高町なのはの方は

「風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に。この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」

ま、当然ちゃあ当然の結果だ。
しかし、突然俺の胸の奥が熱くなる。
ドクンドクンと――。
高町なのはがバリアジャケットに変身し終えたと同時にユーノが叫んだ。

「これは!共鳴覚醒?」

聞いたことのない単語がユーノから発せられた。
とりあえず、モンスターから一旦離れてユーノを拾い上げる。
どうやら逃げた俺を無視してモンスターは高町なのはに狙いを定めたらしい。

「共鳴覚醒ってなんだ?身体からこう、迸る何かを感じる」
「ええっと、かなり希少な事例なんだけど、魔力に目覚める方法が幾つかあって、本来の目覚め方っていうのは、ちゃんとした魔法を収めた人のもとで徐々に覚醒させていくものなんだけど……」
「あぁ~、わかった。皆まで言うな。つまりは、高町の魔法覚醒の余波で俺も魔法覚醒したみたいなことだろ?」

ハンター×ハ●ターの念能力の目覚め方にそっくりね!
ユーノの反応を見る限り、俺の推測は正しいらしい。
って、こんな設定原作にあったか?
そういえば、魔法でドンパチ戦ってはいたが初心者にもわかる魔法入門的な話はなかったな。
強いて言えばレイジングハートが魔法訓練を行っていたくらいか。
さらに言えば、俺という存在そのものがいる時点でこの世界はリリカルなのはの物語に似て非なるモノとなっていてもおかしくはない。
そのへんの齟齬は後々解決していくとして、今、俺のすべきことは?
高町なのはは放っておいてもあのモンスターに勝つだろう。
そして、戦い続ける。
俺はリリカルなのはのアニメを見て思っていたことがあった。
いくら適性があって戦えるとはいえ、子供に前線で戦わせるというのは気に入らなかった。
管理局も自分たちのルールを押し付けるし、何より、まだ、高町なのは達は小学生だ。
大人が守るべき子供に、守られてどうする。

「ユーノ・スクライア。魔法の使い方を教えろ」
「え?」
「できれば、高町をサポート、もしくはモンスターの動きを止める類の魔法が最適だ」

ユーノは驚いた顔をしていた。というか、フェレットなので表情はあまりわからないが、驚いている様子だ。
この様子だと、デバイスを俺に渡したかったのか?
渡されても困る。
一つは、俺が上手くデバイスを扱えるか、
一つは、俺がデバイスを持つことにより、高町なのはにどのような変化が起こるのか、
それがわからない以上、今現在、最も高確率であのモンスターを倒せるはずである高町なのはにデバイスを渡すように仕向けた。
都合のいい言い訳だ。
俺のやっていることは管理局のやっていることと変わらない。
あとで、謝らないと。
この戦いが終わったら、謝ろう。
俺も、協力して、早く終わらせよう。

カチリと、何かがはまった音が聞こえた。

体内から湧き出てくる魔力。
ユーノ・スクライアに教わるまでもない。
頭の中に勝手に構築されていく魔法式。

「まずは体内にある魔力を感じて……」

高町なのはを見る。
彼女は、デバイス。レイジングハートに魔法の使い方を教わりながら試行錯誤しながらもなんとかモンスターの攻撃を躱していた。

「高町は魔法の天才か……、だとしたら俺は何なんだろうな?」

自然と口から言葉が出た。

「え?」
「飛ぶぞ!しっかり捕まれよ。ユーノ・スクライア!」

ふわりと、一瞬浮き上がり、高町なのはの居場所に目標を定め、加速する。

「うわぁああ」
「うるせぇえええ」

ロー、ファースト、セカンドのように加速するならまだしも、ロー、マックススピードで加速するとは思わなかった。

「え?えぇええ?」
「バインド!」

高町なのはの横に並びそして、モンスターにバインドをかける。
頭の中に流れる魔法式ははっきり言って理解不能。思い描いた魔法を感覚的に使ったが、なんの問題もなく魔法が使えた。

「驚いてる時じゃないぞ高町、動きを止めたあとはわかるな?」
『マスター、封印処理を』
「あの、どうゆうことなの?」
「アイツを倒したら全て話す……」

高町なのはは疑問の顔、疑惑の顔、そして、納得してどこか、決意を秘めたような顔をしたあと、レイジングハート指示の下、杖を構え、砲撃を撃った。
バインドで動きを封じられたモンスターは簡単に撃ちぬかれ、封印された。

