【コラム】ぜい肉と弱い骨ばかりの韓国(上)

 朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領は1960年代初めからスポーツ政策に力を入れた。その方向性は二つある。一つは優秀な選手を育成して国威を高めること、もう一つは国民の健康増進だった。泰陵選手村の設置や学校体育への支援など一連の政策は、スポーツでの国際競争力を高めると同時に、国民の体力を向上させる基盤となった。

 朴元大統領の語録の中に「強靱な体力は国力だ」というものがある。朴元大統領は66年に全国体育大会での祝辞をはじめ、機会あるごとにこの点を強調してきた。そのため当時を知る人たちは「体力は国力」という言葉を何度も聞いたはずだ。この言葉はあるビタミン剤のキャッチコピーにもなり、一つの時代を象徴するスローガンになった。

 その後、72年には体力章制度(中高生の体力テスト)が始まり、これによって生徒たちの基礎体力は向上した。しかし、軍事政権の名残という批判に加え、体力テストの際に死亡事故が発生したことを機に、この制度は94年に廃止された。

 体育の専門家はこの体力章制度の廃止が、国民がひ弱になった大きな原因の一つと主張している。体育科学研究院が2009年に実施した「国民の体力に関する実態調査」によると、韓国の20代は中国や日本に比べ体力が劣っていることが分かった。韓国の20代前半の若者の握力は、40代前半の親指の力にも劣るという。同研究院でこの研究を行った担当者は「最近の若者は中学・高校の時代に体力をつけることができず、その状態で大学や社会に出るため、体力の育成や管理が十分に行われていない」と分析している。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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