大河ドラマ「平清盛」
ホームへもどる

2011年5月26日 第二次出演者発表

美しき女たちの華やかなる生きざま

チーフプロデューサー 磯智明

900年前の美しき日本の女性たち

清盛が生まれる100年前、清少納言や紫式部たちによる女流文学ブームがこの国にはありました。「源氏物語」のシンデレラストーリーにあこがれ、「枕草子」に自立した生き方を学んだ女性たちがこのドラマに登場します。当時の資料を読むにつけ、実在の彼女たちが想像以上に恋をして、夢を見て、人生を楽しんでいたことが分かります。
貴族から武士の世へと変わる激動の時代は、女性たちに試練を与えると同時に、今と違う自分と出会えるチャンスを与えました。脚本家の藤本有紀さんは、ついこの前の出来事のように、彼女たちの生きざまを華やかに軽やかに描き出していきます。
 長からむ  心も知らず  黒髪の 乱れてけさは 物をこそ思へ
この歌は鳥羽上皇の妃・璋子に仕えた堀河局によるものです。愛は永遠だとあなたは言うけど、今朝の私の想(おも)いは、乱れた黒髪のように乱れてしまう、という意味です。900年前の平安末期の女性たちの感性は、現代とかなり近いのかもしれません。華やかな彼女たちの活躍を楽しんでご覧ください。

ページトップへ

人物デザイン監修 柘植伊佐夫

2010年「龍馬伝」で大河ドラマ初導入の「人物デザイン監修」を担当。出演者全員のヘア、メイク、衣装、小道具にわたるデザインを監修する。今回が2作目の大河ドラマ参加、初めて平安時代の人物デザイン監修に挑戦する。
1990年、第一回日本ヘアデザイナー大賞受賞。1999年「白痴」でヘアメイクを監督したことをきっかけに、「おくりびと」(米国アカデミー賞外国語映画賞受賞)など映画作品のビューティー表現を担当。このころよりキャラクターデザインとその全制作を統括する必要性を感じ、「人物デザイン監修」の職種を開拓。「TAJOMARU」「ヤッターマン」「十三人の刺客」などが代表作。

ページトップへ

平家の女たち

理想の男性は“光源氏”でも現実の夫は平清盛。 平時子 たいらのときこ 深田恭子

王朝文学に憧れ、光源氏の出現を待つうちに婚姻が遅れる。弟・時忠から強引に縁談を進められ、理想の男と真逆の粗暴な清盛に失望しつつも、結婚することになる。
清盛の生い立ちや高い志を知るにつれ、彼が理想の夫だったと気づく。前妻・明子の子供もしっかり育て、平家一門の結束と栄華に努め、心が大きく肝が据わった女性。清盛亡き後は、平家の精神的な支柱として、頼朝との決戦を決断、一族を率いて壇ノ浦へ向かう。

武家から王家へ嫁いだ平安時代のシンデレラ。 平滋子(建春門院) たいらのしげこ(けんしゅんもんいん) 成海璃子 大河ドラマ初出演

平時子の妹。のちの建春門院(けんしゅんもんいん)。幼い頃から輝くように美しい「王朝文学のお姫様」として育てられる。平治の乱後、清盛と対立が深まっていた後白河上皇との関係を改善するため、兄・時忠から頼まれ入内(じゅだい)する。
今様三昧(いまようざんまい)でわがままな後白河だが、大酒のみで何でも徹底的につきあい、はっきり物をいう滋子に心を開き、平家と王家は雪解けムードに包まれる。滋子は高倉天皇を産むが、彼女の突然の死によって、平家と王家の間に暗雲が立ち込める。

清盛が初めて愛した女。 清盛ファミリーの礎(いしづえ)を築く。 高階明子  たかしなのあきこ 加藤あい 大河ドラマ初出演

清盛の最初の妻。無頼の生活をしていた清盛が、初めて命がけで守ろうとした女性。下級貴族の出身で、破竹の出世を重ねる平家とは階層の差があったが、清盛と共に周囲の反対を押し切り結婚。おとなしく従順な性格であるが、心に決めたことは変えないいちずさを持つ。その性格は嫡男・重盛に受け継がれる。次男・基盛を産むと病がちになり、幼子を清盛に託してこの世を去る。

