- [PR]
[科学]ニュース
米サイエンス誌 「はやぶさ」成果特集 隕石の起源、裏付け
2011.8.26 07:32
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」で採取した微粒子の初期分析結果が、26日発行の米科学誌「サイエンス」で特集された。微粒子の組成や立体構造を詳しく分析し、イトカワの形成過程や地球に飛来する隕石(いんせき)との関係を示す6編の論文を発表した。
初期分析の中心となったのは、東北大、北海道大、首都大学東京、大阪大、茨城大、東京大を中心とする研究グループ。化学組成や酸素同位体組成の分析などから、地球に飛来する隕石の中で最も多いタイプはイトカワのような小惑星に由来するという予想が裏づけられた。隕石の起源を直接証拠に基づいて初めて実証できた。
イトカワの形成過程については、直径約20キロの母天体が大規模な衝突現象で粉砕され、そのかけらの一部が集まって現在の落花生のような形状に進化したとするモデルを提唱した。
一方、微粒子に含まれるヘリウム、ネオンなどの希ガスの分析結果からは、小惑星イトカワの表層物質は小隕石の衝突などで100万年に数十センチ以上の割合で宇宙空間に飛散していることが分かった。このため、長いところでも約500メートルの現在のイトカワは、1億年後には完全になくなると、推測されるという。
中村智樹・東北大准教授は「多くの施設が震災で被害を受けたが、国内外の協力で立ち直った。この成果を復興への力にしたい」と話した。
このニュースの写真
関連ニュース
- [PR]
- [PR]