イトカワ微粒子 隕石と特徴一致
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イトカワ微粒子 隕石と特徴一致

8月26日 5時18分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

日本の探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持ち帰った微粒子を分析した結果、地球で見つかった隕石(いんせき)と特徴が一致し、研究チームは隕石が小惑星から来たとする説が裏付けられたなどとする論文をアメリカの科学雑誌に発表しました。

「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子の分析を進めてきた国内の研究チームは、これまでの成果を6本の論文にまとめ、26日に発行されたアメリカの科学雑誌『サイエンス』に発表しました。この中で研究チームは、「イトカワ」の微粒子の化学組成などが地球で見つかった隕石の一部と特徴が一致したことから、隕石が小惑星から来たとする説が裏付けられたとしています。また、微粒子には、800度で加熱されたあと外部から強い衝突を受けた痕跡があることが分かりました。研究チームは、800度に達するには今の「イトカワ」の10倍以上の大きさが必要なことから、「イトカワ」は今より大きな天体として誕生したあと、岩石などの衝突でバラバラになり、かけらが再び集まって今の形になったと結論づけています。さらに微粒子に含まれるガスを分析した結果、重力の小さな「イトカワ」は表面の微粒子が少しづつ宇宙空間に拡散して小さくなっているとみられ、10億年後には「イトカワ」がなくなると推定しています。研究チームの東北大学の中村智樹准教授は「今回解明できたのは「イトカワ」の全体像のほんの一部に過ぎず、今後、世界中の研究者とともにより詳細な分析を行うことで、太陽系誕生の謎を解明していきたい」と話しています。