政府が大災害時に備えて行政機能を西日本で補完する体制を目指すのに対応し、大阪府の橋下徹知事は24日、同機能の誘致を図ると述べ、首都機能分散の起爆剤にする意向を表明した。府の本庁舎周辺の再開発と連動させる考えだ。東日本大震災後、近畿の府県と経済界は関西への首都機能分散を提言しており、誘致に弾みをつける。
橋下知事は4月、「『大震災』を越えて“強い日本”をつくろう」と題した提案集で、災害時に備えて大阪府に首都機能を代替する機能を持たせるように主張していた。政府が西日本に行政を補完する機能として代替オフィスを検討し始めたため、自らの主張を実現できる好機と見てオフィス誘致に名乗りを上げた。
知事は「名古屋や福岡との競争になる」と述べ、小河保之副知事らに早期の対応を要請。府は政府への具体的な働き掛けの検討を始めた。
誘致の候補地に挙げたのは大阪市中央区の大手前地区。大阪府の本庁舎、大阪府警本部などがあり、府は同地区の再開発を検討している。
府警本部の西側に国が合同庁舎を建設する計画があり、近畿地方整備局などが移転・入居する予定だった。国の地方出先機関の見直しで計画は凍結されたが、知事は合同庁舎予定地を代替オフィスに想定している。
合同庁舎予定地(約6500平方メートル)は府が所有している。本庁舎の隣接地など同地区に点在する約4000平方メートルの国有地と交換する計画だった。
合同庁舎予定地への誘致が実現すれば、地区全体の整備計画に勢いがつく。合同庁舎には近畿における国の防災拠点が入る計画があり、防災以外の行政機能も補完しやすい。国向けに用地を確保する見通しはついており、誘致を進めやすい環境にある。
知事は18日、本庁舎を大阪湾臨海部の人工島、咲洲(さきしま)庁舎(旧WTC、住之江区)に全面的に移転する構想を断念したばかり。咲洲庁舎を府の災害対応拠点として利用しないと明言し、本庁舎の耐震化工事を進める。今回の誘致提案は本庁舎がある大手前地区を府内だけでなく西日本全体の災害対応拠点に位置付ける形になる。
兵庫県が地盤の石井一・民主党参議院議員ら超党派の国会議員でつくる議員連盟は、伊丹空港の廃止後に跡地に副首都を建設する構想を打ち出している。石井議員と協議してきた橋下知事は24日、「まず大手前(に代替オフィス)。中長期で伊丹に(副首都が)できれば賛成する」と述べた。
東日本大震災後、関西から首都機能分散の提言が相次いだ。2府5県の広域行政組織の関西広域連合、京都、大阪、神戸の3商工会議所は5月、枝野幸男官房長官にそれぞれ関西への首都機能分散を要望した。
橋下徹、小河保之、石井一、枝野幸男
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