憂楽帳

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憂楽帳:パリパリ文化

 「また代わるんですね」。韓国の知人にそう言われることが多い。08年2月に李明博(イ・ミョンバク)大統領が就任してから、菅直人首相の次で5人目。「今度は誰?」「○○さんってどんな人?」と聞かれることも最近は減った気がする。

 3月に発生した東日本大震災は、韓国の人々にも大きな衝撃を与えた。日本への造詣が深い評論家は「黒船、敗戦と日本は外部からの力をバネに発展を遂げてきた。大震災を3度目とし、21世紀にふさわしい体制を構築する契機にしてほしい」と話してくれた。

 だが、首相交代とそれに伴う政局ひとつとっても、日本のスピード感あふれる変化が見えてこない。元東京特派員の韓国人記者は「結局、大震災は日本に何の影響も与えなかった。最近はそんなふうにさえ思える」と漏らす。

 韓国は何事も「まずはやってみて、後から修正する」方式が徹底し「パリパリ(早く早く)文化」と言われる。だが、別の知人は「もうそんな時代じゃないんだよ」。「え?」と思った瞬間、彼は言った。「今はトォ、パルゲ(より早く)なのさ」【西脇真一】

毎日新聞 2011年8月27日 12時02分

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