記者日記

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記者日記:周囲の理解 /埼玉

 長年不妊治療を続けていた友人が先日、妊娠を知らせてくれた。

 深刻な事案を扱う職場で多忙を極めた友人はホルモンバランスが崩れ、2日に1回病院で治療を受けていた。仕事と不妊治療の両方のストレスで精神的に参り、1年前にとうとう休職することになった。妊娠中の女性を見ただけで号泣してしまうというメールを受け取った時は、彼女の心労を思うと慰めの言葉もなかった。

 ストレス社会の中、不妊の原因を男女ともに抱え、治療を受けるカップルは珍しくない。私の周囲でも、治療までしなくても医者などに相談に行ったというカップルは相当数いる。

 費用もばかにならないが、不妊治療に対する偏見も根強く、職場など周りの理解は絶対不可欠と聞く。少子化の時代、子供を望むカップルにもう少し温かいサポートが増えればと願ってやまない。【鷲頭彰子】

毎日新聞 2011年8月28日 地方版

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