優勝は実力で群を抜く、北京五輪銀メダリストのジャウアド・ガリブ選手(モロッコ)でした。
気温16度、快晴の穏やかな天候となった今大会。師走とは思えない気温でレースへの影響も懸念されました。
序盤、約20人で形成された先頭グループから、諏訪選手(日清食品グループ)、井川選手(大塚製薬)の日本人招待選手が早くも遅れてしまいます。
15km過ぎ、ペースメーカー(キプタヌイ)が一気にペースを上げ、それにガリブ選手、今井選手(トヨタ自動車九州)らもついていき、先頭グループがバラけます。
さらに独走するペースメーカーに引っ張られ、ここでガリブ選手が抜け出ます。今井選手、バラノフスキー選手(ウクライナ)、ケベデ選手(エチオピア)らが2位グループを形成、25km過ぎ、2位グループからケベデ選手が抜け今井選手との差を広げていきます。
1位で折り返したのはやはりガリブ選手、2位ケベデ選手との差は約1分40秒で独走状態となります。そして、今井選手は日本人トップの3位で、2位との差14秒で折り返しました。
折り返し直後、4位だったサフロノフ選手(ロシア)がペースを上げ、今井選手、ケベデ選手をかわし、2位に浮上します。
世界選手権選考レースとなった今大会、日本人1位争いにも注目です。35km過ぎ、順位を5位に上げた松宮選手(コニカミノルタ)が、今井選手との差をじわじわと詰めます。38km過ぎ、ついに松宮選手が今井選手をかわし日本人1位、全体の3位に浮上、失速した今井選手はついていけません。
2位に大差をつけて余裕でゴールしたガリブ選手、記録は2時間8分24秒で大会初優勝を飾りました。そして松宮選手が日本人トップの3位でゴールイン。記録は2時間10分54秒で世界選手権内定とはなりませんでした。地元福岡の期待を背負った今井選手は、結局5位でゴールし、悔しさが残るレースとなりました。
箱根駅伝で"山の神"として活躍した今井正人選手(26)がついに福岡国際マラソンにデビューする。 その今井選手を指導するのはバルセロナ五輪で銀メダルに輝いた森下広一監督。 二人が福岡国際マラソンの先に目指すものとは・・・。