「信じられないかもしれないけど、僕はこの世界の外、別の世界から来ました……」

ユーノが語る。
別の世界から来たこと、魔法のこと、ジュエルシードのこと。

ひと通り、話が終わり高町なのはは驚きながらもユーノの話を聞いていた。

「で?紡くんはいつになったらお話聞かせてくれるの?」
「うん?ああ、そんなことより、家に帰らないと怒られる時間だぞ」

時間は既に夜10時を回るかどうか。
小学生の身でこの時間帯に外に出歩いていると補導される恐れがある。

「家まで送ろう。その道中に話す。ちなみに、ユーノ・スクライア、俺は男だぞ」

高町なのはが紡くんといったことでフェレットのユーノは固まっていた。
たぶん俺を女だと勘違いしていたのだろう。

高町なのはの家に向かう道中、あの時起きた魔法覚醒の話をした。
ユーノは驚き、そんなのありえないよ。とぶつくさ言っていた。
高町家につき、高町兄、姉に見つかり俺が適当に言い訳をして、それに納得したのか、二人は高町なのはに小言を言った後、高町姉のほうが俺を家まで送るという話になった。

「田村くんの弟くんか~。これからもなのはと仲よくしてね」

そう、高町姉は俺の兄と同じ高校に通っている。
俺の存在は知っていたようだが、兄よ、俺の事をどう話した。
高町姉は俺がコスプレ趣味のある女の子みたいな男の子と勘違いしていた。
少し凹んでチキンとそれは俺の姉の趣味であり、俺はしぶしぶその趣味に付き合っているだけだと言っておいた。

家につき、高町姉と分かれ、帰りの遅い俺を待っていたのは両親と姉と、兄。

「紡にしては珍しく、いや、初めて家族に心配をかけたな」

父親の言葉はどこか嬉しそうだった。

「そうだね。紡がねぇ。ガールフレンドでもこさえたか?」

妙なところで鋭い兄。

「お姉ちゃんは許しません。一緒に……」

相変わらずの姉。

「まあまあ、いいじゃない」

ほのぼのとした母親。

まったくもってこの家族は温かい。

「ごめん。遅くなると連絡すべきだった」

素直に謝り自室に戻る。
初めての魔法を使ったことで疲れたのかすぐに眠りについた。

――――――――――――――――
あとがき

オリジナル魔法設定&解釈

魔法覚醒うんぬんと、共鳴覚醒は最近ハンター×ハンターが復活したからハンターの念能力覚醒から拝借。
デバイスを持たなくても魔法をバンバン使っているキャラ(ユーノとか、アルフとか)がいるのでデバイスなくても問題ないはず。というかリンディさんとかお偉いさん達は持ってない様子だし。

アニメ、劇場版の話からSSを構築しています。

主人公のキャラ設定がいまいち安定しない。
チラシの裏板にいる間に練っておきます。
3話ほど書いてその後、修正を加えとらハ板に移動予定

2011/08/21
少し修正。
――――――――――――――――



[29310] 第2話
Name: castake◆d6014dec ID:025b4777
Date: 2011/08/28 03:30

SIDE:田村紡

二度目の小学生の授業ははっきり言って退屈である。

担任は若い女性で恐らく教師になって間もない。恐らく20代後半に入ったばかりか、少なくとも30代には見えない若さだ。
教育システムはリリカルなのはの世界も元いた世界と変わらずであった。

中学生までは義務教育であり、俺の場合テストの時だけ主席して点数を稼ぐだけでもよかったのだが、世間体というものがあり、少なくとも今の家族に迷惑をかけないつもりで学校に行っていた。

しかし、というか、意外にも授業以外の時間の小学生たちとの交流はなかなか興味深いものがあった。

元いた世界で彼女もいなければもちろん子供ももいなかった。

年齢=彼女いない歴=童貞であったが、それなりに親しい女性はいた。

いや、まあ、風俗にお世話になったことがあるのでニア童貞?

