07/12(火曜日)

ストレステスト導入の背景にある、問題の本質

 

大震災発生から、昨日で4か月。この間、復旧・復興と原発事故への対応に、私なりに全力を挙げてきました。しかし、私の言動について、なかなか真意をうまくお伝えすることができません。総理という立場を意識しすぎて、個人的な思いを伝えきれていないことを、反省しています。

 

今回の各原発へのストレステスト導入をめぐっては、昨日、内閣としての統一見解をまとめました。私としては、《国民の皆さんが納得できるルール作り》を指示し、その方向でまとめることが出来たと思っております。決して思いつきではなく、《安全と安心》の観点から、辿り着いた結論です。

 

原子力安全・保安院が経産省の中に存在して、“推進”と“チェック”を同じ所が担っているという矛盾は、早く解決せねばなりません。これは、既にIAEAという国際的な機関への報告書の中でも言明しており、今になって急に言い出したことではありません。この考え方に立てば当然、各原発の再稼働の判断等を、現行の保安院だけに担わせることはできません。現行法制上はそうなっていても、現実として、独立機関である原子力安全委員会を関わらせるべきだ、というのが、今回の政策決定の土台です。この決定と並行して、問題の本筋である原子力規制行政の《形》の見直しも、既に検討作業に入っています。

 

一方で政府としては、当面の電力供給に責任を持つ、という、もう一つの《安心》も確保しなければなりません。そのために今、企業の自家発電の更なる活用や、節電対策の工夫など、電力供給の確保策についても、近日中に具体的方針を示せるよう、検討を指示しています。

 

従来のエネルギー計画を白紙から見直し、中長期的に再生可能エネルギー導入と省エネルギーを促進し、原発への依存から脱却してゆく―――この明確な“決意”を、1日1日の中でどこまで“形”に置き換えていけるか。今日も全力で取り組みます。

 



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