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きょうのコラム「時鐘」 2011年8月28日
福島県で稲刈りが始まった。会津地方のコメからは放射性物質が検出されなかったが、二本松市の玄米は微量のセシウムが出た
これから日本各地で稲刈りが本格化する。石川、富山からは検出されなかったが、収穫前の予備検査で関東北部のコメから微量の放射性セシウムが検出されたこともある。生産者も消費者もハラハラする日が続く 先日、東北の太平洋側から日本海側の稲作地帯を回ってきた。北陸の米作地帯も広々としているが、東北の広さは別格だ。福島から盛岡まで約200キロも続く仙台平野。八郎潟から広がる秋田平野、出羽三山に続く庄内平野。見事な稲穂が揺れていた この穀倉地帯のコメがすべて検査待ちである。「何だか怖いんだよね」と土地の人たちが言うのも無理はない。検査も怖いが、風評被害もまた怖い。放射性物質が検出されなくても相場が下がる恐れがあるからだ しかし、微量のセシウムが検出されても精米で数値はかなり落ちることは今回の福島の玄米が示した。既に水や野菜などで必要以上の風評被害を経験してきた。瑞穂(みずほ)の国の度量が試される秋になる。 |