どうでもいい話だ。

ところで、俺はロリコンではない。

守備範囲として年齢16~30と広かった。

さすがに年齢が二桁にもなっていない女の子に性的な興味はない。

それでもパンチラや胸チラに眼が言ってしまうのは男の性というものだろう。

さて、前置きが長くなりすぎたが何が言いたいかというと、小学生3年の女の子は守備力が低かった。

校内での階段でパンチラ、校庭で遊んでいてパンチラ、教室の椅子に大股で座っていてパンチラ。

俺がパンチラ見たいわけじゃない。お前らがパンチラ見せてんだ。

こと、高町なのはにいたっては羞恥心がないのかと疑うほどである。

今日は休日であり、高町なのはは私服。

ピンク主体の上着に、ミニスカートに白のニーソックス。
絶対領域に当たる太ももは小学生らしい健康的な脚である。
可愛らしい格好をしてきているのだが、識者(ロリコン)の眼から見ればこれほど興奮させる格好はないのではないかと思う。

場所は人気のない広場、アニメでレイジングハートと魔法を訓練していた場所である。

そこに俺と高町なのはは集合していた。
目的は魔法の訓練だ。
昨日の夜に魔法を使い始めた。魔法になれるためにも訓練が必要である。
そのため、土日を使い魔法を訓練しようと俺から高町なのはに連絡したのであった。
本来、高町なのはからレイジングハートを回収し、魔法を使っていくのを止めさせようと思っていたのだが、原作と同じく高町なのはは頑固であった。
結論から言うと高町なのはは魔法を学び、それを正しく使う。そのために俺が監視し、危ないことには極力参加しないということで意見は合意された。
今ではレイジングハートの元、高町なのはは魔法を訓練。
ユーノの元、俺は魔法講義を受けていた。

魔法の訓練の最中に風が吹いてスカートがめくれようが、私服のまま飛行しようが、こけてスカートの中が見えようがお構いなしだった。

ピンクのパンツか。

少しは隠そうと努力したり、恥ずかしがったりしないのは俺がパンチラをしていることに気づいていないのか、それとも見えているのに気づいていないのか。
注意したほうがいいのか、それとも言わないほうがいいのか。
将来的に考えてここは注意しておこう。

「高町、パンツ見えてんぞ」
「え?」

3メートルほど浮いてディバインシューターの練習をしていた高町なのはは顔を赤らめてすぐに地面に降りて俺の前に来た。

「つ、紡くんのえっち!」

怒ったとはいえディバインシューターで攻撃してくるとは思わなかった。
さすが、白い悪魔。
だが、俺には魔法があるのだ。

「プロテクション」

相変わらずどういう仕組で発生しているのか理解できないのだが、頭に盾を思い浮かべトリガーになる言葉を発するだけでこうして魔法の盾。プロテクションが発生する。はずであった。

――ジャラ

展開された魔法の盾は通常のプロテクションではなく、魔法の鎖が重なりディバインシューターを防いでいた。

魔法が使えると思っていたが、そうじゃなかったのか?

「魔力変換資質……??」

ユーノがなんじゃこりゃみたいな口調で呟いた。

本来、魔力変換資質というのは「炎」「電気」が比較的多く、「凍結」は稀。それ以外の魔力変換資質というものは聞いたことも見たこともないと、ユーノが説明した。

「しかし、俺が聞いたことも見たこともない魔力変換資質でしたっと?」
「たぶん、レアスキル系かな?それとも遺伝的なものかも……。でも紡の家族は魔法使いじゃないし……」

ユーノは歯切れの悪い口調で考えていることを述べているようだった。

とりあえず、重要なのは『能力』を手の内に納める事だ。
誰もが知る能力だろうと、誰も知らない能力だろうと自分の魔法を知ることが今最大の重要点だ。
俺の魔法の威力はどの程度になる?
最大魔法は?
最小魔法は?
魔法の範囲は?
どういう魔法をどれだけ発動できる?
発動するためにかかる時間は?

