【コラム】ソウル駅からホームレスがいなくなるためには(下)

 ホームレスを支援する同誌のある関係者は「ホームレスから抜け出すためには、収入が多いか少ないかよりも、ひとまず仕事を始めることが一番重要だ」と話す。「ホームレスが仕事を持つようになると、3カ月ほど働いて、すぐにあきらめてしまう。しかし、もう一度激励し、勇気を与えてあげれば6カ月、1年と働く期間が長くなっていく。そうすることで、社会に戻るための基礎固めができるようになる」。さらには「ポンプを動かすとき、初めに水を注ぐように、1カ月に10万ウォン(約7100円)、20万ウォンでも自分の力で稼ぐようになれば、人は変わる」という。これまでのホームレス対策が、衣食住を解決し、最低限の生存を保障する点に重点が置かれてきたとすれば、今後は職業を持つことを目的としたリハビリ・プログラムを運営していくべきとの話だ。

 ソウル駅は22日から、駅構内にいるホームレスの立ち退き作業を本格的に始めた。ホームレスが都市の美観を損なうのはもちろんのこと、安全に関わる問題も引き起こしてしまうため、ソウル市の執った措置は正しいといえる。しかし、これが本質的な対策とは言えない。追い出されたホームレスは、他の駅や地下道の周辺に居を構えるようになるわけで、監視の目が緩まれば、再びソウル駅に戻ってくるだろう。

 結局、ホームレスをソウル駅から永遠に追放しようとするには、ホームレスが職業を持つことを目的に引き続き多彩なプログラムを開発、激励していく以外にない。仕事に就くことができたホームレスは「また来てほしい」と頼んでも、ソウル駅には戻らない。

キム・ドンソク社会部次長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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