06/21(火曜日)

《次の時代》(5):現実も見て、先も見すえて

 

原子力を中心としたエネルギー政策が、国際的にも国内でも大きな政治イシューとなってきました。ウィーンで開かれているIAEA閣僚会議には、海江田経産大臣が出席し、原子力発電所の国際的安全基準が大きな議論となっています。私は、IAEAを中心にしっかりした国際的安全基準を作ることが望ましいと考えています。

 

その海江田大臣が、先日、定期点検などで停止中の各地の原発について、「緊急安全対策の実施」や「立入検査による厳格な評価」の結果を踏まえ、再起動を促しました。これは、再起動ができないと「震災からの復興と日本経済再生のために不可欠な電力需給がひっ迫する」という判断に基づくもので、「原発推進という過去数十年の路線に再び戻った」という意味では全くありません。私にも、再生可能な自然エネルギーを促進する、という過去30年の思いがあります

 

真剣に山頂を目指す登山家は、山頂に向かって一直線に登ってゆくことが困難なときには、前向きに、迂回コースの登山道を選びます。肝心なのは、《リスクを賭して、直線的に登ること》ではなく、《確実に、山頂にたどり着くこと》です。私が目指す山頂の旗は、変わっていません。

 

この山頂を確実に目指すために必要なのは、《技術》です。わが国は、太陽エネルギーの分野では発電効率が従来の3倍となる「量子型太陽電池」や、従来の10倍の性能が見込める「リチウム空気電池」など、世界を凌駕する技術革新の宝庫です。今回の東電福島原発事故の教訓を積極的にとらえて、官民が総力を挙げて更なる研究開発に取り組み、再生可能な自然エネルギー促進に邁進するべきです。

 

《次の時代》に向けて、その流れを現実的に生み出す政策の第1歩が、前回書いた「再生可能エネルギー促進法」。今国会での成立は、大きな課題です。

 



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