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百十四銀行不正融資事件の基準に注目が必要だぞ!

2009/11/16 23:44

 

 

四国は香川県に本店を置く地方銀行、百十四銀行の幹部が関与する事件が発覚した。元支店長ら3名が逮捕されたこの事件は、何だか複雑なウラがありそうで興味をそそる。首都圏に住んでいる人たちからすれば、まるで他人事の話しであろうが、単なる地方の地域金融機関が関与した不正融資事件だとして軽く見逃してはいけない。おそらく、この件の基準(逮捕、捜査、起訴、量刑など)が、今後、首都圏の大銀行の支店営業マンにも適用されるだろう。注目の一件だ。

 

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百十四銀元支店長ら逮捕 元組員側に不正融資容疑
百十四銀行九条支店(大阪市西区)を巡る不正融資事件で、大阪府警捜査4課などは16日までに、元支店長、木谷康敏容疑者(55)=兵庫県西宮市神楽町6、懲戒解雇=、元暴力団組員で融資先の不動産関連会社役員、小川哲生容疑者(40)=住居不定=ら3人を特別背任容疑で逮捕した。小川容疑者側に融資された約10億円のうち、約3億円が使途不明という。
ほかに逮捕されたのは元支店課長代理、熊野宏昭容疑者(38)=愛媛県新居浜市港町4、懲戒解雇=。府警によると、木谷容疑者は「回収できると思っていた」、熊野容疑者は「支店長の指示でやった。返済してもらえると思っていた」と容疑を否認。小川容疑者は黙秘しているという。
逮捕容疑は2007年8月31日、支店長だった木谷容疑者らが、小川容疑者の実質経営する建設会社など3社に対し、回収の見込みがないと知りながら無担保で約1億3800万円を融資し、同行に損害を与えた疑い。
(2009/11/16) -NIKKEI NET-

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実行された融資の約10億円のうち、約3億円が使途不明というから穏やかではない。資金使途は何だったのか? 資金の流れがどうだったのかも気になる。資金の受け手だった元暴力団組員の不動産関連会社役員が、どういう使途目的で資金を流していたのか? どういう人脈図があるのかにも注目だ。

 

それにしても、無担保で約1億3,800万円の融資を実行したというから、百十四銀行のその内部管理制度に疑問を抱かずにはいられない。出来る銀行マンってのは、融資したカネが焦げ付かないように担保をビシッと押さえたり、信用保証協会のマル保同意を取り付けたり、融資ごとに保証人(連帯保証人)も押さえ、さらにはその保証人の預金も行内支店に定期性預金として囲み、債権保全を尽くしてから融資案件を審査部に上げるってパターンに決まっている。住宅ローンなら完成住宅の火災保険に質権設定までして、「質権設定承認請求書」に確定日付けのハンコ押すため公証役場まで出向くこともある。つまり、銀行員は段取りだってことだ。まあ、最近はそういうオイシイ需資案件はないだろうけど、最低限を尽くすってのが当たり前だ。

 

ところが、この百十四銀行は、支店長が裁量できる決済権限をこんなにも野放図にしていた。これは内部管理体制を問わずにはいられない。本店の審査部や与信企画部、監査部は一体、何をやってたんだ? 職務怠慢もいいとこだろうに…。逆に言えば、本部の重要部署すら動けなかったヤバイ案件なのだろうか? ということは、本部の組織的な関与は本当になかったのだろうか? 疑問は疑問を呼んでしまう。

 

参考サイト:
百十四銀行 -Wikipedia- (ウィキペディア)
ホットマネー -Wikipedia- (ウィキペディア)

 

実は、この手の地域金融機関や大銀行の小さな支店なんかが、闇社会から狙われるというのは昔からある。バブル崩壊後の疲弊した地域金融機関などが、目先の営業数値を達成しようと、後先を考えずに無理な預金や融資を実行することがある。これにつけ込まれる形で闇社会のアンダーグラウンドなマネーが一瞬にしてホットマネーになるようなスキーム構築に加担させられてしまうケースがある。こういうのが一番怖い。一度手を貸したら、もう手は切れない。とことん利用されてしまう。それがブラックマネーの本性だ。

 

今回の百十四銀行の事件が、今後どう展開するか分からないが、前線の銀行員に罪をなすり付けて終わりになる可能性もある。今後、この百十四銀行不正融資事件の捜査基準が全国に一般適用されるかもしれない。首都圏で営業している大銀行の営業マン諸君たちも心した方がいいだろう。

 

 

 

参考サイト:
ブラックマネー―「20兆円闇経済」が日本を蝕む -Amazon.co.jp-

 

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