- [PR]
[経済・IT]ニュース トピック:エネルギー
【節電の夏】関電、8月の電力不足乗り切る 節電効果には疑問符
2011.8.26 23:55
関西電力は26日、「来週の週間でんき予報」を発表したが、29日からの1週間はすべて電力使用率90%未満の「安定」となり、8月の電力不足は乗り越えられる見込みとなった。しかし、同日発表の7月の販売電力量は前年同月比で0・6%しか減っていない。8月を含めた夏の節電効果でも「4%程度」との試算があり、節電効果で乗り切ったとは言いにくそうだ。
関西電力が7月1日に「15%程度」の節電要請をしてから間もなく2カ月がたつが、正念場とされた8月の電力需要は使用率94%を記録した9日が最高。26日までで90%以上になったのは3日間だけだった。
関電管内に送電する発電所では故障が相次いだ。堺港火力発電所2号機(堺市西区、出力40万キロワット)のトラブルでは、お盆休み明けの17日に最大の苦境が見込まれたが、他社からの電力融通もあり、午後2時台のピーク時間帯でも使用率は85%にとどまった。
一方、7月の販売電力量は128億5600万キロワット時。対前年同月比の減少率0・6%だが、電力使用制限令が出された東京電力は11%も減った。関電管内では節電要請にとどまったことや、操業時間を夜間や休日にシフトさせる企業があったはいえ、減少率の差はあまりにも大きい。
家庭が中心の「電灯」は、6月分が一部含まれていることもあり1・4%増加した。政府は関西の節電数値目標を「10%以上」とし、関電と数値目標が割れたことも節電効果を減退させた可能性がある。今冬などにも見込まれる電力不足を前に、企業や家庭の協力をどう取り付けていくかが課題として残りそうだ。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]