検証――。

対象者。
高町なのは
戦闘条件。
高町なのはは及び、レイジングハートは俺の攻撃魔法に対して防御魔法を展開すること。

飛行、問題なく飛べた。

攻撃魔法は高町なのはを参考に砲撃魔法から始める。
イメージしたのは高町なのはのスターライトブレイカー。
右手から砲撃を出す感じで高町なのはに掌を向け、魔法を発動。

ジャラ、ジャラジャラ、ジャラジャラララ――

魔法の鎖は複数の芽が発芽し成長するように増殖して、大量の鎖は砲撃と遜色ない威力で高町なのはに襲いかかる。

チェーンバインドを100~200ほど発動したような大量の鎖に飲み込まれた高町なのははプロテクションを展開させて俺の"砲撃"を防いでいた。
砲撃というか、大量のチェーンバインドを勢いをつけてぶつけた、それが俺の砲撃魔法であった。
しかも、俺が魔力供給を止めない間は大量のチェーンバインドは消えなかった。

つまり、プロテクションを展開している高町なのはごと、遥か上空まで押し出していた。

まずいと思い、砲撃したチェーンバインドで高町なのはを覆い尽くし、手元まで引き寄せた。
右手から展開されていた大量のチェーンバインドはどうやら俺の意思通りに動くようだ。

「ある意味すごいよ……」
「しばらく鎖はみたくないの……」

SIDE:ユーノ・スクライア


特殊魔力変換資質呼べばいいのだろうか。
紡の魔法は飛行以外、バインド系の魔法に変換されてしまうようだ。
主にチェーンバインドで攻守を行っていたが、ありえないよ。
発動、速度に優れないはずのチェーンバインドを一瞬で発動、最高速度で動かせるなんておかしいよ。
紡は自分の能力を調べていた。検証するたびに僕の常識は崩れていく。

紡の魔力はなのはと同等くらい。
だが、魔法の理解力、応用力、判断力が圧倒的に紡が上。
たった一日。そう、たった一日で僕は紡に教えることが殆どなくなった。

なのはと模擬戦をしている内に紡はどんどん成長していったのだ。

チェーンバインドの攻撃は模擬戦を重ねるごとに鋭さを増し、防御も捌き、見切りが上手くなっていた。

なにより、チェーンバインドの使い方が普通の魔道士、魔法使いとは別であった。

紡の左腕には左手首から肘までにかけて腕を中心にチェーンバインドが高速回転している。単純な魔法砲撃はこれで弾くか捌いていた。
大きな砲撃は高速回転されたチェーンバインドを紡の正面に展開させ円を作り出し防御。
同時に、右手から大量のチェーンバインドが飛んで来る。

どうやら紡は両腕を起点に魔法を使用するのを好んでいるようだ。

それにしても、チェーンバインドがココまでやっかなものだとは思いもしなかった。

SIDE:高町なのは

何度目の模擬戦になるだろう?
たぶん10回以上。

紡くんとの模擬戦はワクワクする。
回数を重ねるごとに手ごわくなる紡くん。
その顔は楽しそうだった。
私はそれを見て頬が緩む。

もっと続けたいと思ったけど、そろそろ終わりが近い。

「高町、次がラストだ。魔力が底を付きそうだ」
「うんっ!私もそう思ってたの!」

紡くんは左腕のチェーンバインドを消した。

「?」

防御を捨てて攻撃?

「ゲートオブバビロン!」

えぇえええ??
紡くんの背後の空間から大量のチェーンバインドが襲いかかってくる。
いや、チェーンバインドだけじゃない。リングバインドだったり、魔法の輪だったり、それこそあらゆる拘束系の魔法が飛んで来る。
避けようとしたが、右足が動かなかった。
不可視のリングバインド?
そう思った瞬間に私は衝撃を受け眼の前が真っ暗になった。

――――――――――――――――
あとがき

オリジナル魔法設定&解釈
ゲートオブバビロンはやりたかったからやった。後悔はしていない。
原作を見ていて複数の拘束魔法をいっぺんに発動すればいいのにと思っていたので使ってみました。
タイトルのバインドマスターの意味は主人公の魔力変換資質を示していたんだよ!
な、なんだってー
とうわけで、バインドマスターの名前の由来は主人公がバインド系の魔法しか使えないという設定からタイトルをつけました。
ちなみにパンチラのくだりはグループ魂のパンチラオブジョイトイという曲を参考にしています。
主人公は表向きは冷静沈着だが、心の中ではむっつりスケベみたいな感じになりつつある。
今後、オープンスケベの変態紳士になるかもしれません……。
――――――――――――――――


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