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【新聞チェック】池上彰氏が日経新聞に「どうなっているのか」と苦言 日立・三菱重の統合報道

BLOGOS編集部

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【新聞チェック】池上彰氏が日経新聞に「どうなっているのか」と苦言 日立・三菱重の統合報道
4日の日経(上)の見出しは勇ましかったものの…
今月4日、日経朝刊1面には「日立・三菱重工統合へ」という大きく勇ましい文字が躍った。日本の産業界を代表する2社が経営統合となれば、日本経済全体にとってもとてつもないインパクトを持つこととなる。


ところが、翌日の他紙は「思惑にズレ」「交渉、困難に」などと前日の日経とは対照的な見出しに。さらに、三菱重工は当日中に日経に対して「断固抗議する」と完全否定。前のめりだったとされる日立もトーンダウンした。

26日の朝日新聞15面(オピニオン面)下部では、池上彰氏がこの件について「事情が変わったのなら説明を」というコラムを掲載。その後の続報がない日経に対して、「どうなっているのか」と苦言を呈している。(BLOGOS編集部・野村)

新聞報道が事態を変える



池上氏はコラムの冒頭で、1969年元旦に当時の三菱銀行と第一銀行が合併すると読売新聞が報じ、その報道が原因となって第一銀行内部から反対運動が起き、合併が中止になった事例を紹介。「新聞の報道によって事態が変わってしまうことがあります」と述べ、今回の日経報道も「それと同じことになるのか」と問う。

4日の日経報道の冒頭には「3日までに両者首脳が会談し、基本合意した。4日午後に発表する」と書かれてあり、池上氏はこの冒頭部分には「自信を持って書いた特ダネをにおわせています」と感想を述べるものの、
この記事を読むと、「経営統合」という言葉がある一方で、社会インフラ事業を統合した新会社を設立とあります。両社が一緒に新会社を作るとしか書いてありません。どういうことかよく分からない部分があります。
と肝心の中身のあいまいさを指摘している。

続報なき日経に「どうなっているのか」



指摘はその日の朝刊に留まらず、
●4日・日経朝刊「経営統合へ向け協議
      ↓
●4日・日経夕刊「将来の経営統合を視野」
      ↓
●5日・解説記事を掲載するのみ
と、その日のうちからトーンが落ちていき、その後は続報がない日経に「どうなっているのか」と、池上氏は苦言を呈する。

それに対し、5日の朝日新聞は「事業統合 合意先送り」という記事で
日立側は会社全体が一緒になる経営統合をたびたび要求。さらに、事業統合した場合に統合事業を担わせる新会社への出資比率も、連結売上高で三菱重工の3倍を超える日立は三菱側より多い出資比率を求め、自らの子会社にしたがった。

しかし、三菱重工はいずれも拒否し続けた。規模は日立よりも小さくても、三菱グループの一角を占める三菱重工にとって、「日立に頭を下げて軍門に下るほどの状況じゃない」(関係者)という思いが強かった。
という記事を掲載した。
これについて池上氏は「両社の関係がよくわかる解説」と評価。

この点、毎日・読売新聞は三菱重工・大宮社長へのインタビューを行い、経営統合を否定するコメントを引き出している。
しかしながらいずれも、「一部報道について」と日経の名前を出さずに報じている点を挙げ、「この点、朝日の書き方はフェアです」と讃えている。

池上氏は、こうした朝日新聞などの報じた流れが実情であるのならば、「最初に報じた日経新聞としても、その後の経過をきちんと報じて解説する必要があるのではないでしょうか。日経新聞だけを読んでいる読者は、両社が経営統合すると思っているのですから。」と、日経にその後の報道を続けるよう促して文章を終えていた。

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