無頼の清盛をわが子として育てあげた我慢の母。 藤原宗子 ふじわらのむねこ 和久井映見

忠盛の妻、後の池禅尼(いけのぜんに)。清盛と実子の家盛らを隔てなく育てよとの忠盛の教えを忠実に守り通す。忠盛の死後、平家は分裂の危機を迎えるが、宗子は忠盛の遺言に従い清盛を棟梁として立て、一門の結束に力を尽くす。
しかし平治の乱で義朝の嫡男・源頼朝が捕らえられ、頼朝に家盛の面影を見いだしたときに、清盛に対して抑えていた感情を爆発させ、頼朝の助命を懇願する。清盛が頼朝の命を救ってしまったことが、平家一門の破滅を招くことになる。

源氏の女たち

平清盛と源義朝、二人の男から愛された悲運の女。 常盤御前 ときわごぜん 武井 咲 大河ドラマ初出演

王家の雑仕女(ぞうしめ=下女)の採用に当たり、千人の美女から選ばれたという類まれなる美貌の持ち主。庶民の生まれでありながら、16歳のときにその美しさから源氏の棟梁・義朝に見初められ妾(めかけ=側室)となり、後に義経となる牛若を産む。21歳のときに平治の乱が起こり、謀反人として義朝が処刑されると生きる術(すべ)を失い、幼い牛若を連れて雪道をさまよう中、平家に命を救われる。清盛に請われて妾となり、女の子を産んだという運命の女性。

この高貴で聡明(そうめい)な血筋は、 源頼朝(みなもとのよりとも)に受け継がれた。 由良御前 ゆらごぜん 田中麗奈 大河ドラマ初出演

熱田大宮司の娘。源義朝の正室。東国(関東)へ向かう途中の義朝に命を救われ一目ぼれし、高貴な出自で、お嬢様育ちでありながら武家の妻となる決意をする。義朝の華やかな女性関係に嫉妬しつつも、源氏再興を目指す夫を支え続ける。息子の頼朝を溺愛し、武士の棟梁にする夢を抱き、厳しい教育を施す。保元の乱の後、源氏一族が苦境に立たされる中、頼朝が異例の出世をとげ蔵人(くろうど)となり、大きな喜びを得る。

王家の女たち

平安時代崩壊、災いの元凶を生んだ美貌の女。 藤原璋子(待賢門院) ふじわらのたまこ(たいけんもんいん) 檀れい 大河ドラマ初出演

鳥羽天皇の中宮。のちの待賢門院(たいけんもんいん)。幼少から白河院の寵愛(ちょうあい)を受け、その孫にあたる鳥羽に入内してからも白河と関係を持ちつづけ、やがて崇徳を宿してしまう。鳥羽との間に雅仁(まさひと/後白河天皇)をもうけるが、やがて鳥羽が得子(なりこ)に愛情をうつし、我が子たちが王家で冷遇されていることを知る。そして、その原因が自分にあることに気付き、初めて自らの愚かさを知る。絶望の中で佐藤義清(西行)と関係を持ち、破滅への道を歩む。

璋子の悲しみを受け止めた才色兼備の女流歌人。 堀河局 ほりかわのつぼね りょう 大河ドラマ初出演

悲運な人生を送った璋子に仕え、彼女の喜びや悲しみを受け止め、時によき相談相手となる。
北面の武士である佐藤義清(のちの西行)が璋子に心を寄せると、その橋渡しもする。高貴な貴族の出自で、芸術的な家庭で育った。教養が深く、感受性が豊かで、璋子の死後も西行とは歌を通じて交流を重ねる。小倉百人一首にも名前を連ねる才色兼備の女流歌人で、特に恋愛を題材にした名歌が多い。

王家再生に身を投じた最強の“女帝”。 藤原得子(美福門院) ふじわらのなりこ(びふくもんいん) 松雪泰子 大河ドラマ初出演

中流貴族出身で一族の期待を背負い鳥羽法皇に入内。寵愛を得るが、鳥羽の真意が璋子にあることに気が付き、激しい対抗心を燃やす。その後、璋子や最愛の息子・近衛(このえ)天皇の悲痛な死を通じて、腐敗した王家の再建に力を注ぐようになる。元来備えている政治的手腕に加えて女の情念が武器となり、朝廷内に絶大な力を発揮。鳥羽から崩御の折に、国政の全権を託され実質的に王室の頂点に君臨する。保元の乱では信西(しんぜい)と政治工作を駆使する。後に美福門院(びふくもんいん)と呼ばれる。

ページトップへ
大河ドラマ「平清盛」
ホームへもどる